ニュージャパンマリン(NJM)NSC265に試乗

今年最後のお仕事は遊んでいるようにしか見えないフネの試乗であります。ニュージャパンマリンという企業、日産がやっていたマリン部門を引き継ぎ、日産で販売していたフネを継続して扱うことになった。販売だけなら開発予算など不要なので利益を上げられる。当初、そのまま売るのかと思っていたら、あにはからんや。日産マリーンの中にも、フネ好きが少なくなかったらしい。

加えてやりのこしたこともあったのだろう。何と! 日産マリーン時代、最後に出した世界的にも珍しいカタマラン(双胴艇)のNSC245というモデルをベースにNSC265というモデルを作ってきた。NSC245、試乗してみると確かに課題をいくつか抱えており、ハワイで試乗したカタマランと比べ「う~ん」。その旨をNSC245の開発担当者に伝えていたおだが、NSC265で改良したという。

基本的にカタマラン好きの私とあって、大いに期待しながら試乗会へ。改良したのはハル前半の形状と、センター形状、剛性だという。課題を簡単に紹介すると、荒れた海面でお腹打つとドシンバタンしてしまい、加えてハル(艇体)全体が振動してしまっていた。お腹を打ちにくくするため前側の浮力を増やし、打った時の衝撃もイナすようにしたという。確かに形状は変わっている。

ちなみにインテリアはNSC245とほぼ同じ。4人分の前向きシートと、ミニマムなサイズの個室トイレ、身長170cmくらいまでの人なら横になれる前方のフラットスペースを持つ。フネの中で泊まったりすることは想定していない。私は泊まりたい派なので、もう少し広いキャビンが欲しいところ。まぁ日帰りの釣りや、近所のクルージング用として使う人が大半なので問題無し?

ということで試乗したのだけれど、今回エンジンがヒジョウに厳しかった。ヤマハの船外機、基本的にウルさいと思っているのだけれど、NSC265と組み合わせたら一段とアカン感じ。そもそも全回転域で騒音&振動が大きい上、共振点まである。フネ全体の質感を2ランクくらい落としてますね。スズキやマーキュリーの過給器付きエンジンと組み合わせたらずいぶんイメージ違うと思う。

乗ってどうか? なるほどNSC245と比べれば圧倒的に進化している。ドッタンバッタン感は無くなった。内装材が振動していたりする点など、細かい煮詰めをしたら一段と印象良くなると思う。モノハル(普通の形状のフネ)と比べ、20%くらい燃費良いと言う点もカタマランらしくて好ましい。カタマランの最大のメリットは、燃費の良さです。徹底的に追求したらステキだ。

250馬力で34ノットという最高速、少しばかり期待外れ。カタマランのメリットは走行抵抗の少なさ。船尾形状や船外機の取り付け位置など細かい改良で、もう2~3ノット上げられると思う。そしたら燃費だって一段と良くなる。出来れば200馬力エンジン搭載で同じくらいの最高速を出したいトコロ。そしたら一段と魅力的なフネになるハズ。もう一工夫です。

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