アメリカがどう動くか?

昨日は「ブレーキ抜けを起こさない改良型制御コンピューターがすでに完成しており、どうやら工場出荷車には採用されている」とか「クレームのあったユーザーは交換対応し始めているらしい」という最新情報を持っていながら、メディアからの取材に応えていました。この件、言おうかと迷ったものの、最終確認出来ておらず。

もちろん中枢部に極めて近いポジションに居るトヨタの社員にも確認したのだけれど「そんなことが起きていたらイヤですね」。いずれにしろ朝日新聞の記者さんの頑張りでプリウスのブレーキ抜けの件は、たった1日で全容が判明した。少しゴタつくかもしれないけれど、上手に対応すれば日本国内の問題は収束していくことだろう。

メディアも適切な対応だったと思う。ただプリウスが最後尾から突っ込み、多重追突となった千葉県の事故を今回のブレーキ抜けの件と並列で取り上げたのは、トヨタにとっちゃメディア不審の材料になったと思う。今回のブレーキ抜け、何度も書いてきた通り100%回生制動時にABSが稼働した時にのみ発生する。

高速域から強いブレーキ踏んだ時は、必ず油圧ブレーキと併用してます。したがってこの追突事故は今回の件と全く関係ない。ちなみに全てのプリウスでブレーキ抜けを起こしているワケでなく、少数のクルマに限られているようだ。生産ロットによるものかもしれないけれど、詳細についちゃやがて判明することだろう。

それより心配なのがアメリカである。アメリカ人は日本の自動車メーカーに「正直さ」を期待している。「ナイショで交換」なんて最もアカンです。ここを突かれると相当の痛手を被ってしまう。逆に大きな問題にならなければ、トヨタが打ったかもしれないヌーミーの対応策が上手くいってるということです。

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8 Responses to “アメリカがどう動くか?”

  1. ファンの一人 より:

    先日報道特集に出演されている姿を拝見しました。
    以前から雑誌等で、ご活躍は知っていましたが、やはりテレビに出ると、すごい人なんだなーって思ってしまいました。
    つまらないコメントですいません・・・

  2. Hayabusa より:

    はじめまして。
    かなり以前のバイクの中古バイヤーズガイド本から国沢さんのファンです。
    トヨタ車のブレーキトラブル。  現行車じゃないんですが、以前の愛車が初代イプサムのマイナーチェンジ後だったのですが、ブレーキに問題をかかえてました。
    高速で一定走行して、料金所前で減速。
    ブレーキを踏んでも反応無し。
    もう一度ブレーキを踏み直しやっと減速。
    このパターンは同じ条件下で必ず起こったトラブルなんですが、何度もディーラーに持ち込んだのですが、異常無しとの事で・・・
    それ以来のトヨタ不審です。。。。
    今はレガシィを愛用しています。
    細かい故障は色々ありますが、ブレーキはききます・・・

  3. 那須与一 より:

    いつも楽しみにしております。国沢さん!教えて下さい!機械なので不具合は当たり前だと思っています。
    けど、今回の騒動、これはバッシングなのですか?トヨタのリコールなのですか?真実はどちらなのでしょうか?
    アメリカのフロアマット事件だとマットが引っかかっただけで、これはオーナーが悪いという論調でしたよね。
    けど、日本でもプリウスが追突したじゃないですか。これって、もし自分が「ブレーキが効かなかった」とトヨタへ主張しても「お客様がブレーキを踏んでなかったのです」と言われれば終わりじゃないですか?プリウスで事故を起したらのが自分だったらと思うとゾッとします。
    今回のトヨタの対応だとプリウス無理して買わなくて良かったと思ってしまいます。真実は言えないでしょうが、せめて国沢さんだけでも信頼したいです。クルマはつまらないけど、信頼性があるメーカーと思っていたトヨタが実は幻想でもいいんです。

  4. 十字路 より:

    トヨタは、目指すところを間違ったのです。
    世界一、なんて浮かれている間に安全を忘れたのです。
    20年間トヨタに乗りましたが、6年前からトヨタを離れました。
    評論家にも責任があると思います。
    来るべきものが来た、ということでしょう。

  5. fan より:

    トヨタは世界一を目指した訳じゃないと思いますよ。
    どちらかというと、GMが勝手につまずいたから世界一になってしまった。トヨタはバッシングを恐れて本当はもっとゆっくり世界一になりたかったと思います。
    トヨタが目指したのは年間1000万台体制だと思う。それは中国自動車産業との戦いに勝ち残るため。
    今後内需たけで2000万台と予想される中国で中国メーカーが力を付けてきたら年間400万台程度ではメジャープレーヤーとしては厳しい時代が来るからです。(トヨタは日本のリーディングカンパニーなのでマツダやスバルの様なニッチマーケットの会社は目指せない)
    日本では今はトヨタ一人勝ちですが、10年後には中国メーカーが低価格を武器に日本に攻めこんきてもおかしくないんです。
    その時に日本経済を守れるか…
    私達の雇用、暮らしや生活は…
    トヨタには頑張ってもらわないと困るんです。
    トヨタの業績が悪化して日本にとってメリットがあるかと言うと思いつかない…
    トヨタには税金を収めて、雇用を創出してもらわないと困る。
    日産はタイで次期マーチを生産しますが、トヨタは国内生産を守っています。(一部エンジンや商用車は海外生産)トヨタが日本での物作りをあきらめてしまったら、日本の物作りが終わってしまう危機感があるから。
    トヨタは日本人の知恵と工夫でタイにも、中国にも負けないコストを実現すべく日本で踏ん張っているんです。
    今回の必要以上のバッシングが早く沈静化して、日本経済を引っ張っていって欲しい。

  6. 吸気圧縮膨張排気 より:

    今回の一件…と言ってもどの件?と言わなくてはいけない位、沢山の件がありますね;^^
    対アメリカだけでもまずヌーミーで生産が始まったタンドラ等のガスペダルに始まり、レクサスの死亡事故、8車種のガスペダル、日本工場製HVのブレーキ抜け、ヌーミー閉鎖計画…
    これらが重なって半ばバッシング状態の制裁金検討と調査資料請求。
    この中でずっと謎解きをしていたのがHVのブレーキ抜けだったのですが、ここ数日で明るみに出て、トヨタは改修プログラムを既に用意していたり、ABSの制御上体感では効いてないと感じるだけと発表してみたり…
    騒ぎが大きくなるにつれ発言は慎重に、情報は精査していますが、一般人に入ってくる情報量でも急激に増えてますので、国沢さんはさぞかし大量の情報を整理しているトコロでしょうね。
    お疲れ様です。
    このブレーキ抜けですが、ひとつ思った事がありまして…。
    それは回生ブレーキであるモーターとタイヤの間にはデフがあるからすっぽ抜けるのではないか?という事です。
    こう書けば国沢さんには私が言わんとする事が伝わると思いますが、即座に摩擦ブレーキが立ち上がらなければ空走は止められませんね。
    恐らく改修プログラムはより積極的に摩擦ブレーキを活用するアルゴリズムに変更されているのでしょう。
    燃費は少々犠牲になるかもしれませんが、安全には変えられませんよね。
    しかし苦情発覚対策発表の順序が悪かった。
    これでは闇改修と言われても言い返せません…
    まだ話はあるのですが、今回はこの辺で←
    駄文長文申し訳ありません。
    失礼しました。

  7. 小林 英弘 より:

    要するにどのメーカーのどの新型車にも必ずある「初期不良」でしょう? でそれがたまたま最初期ロットが凄まじい台数売れたクルマのブレーキで、しかも海外でも話題性の高い「ハイブリッドカー」だっただけのコトでしょう。対象になる台数が膨大なのと、国民性の違う国でも対応しないといけないので大変でしょうが、基本的に他の新型車の初期不良と同じ様に粛々と対応すればいいと思います。何かと話題の多いハイブリッドカーだけに変な「政治」を持ち込まれてトヨタも気の毒ですね。

  8. 吸気圧縮膨張排気 より:

    前回のコメントでタンドラの生産工場がヌーミーになってますが、正しくはテキサスのTMMTXですね…申し訳ありません。
    で、今回の情報は詳細未確認の為、非公開の方が良いと思います。
    私も半信半疑ですし
    ブレーキ抜けとは関係無いとされている千葉県での追突事故ですが、これは更に不可思議な症状が出たらしく…
    追突時の状況は、まず回生ブレーキにて減速中、前走車が停止した為ブレーキを踏み増しした所、ブレーキがスカスカになりそのまま追突したという事です。
    気になる点もあります。
    追突前、走行中に横滑り警告灯が時々光っていたという証言と、追突後にエアバッグが展開しなかったらしいという2点です。
    現在警察とトヨタにて調査中との事ですが、いまだ回答は無いらしいです。
    もしこの情報が正しいモノであれば、今回問題になっている部分以外にも異常が隠れている可能性がありますね…
    流石に一般人が当事者に確認を取りに行くワケにもいかず、確証が得られないままお伝えしてしまう事を御了承下さい。
    裏が取れていないので偽情報に踊らされている気分ですが…

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