ホンダ NC700X

●64万9950円〜

今まで日本のバイクには手頃なサイズのロングツーリング向けモデルが存在しなかった。正確に書けばスズキのVストーム650のように海外では販売しているものの、日本じゃ販売しておらず。ラインナップしても売れない、と思っているのだろう。確かに100万円超えの輸出モデルだと台数は期待できまい。

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タイヤはオンロード用

とはいえ高齢化したバイクユーザーから「大人がノンビリとツーリングを楽しめるようなモデルが欲しい」という声も少なくなかった。だからこそ私は日本のバイクじゃなくBMWのF650GDを選んだ次第。そんな状況をホンダも認識していたのだろう。2人乗り対応の強固なフレームを持つロングツアラーを出してきた。

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バイク用としちゃ大きいシリンダーなので前倒し

しかも既存のエンジンを手直しして搭載する、という安直な手法は取っていない。大ざっぱに言えばフィットに搭載される1,3リッター4気筒を半分にした700ccの2気筒を新開発。低中速域のトルクを重視し、レッドゾーンはバイク用としちゃ低い6400回転。最高出力もフィットの半分の50馬力となる。

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タコメータは大雑把

乗ると非常に扱いやすい。2気筒なので低い回転はギクシャクするけれど、2千回転くらいから太いトルクを出す。ギアレシオもバイク用としちゃ高く、6速2千回転で60km/hといったイメージ。したがって一般道の60km/h巡航なら6速ギアのトルクバンドの下限。上手な設定だと思います。

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輸入車より足つき性が良い

もっと感心するのが高速巡航性能。テストコースでチェックしてみたら、実車速100km/h(メーター読み108km/h)で3500回転。ここからメーター読み120km/hくらいまで振動が少ない回転域になっている。今まで乗った日本製バイクの中で高速巡航が最も楽チンだった。クルコンさえあれば、どこにでも行けそう。

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一般道はジェントルに流す

意外だったのがハンドリング。背の高いモデルということで期待していなかったのだけれど、ミニサーキットを走ってみたら楽しいの何の! エンジン幅狭く、車高高いためバンク角深い。その気になって走れば相当イケます。タイトなワインディングロードなんか最高に楽しかった。寝ていたオヤヂの「若さ」が蘇ります。

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燃料タンクはリアシート下。荷物積むと少し面倒

ロングラン性能をチェックするため高速道路130kmを含む260kmのコースをイッキに走ったけれど、このくらいの距離なら休み無しでOK。調子に乗ってタイトな峠道も制限速度ギリギリで走ったためか、燃費は25km/L程度でございました。ノンビリ走れば30km/L以上だと思います。

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タンクの位置にはヘルメットがスッポリ入る

リアにハードケースを3つ付け、フロントのウインドスクリーンを高速走行時に風よけとなる大型のタイプに交換すればオヤヂのツーリングバイクとして文句なし! これで価格は64万9950円。700ccバイクとしちゃ圧倒的にフレンドリィだ。私もF650GDから乗り換えようかしら。

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3 Responses to “ホンダ NC700X”

  1. スペーシー100 より:

    晴天の本日、近くのバイクショップの試乗会に参加してきました。久々にクラッチ付きのバイクに試乗と言うことで緊張、でも2-3回試乗コース(約15分程度)を慣らしで肩がほぐれ時間を忘れるほどに。お目当ては、NC700Sで心にグサリ、でも眼中になかったヤマハXJ6に一目惚れ。トローリとしたエンジンに思わずEVか(乗ったことありませんが)と思うほど。本命に変わりが無いのですが、今しばらく悩ましい時間を過ごしそうです。

  2. Tomi@群馬 より:

    NC700X、たまたま行った近くのRBで見ました。
    なかなか良さ気です。欲しいですね。
    でもその前に、少し尖がったのにも乗ってみたいです。

  3. tatibana より:

    はじめまして、昨日NC700X 注文しました、f650gsからの乗り換えです 試乗せずに買ったので先生の評価が良かったのでほっとしてます。
    いつも楽しく拝見させていただいてます ありがとうございます。

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