トヨタ2期連続減収

トヨタが2期連続の減収になるということが大きなニュースになっている。深刻な状況か? 減収の基本は為替のためであり、「海外で得た利益」の現地通貨額を見ると悪い数字と言えない。考えていただきたい。100億ドル稼いで1ドル120円だと1兆2千億円。これが1ドル100円になれば1兆円だから2000億円もの減収である。

逆に利益は今のままであっても円安に進めば、大きなメディアは「増収!」という内容になるだろう。あまりに短絡的な報道だと思う。冷静に評価すれば依然としてトヨタのポジションはキッチリしており、急に良くなった悪くなったということでもない。では全く問題無いか、と聞かれればそうでもないようだ。

トヨタの大きな課題はハイブリッド戦略だろう。すでにアメリカで神通力を失ってしまっており、販売台数落ちる一方。現行プリウスの売れ行きを見ると「大失敗!」と言って良いうだろう。ちなみに現行プリウスは日本市場でも失敗しており、4月の販売台数を見ると昨年4月の半分になってしまった。値引き拡大中。

トヨタの場合、世界的に考えるならハイブリッド一本槍でこそないけれど、強力な4番バッターとしての位置づけ。不振は大きなマイナスになってしまう。それでいてハイブリッドの技術レベルに投資してこなかった。現行プリウスに使われている技術もバッテリーを含め基本的に17年前から変わっていない。

結果、燃費だけ向上したものの、性能面に代表される「クルマとしての魅力」を引き出せておらず。考えていただきたい。クルマに興味の無いユーザーからすれば「移動の足としての道具」であり、経済的であればOK。一方、クルマ好きは高い出費を厭わないが、楽しくて魅力的でないと振り向かない。

クルマに興味の無いユーザーからも、クルマ好きからもハイブリッドの魅力は薄れた。ちなみに今までハイブリッドが売れていたのはガソリン高騰のためである。昨今のように世界的にガソリン価格が安定し、普通のエンジンの燃費もよくなってきたら、高価なハイブリッドの必要性だってなくなってしまう。

アメリカ市場で伸び悩んでいるのは保守的になりすぎているためだと言われている。ここにきてアメリカでの売れ筋は4ドアセダンからSUVに移行中。スバルの売れ行きを見れば解る通り、4ドアセダンのインプレッサやレガシィB4でなく、少し背高のXVやアウトバック。トヨタの車種ラインナップには無い車種だ。

決算発表で豊田章男社長は危機意識を明確にした。トヨタくらい大きな組織になると、社長の意思も伝わりにくくなる。「乾いた雑巾を絞る」と言われてきたトヨタだけに、本格的な危機が到来する前に手を打ちたいと言うことかもしれない。


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