ぬるま湯ニッポン

北京ショーでもウナッたのだけれど、純中国車のクオリティが大幅に上がり始めている。おそらく日米欧の自動車メーカーの工場進出で勉強し、人材も技術も育ってきたんだと思う。そういった意味じゃ韓国人より中国人の方がアクティブだし何よりクルマ好き。すでに海外進出するメー
カーも出てきた。

例えばタイでは今年からチェリーの『QQ』という1,1リッターエンジンを搭載するコンパクトカーを発売しているけれ
ど、安いためソコソコ売れているようだ。考えてみればハイアール製の家電製品(中国最大の電器メーカー)も気がつけば日本にまで入ってきており、限られたジャンルながら売れ始めてます。

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泊まっているホテルの前のチェリーQQ

もちろん未だレベルは日本車に届いていないものの、前述の通り品質は日々改善されていく。早ければ数年後に新興国マーケットで一定のシェアを獲得するようになっているだろう。日本車の停滞を横目に急進している韓国勢より、中国勢の方が進化早くアグレッシブ。手強いライバルになること確実。

もちろん日本の自動車メーカーの役員クラスにも慧眼の持ち主は多い。すでに中国の自動車産業に対し危機感を持っている人は少なくない。されど本社の中枢が動かなければいかんともしがたい。「羮に懲りて膾を吹く」で、各社とも現在の首脳陣は案外フレキシビリティ少なく変化を好まない様子。

その証拠に今こそいろんな意味で攻めなければならない時期なのに、日本の自動車メーカーは世界的に「守り」に入ってしまっている。おそらく首脳陣が攻めることを恐れているんだと思う。といった意味じゃ攻めているトヨタは面白いです。取り巻きが良くなればイッキに新しいフェイズに入るかと。

日本の市場は当分どうしようもないかもしれません。されど海外は今こそ勝負の時だと思う。

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3 Responses to “ぬるま湯ニッポン”

  1. 山崎 より:

    だいぶ前から業種を問わずいわれていました。
    5年契約でもてる技術を移転する.
    給与は日本勤務時の5倍と

  2. 小林 英弘 より:

    数年後に「アジア圏」という括りのマーケットで各国のメーカーがガンガン新作を出し合って市場が大いに活性化してる、というのが望ましいのではないかと思います。欧州車はどれも歴史もあり技術力もある素晴らしい品質と性能のあるモノばかりですが、「アジア圏民」目線で見るといまだに貴族社会の階級制度を色濃く感じさせる厳粛なヒエラルヒーに添ったラインナップというか体質を現在もこれから先も固持するだろう欧州市場は今や「特殊」「前近代的」「閉鎖的」な存在ではないか?と思います。むしろこれからは新車開発を「旧態依然の欧州市場向け」と「今が発展途上の一番おいしい時期のアジア圏向け」に分けた方がいいのでは?。人口的にも将来の発展可能性からもこれからは「アジア圏」で各国と競い合ってワイワイと切磋琢磨した方が将来性があるように思えます。残念ながら「日本市場はガラパゴス化してる」て批判する欧州市場もこれから先は先細りではないのかな…。どのメーカーも一部貴族向けの超高額高級車を用意しないといけないなんて、もう21世紀なんだからそろそろ止めませんか?と言いたいです。アストンマーチン1台作るのに何頭牛を殺して革を剥がないといけないの?「クジラを殺すな、可愛そうだろ」なんてどの口が言ってるの?プリウス買ってアルカンターラで内装張り替えて乗りなよ、と言いたいです(笑)。

  3. lucky より:

    いつも、拝見させて頂いています。
    今の、日本を取り巻く環境を考えると、車も含め完成品の輸出は厳しいと思います。
    中国ですが、政府の金融引き締めによって上がり過ぎた、都市部の不動産価格の下落、株式相場の下落、元切り上げ予測で、投資の中止も聞かれ初めてます。
    中国メーカーの品質ですが、国沢先生の考える通り、確実に上がるでしょう。元が切り上げされたら、高い商品になる為?品質で?カバーか。
    日本メーカーは、既に通り過ぎた道です、地産地消で本当の意味で生産している国に、役立っていると思います。おこぼれで日本に、輸出!
    余談ですが、20年位前に商社マンの友人が中国人のお嫁さんを貰いました。中国の都市部にマンションを内装込みで、400万円位で買い、20年位住んだ後なんと、買った金額の10倍以上で昨年売れたそうです。これが中国バブルです。

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