またもバス事故

またもやツアーバスの事故が発生した。前回の事故の防止策として役人を中心として構築した対応といえば「労働管理を厳しくする」。安全装備の導入についちゃ全く無視。こう書くと「既存のバスには装着できない」みたいな暴論を吐く輩も出てくる。確かに車両制御システムに組み入れるとなれば難しいと思う。

されど後付の装備なら容易。例えば下でリンクしている簡単な装置だって有効。以前試したことがあるけれど、運転中って居眠りすると99%くらい下を向く。そいつを感知してアラームを鳴らす、というもの。詳しくはリンクを見ていただきたい。こんな簡単な装置でも居眠り事故の90%以上を未然に防ぐことが出来ます。

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もう少し本格的な装置だって存在する。ミシンで有名なJUKIが開発した『スリープバスター』(約16万円)なんか相当正確に居眠りを感知できるそうな。こういったシステムが稼動したら3回目くらいから車内にも解るようにしておけば、お客だって注意するようになるし、休憩を取るよう言われるかもしれない。

ちなみに今回の走行距離は規定の400kmを僅かに切っていたという。ただ1日あたりの運転可能時間が10時間と定められており、そいつを越えていたそうな。いかにも役人や識者の考えることだとウナる。渋滞などで遅れたら、仙台まで帰らなくちゃならなくても菅生で「ここで交代する運転手待ちです」ってことか?

ニンゲン、4時間で眠くなることだってある。10時間を1分でも越えたらカラータイマー点滅して寝込むモンでもない。どうして根性論や原則論に終始するのだろう。今回の事故だって技術を上手に使えば十分防げたと思う。新車には居眠り防止装置の義務付けを。既存のバスに後付装置を緊急に付けるべき。

また、なかには「道路を改修しろ」という日航の御巣鷹山事故の際の「山が悪い」(事故調査で山じゃなければ不時着できた、と言ったオタンコ識者が居た)みたいな意見も出ているそうな。危ない場所を全て潰すことなど不可能に近い。事故の形態だって様々。今のままだと事故は絶対無くならないです。

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6 Responses to “またもバス事故”

  1. 買取屋 より:

    やはり…この手の事故や規制に関して〜いつもお粗末な対応…お偉いさん達は机上論の思考回路しか持っていないようで…恐らくハンドルすら握らないような人達?が議論の上で検討してるんでしょうね…労働環境も一理有りますけれど〜先生が仰有るように居眠り運転の事故を減らす安価で即効性の有るアイテムが色々と存在するのに…こうしたモノの普及や啓豪活動をしない…本当に使えない連中ばかりですね…

  2. 小林 英弘 より:

    役人お得意の「一番楽な対策」でお茶を濁した結果が今回の事故の再発となった訳ですね。ここまで誰の目にも明らかに前回の事故から行政措置が何も進歩してないとなると、もはや「不作為による人災」とすら言えそうで激しく苛立ちます。
    「一番楽な対策」というのは勿論「労働管理を厳しくする」という、業者側に対策を丸投げ押し付けてそれで良しとして、自分達がすべき種々の議論や検討、そしてそれらを経て車両に安全装置の装着を義務付けるという、事故防止に最も効果のある仕事を一切しなかった事です。
    ツアーバスの様な「営利を伴う車両の運行業務」に安全装置の様な機器を介入させるとなると、色々と議論して正式に法的に決めなければならない事が出てくる訳です。以下は「居眠り防止装置を正式に導入しようとした場合」に想像される、面倒くさい事が嫌いな役人が考えそうな、くだらない自己保身の逃げ口上です。
    「安全装置の警報は運転手に命じられた業務命令よりも上位とするのか?」⇒慎重な議論が必要
    「安全装置の警報により運行スケジュールに支障が出た場合の補償や賠償責任の主たる原因者は運転手なのか?法人なのか?」⇒慎重な議論が必要
    「安全装置の法的位置づけは? またスペックの決定は医学方面の識者に委託すべきでは?」⇒慎重な議論が必要
    「安全装置の導入に伴い法改正が必要になる場合の対応は? 改正すべき関連法は多岐に渡るが?」⇒慎重な議論が必要
    …書いててバカらしくなってきました(笑)。でも霞ヶ関の内部での前回の事故後の議論の有様は概ねこんな感じだったんでしょう。高級役人様は貯蓄&利権確保&天下り先の確保なんて自分の人生レールばかり考えてないで、国民の生活を守る事を考えて日々出勤して仕事して欲しいです。
    PS:昨日、仕事帰りに86の試乗に行きました。実は86の試乗は二度目です。運転席はタイト過ぎず適度に快適な広さがありいい感じ。走りも全く問題なし。足回りの出来も素晴らしく心地良い乗り心地です。しかし意図的に車内に響かせてるエンジン音やメカニカルノイズは少々…。チョイ乗りならともかく、毎日の通勤やレジャーの足にすると「疲れないか?」と思います。「音」って結構疲れを生じるストレスになりますからね。それに正直…高いです(笑)。
    …ショールーム内で商談中、ふと店内に目をやると見慣れないステーションワゴンが…!?? カッコイイ! 何だこれ! で営業氏に「あのクルマは何ですか?」と聞くと「新型アベンシスです」だと! 実物は初めて見ました!
    …彫刻的なエッジが効いた伸びやかで低く構えたクリーンな美しいサイドビュー、個性的で独創的なリアの造型、押しの強い精悍なフロントマスク等、外観は200点! で運転席に乗ると素晴らしい開放感! すっきりシンプルな2DIN規格のインパネとシフト周りの造型も圧迫感ゼロで広々快適! 助手席前グローブボックスなんかA3が横に入りそうな程の広さ!(笑)。リアシートも広い広い! ラゲッジスペースも広大です! しかも86より安い!(笑)。衝撃の出会いです!
    なので「86はもういいです」と早々に宣言して(笑)、アベンシスの試乗の予約をしました。この大柄ボディが2Lエンジン+トルコン付CVTでどんな風に走るのか、今から楽しみです!

  3. オロネロ より:

    役人はもはや当てにならないので、むしろメーカーに期待したいです。
    バスやトラックは、全車安全装置付きで販売してもらいたいぐらいですが、
    そのような責任感をメーカーに期待するのは、間違っているのでしょうか?
    あらゆる車種にもオプション設定したり、もっと真剣にコストと機能を追及してくれたら・・と切に思います。

  4. ねこまんま より:

    人間本当に集中できる時間は1時間程度だと聞いた事があります、確かに労働条件を守るのは大事なことですが眠くなるときは2時間でも3時間でも眠くなります。信頼性という事なら人間が一番信用できません。全ての車両にアイサイトのような安全装置を取り付けるのが一番望ましいですが、既存の車両には出来ない場合も有るでしょう。でも後付でも付けないよりははるかにましな事ですけどね。
    私も印刷業界の現場で長い事仕事していましたが、断裁機という機械は刃を下ろすスイッチは必ず二箇所に分かれていて両手で同時に握らないと動作しません、なぜなら人間は二本しか腕が無いのだからスイッチは操作すれば自動的に刃の降りる場所からは手が離れる訳です。この機構が採用されてから指を怪我する人が大分減ったそうです。
    自動車の運転も後付の安全装置などがあるのですからお金もらってお客さんを運んでいる車両には何らかの形で安全装置を取り付けるべきでしょう。たとえアラームがなるだけの装置でも有ると無いのとは全然違いますからね。今の現状では結局のところ運転者任せですから。
    アクセルとブレーキの踏み間違いなどはこれでは防げないでしょうが、プロな運転者ならさすがにそこまで言ってたら何のための運転免許なのか解らないですから。ペダルの踏み間違いはアイサイトみたいな安全装置以外では本人が気をつけるしか現状ではないのですかね。知人に3回もペダルの踏み間違いで壁とかに突っ込んだ人が居ますがもうアンタは車乗るなといってます。
    昔はAT車に現在のようなバックに入れるとアラームがなるような機能は無かったのでわざわざ自作してバックに入れるとピーッとアラームが鳴るように改造してました。人間だからいつかはBとDを入れ間違うときが来ると思っていたからです。よく馬鹿にされましたが今後は車は必ずこうなると思っていましたから気にしていませんでした。で、結局バックに入れるとアラームが鳴るようになりましたね。
    人間を信用してはいけない、一番信用できないのは自分だと思っていれば事故も大分減るんじゃないかと思います。

  5. オヤジ より:

    ヒューマンエラー?
    全ては小泉内閣が行った、中途半端な「規制緩和」に端を発するとおもいます。
    いわゆる「老舗」の認可されたバス会社だけで運行していた時代には、過当競争による言語道断なダンピングは愚か、古くて安い中古(大古も)車で運転手は必要な人数を手配してくれる幽霊ツアー会社がありませんでした。
    健全経営した老舗のバス会社が(運転手が)心身共に健全に運行するのが一番の得策です。
    誤解を恐れすに言わせていただくと、旅客を誇りを持ってお運びするのがバスの運転手です。
    「お待たせいたしました」「ありがとうございました」とお客様に言える運転手が少なくなったと思います。

  6. 真鍋清 より:

    お偉いさんとクルマとの接点は「せいぜい黒塗りハイヤー程度」ではなかろうか。
    これでは次世代につながる交通システムなど机上論以上では想像し得ないし、ビジョンなど立てようもないだろう。
    PS
    今も鮮明に憶えているのだが、2006年からの総理大臣安倍晋三氏は「クルマにまったく関心がなく」まさにそれを象徴するように「ハイヤーが愛車代わり」だったという。
    同時期にドイツの首相はアウディA8を自分で運転し、イタリアの首相はマセラティクアトロポルテ(!!)を乗り回していた―それに比べて我が国はハイヤー!!…..国沢さんだからこそ解っていただけるかと思いますが、何て哀れで切ない図式でしょう。これでは世界と対等に渡り合える交通社会・クルマ社会など形成できないのかと絶望的になるというものですね。

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