ミライにはトヨタ技術者の夢も詰まっていた

ミライを競技に使える車両にするため、最も安全性高い全溶接構造のロールケージを組んだ。このタイプのロールケージ、車体側にも溶接するため全ての部品を取り外さなければならない。その時点で「凄い凄い!」の連続! よくぞこんな凝った内容のクルマを作ったものだ!

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当然ながら一品製作

部品をバラすだけでも普通のクルマの3倍くらい手間が掛かる。どうやったらこんなに多くの配線や制御ユニットをダッシュパネルの中に組み込めるのかと思う。生産するのだって難しいハズ。普通のワーカーじゃ絶対作れまい。そこに45口径のパイプを4本貫通させたのだからアホですけど。

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ダッシュパネルの中身

この点についちゃ追々。ロールケージ入ったミライのハンドル握り、最も驚いたのは何とパワーウインドゥの静かさだった。滑らかに同じスピードで動く上、全く音がしない! こんな静か&質感持って稼働するパワーウインドゥ見たの、この仕事を35年やってて初めてです。

開発した人に聞かないと解らないのだけれど、静かなクルマなのでパワーウインドゥの音が気になり、対策したのかもしれない。パワーウインドゥの静かさ気づいた途端、少なからぬ良い意味での衝撃を受けた。徹夜のため感受性も高かったのかもしれません。少し泣けてきた。

ミライは関係者が妥協しないで開発した、という話は知っていた。バラしてみたら想像のはるか上でしたね。全体的なコストを抑えるため、ベースはSAIあたりを流用しているのだろう。ゼロから作ったら膨大なコストになりますから(といってもフロアは水素タンク入れるなど特殊な構造のため専用)。

一方、ミライだけに使われる部品や構造についちゃパワーウインドゥと同じく全く妥協していない。ボンネットは迷わずアルミ。整備する人だって見えないような場所にアルミの押し出し材を使う。空気抵抗減らすため床下に貼られている樹脂製のカバーだけで7枚もあるのだった!

ホワイトの内装も「こんなクルマを作ってみたい」という夢を「ミライだから」という理由付けて実現しちゃった感じ。ありとあらゆる電子装備や先端装備が標準で付いているあたりも「どうせならやっちゃえ!」的である。喜多見さんとミライを見ながら「全く飽きないですね!」。

初代セルシオや現行センチュリーも欧米の高級車に追いつけ追い越せというトヨタの意地を感じる。でもミライは違う次元に入った。ここで文字にすると安っぽくなるから具体名は書かない。でも世界の一流と評されるクルマ達を作っている職人技と同レベルです。妥協してない!

ミライの開発や生産に関わった人達は凄く凄く大変だったハズ。こんな贅沢な仕事、自動車業界に長く居ても出会えないだろう。そういった意味じゃ幸せかと。そんなクルマを一度もハンドル握ること無くバラバラにしちゃったことを申し訳なく思う。今度会ったら謝ります。

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全てを台無しにする写真?

しかし! スンゴク楽しいクルマに仕上がりましたよ。何より全く新しい世代のスポーティーカーになった。自分でも意外なほど濃い味が出ている。機会あったらいろんな人にハンドル握って貰いたいです。


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