アイサイトの技術

自動ブレーキは現時点でとっても大きなテーマだと思っているため3連続で取り上げてみました。最後にアイサイトの開発に最初から関わってきたエンジニアの方のコメントでまとめたいと思います。骨太の技術を育てる、ということはタイヘンです。逆に、だからこそ「見切り」も必要になってきます。

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自動ブレーキの3連載、興味深く拝読しました。センサーの原理と特性から把握している自動車評論家が存在することを大変有難く思います。なんでスバルだけがまともなステレオカメラを開発できたのか? みなさん、この点が納得いかないんでしょうね。でも、ちゃんと理由はあります。

大学で教えているような画像処理技術をベースにしてステレオカメラを開発すると、トヨタのようなステレオカメラが出来上がります。しかし、性能はイマイチで、レーダーと組み合わせないと使い物にならない。ではスバルはどうしたか。スバルの開発者も画像処理技術を一通り勉強しました。

しかし、こんな手法では実用になる性能は得られないと早々に見切りを付け、基礎的な部分から独自の方法を地道に開発したのです。なんでそなんことが出来たのか? まず、開発のスタート時に研究所のトップが「あえて10年かけて開発し、他社の追随を許さない技術を構築せよ」と命じたこと。

そして開発の主査が物理学出身で、真理探求、原理創出の能力が高い人物であったこと。しかし、主査が考案した画像処理方法は、左右2台のカメラの特性をピンポイントで合わせる必要がある。そこで2台のカメラの特性を精密に自動調整する技術を開発、これに1〜2年。その他諸。

スバルのステレオカメラは色々な技術の積み重ねで出来ています。長い時間は伊達じゃないです。現在、スバル以外にもステレオカメラの開発をやってるメーカーはあるでしょう。きっと、会社のトップは「早くやれ」と急き立てて居るでしょう。そうすると手っ取り早く一般的な画像処理手法を採用するでしょう。

その結果、ステレオカメラの性能はイマイチ⇒レーダと併用が必要⇒競争力なし…となるのではと心配してます。スバルスピリットって、良い物を創るには手間と時間がかかるものだ。とトップも技術者も認識してることでしょうかね?

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いかがでしょうか。ただ残念なことに最近スバルスピリットを感じさせる技術が出てこなくなりました。アイサイトの次にスバルを引っ張っていく技術に期待してます。

・ECOカーアジアは「当然のことのようにGTL燃料!」


8 Responses to “アイサイトの技術”

  1. お祭好きの電気屋 より:

    ここ最近自動ブレーキネタで連載になっておりますが、
    まあ、これはたしかに多くの議論が必要な物でしょう。
    ゆくゆくは電車にとってのATSと同じように
    全車標準となる時代も来ると思います。
    それによる法的整備も進むと思われます。
    ボルボ大形トラックのデモンストレーションは
    素直にすごいと思います。運転手目線だと
    絶対に「イッた・・・」って感じですからね。
    あれだけ綺麗に止まれれば天晴れです。
    本家アイサイトも地味な基礎研究に裏付けられた
    物だったんですね。やはり本物は違うと
    言うところなのでしょうか。
    自動ブレーキが進化し、浸透していく中で
    おいらとしては不安要素が二つあります。
    一つは漫然運転。
    まあ、今更言うまでもないのですが、最近では
    なんとスマホをいたずらしながら運転している輩を
    見かけるようになりました。
    いくら渋滞しているとはいえ、一応は多めの車間距離を
    開けつつ良く器用に出来るなと逆に感心する
    有様ですが、ただでさえこんな状況というか
    ドライバー民度なのになまじ優秀な自動保安ブレーキが
    装着されたとすれば・・・
    反って事故を招くのではと思います。
    ただ追突しなければいいと言う問題ではないはずです。
    もうひとつは法的制度の問題。
    ゆくゆくは全車標準装備が法令義務化される時代が
    恐らく間違いなく来ることでしょう。
    実際に大形トラック/バスでは新型車から標準装備が
    義務化されました。
    このとき、危惧されるのが既存車の問題。
    優秀な後付型自動保安ブレーキが開発されなければ
    旧型車は走れなくなってしまうでしょう。
    しかし、あくどい車メーカーがそれを許すか?
    彼らにはディーゼル規制という前科がありますからね。
    本来は川崎公害裁判判決で
    「既存車用にも効果的な後付け対策装置を作れ」
    と命令されたのにやったことは足切り強制買い換え
    ですから。
    しかもアフターで開発していたのですら潰した。
    (NHK特集でもやっていました)
    もしこんな事になれば、大事に長く扱われている
    旧車とまで言わずとも愛車たちがみんなスクラップに
    なってしまいます。
    これは車文化にとっては重大な危機になります。
    電車の新形ATSですらちゃんとレトロSLにも
    装備されて走行可能になっているのですから・・・・。
    このあたりは利権に惑わされずしっかりやって欲しい。

  2. 匿名 より:

    自動ブレーキ技術が横並びのレベルになれば、多くの必要ない事故(追突)が無くなると思います。人間の運転技術の向上が重要なのでしょうが、過去の事故の事実がそれが決して簡単なことでないことを証明していると思います。
    トヨタが全く手を出せない?技術を富士重工という小さな会社が作り上げたことは称賛に値すると思います。個人的には安全という概念の技術に関して優れていると思われる技術については他社と積極的に共有できる環境ができ、事故の軽減ができたらなぁと思いますが…理想論でしょうか?
    あまりコメントなど日ごろしませんが、先生の記事は雑誌やネット上であっても常に参考にしています。これからも中立的な立場で冷静かつ根拠性のあるコメントを楽しみにしています。

  3. 栗原潤 より:

    群馬県人の私は昔からスバルに愛着を持っています。スバル360の時代から…。アイサイトの技術は一日にしてならずであった事を知りました。情報ありがとうございました。私は自損事故を過去二回しております(幸い人身事故はありません)。ともに雪道でのスリップ事故です。二回とも廃車になりました。ともにレガシーでの事故でしたが私は全くの無傷で、JAFのお兄さんも驚いていました。私のスバル信仰はここからも来ています。でも、今はレクサスGS450hに乗ってます。スバルさんすみません。毎日、国沢先生のコメントを楽しみにしています。これからもがんばってください。

  4. 白木 晴幸 より:

    「新技術を開発する」というのは簡単なコトではありません。まして開発競争の激しい現代において「10年というスパン」を許可した上司の度量もすごいと思います(この辺が“技術屋集団のスバル”と言われる所以?)。
    クルマの技術もかなり進歩しました。そんな中で「お!」と思わせるような新技術を開発するのは大変です。「障害物を検知してクルマを停止させる」という発想がいかにもクルマ屋らしいですね。

  5. アミーゴ5号 より:

    興味津々、気分爽快!
    クルマ大好き人間として、最もシビレル内容でした!
    いつかはマツダに乗ると決めていますが、いつか必ずスバルオーナーにもなる!と決めました。

  6. nogawan より:

    他の方のコメントを読んで…1年間に数万人が交通事故で負傷し、4千人が死亡している現実が…他人事なんですね。まあ、そういう人達は放って置きましょう。お天道さまに正面を向いて、しっかり進んで行きましょう。日々是修行ですね。

  7. buuno より:

    何時も有意義な情報をありがとうございます。
    興味深く楽しく拝見させて頂いております。
    群馬県人としてちょっとひいき目にスバルみていますが、悲しい事に、アイサイト欲しいと思っても高いグレードにしかつきません、技術的には◎な気持ちでも、商売的には?な気持ちでいっぱいです。
    出来るだけ高いクルマを売って儲けたい気持ちはわかりますが、こういう安全装備ってそうじゃないんじゃないかなぁ〜っと思う次第です。

  8. アミーゴ5号 より:

    ちなみに、BRZのプラットフォームをベースにした、4ドアセダンのマニュアルか、ワゴンのマニュアルが出たら、アイサイト付きで即買います!
    間違いなく、BMWを超えるセダンが出来ます。どうか、FRをプレミアムと称して、庶民の手に届かない存在にしてしまったメーカーをこらしめてやってくだせえまし〜。

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