アメリカ向けは3ヶ月遅れ

日本での本格的なデリバリーが始まったリーフだけれど、アメリカは納車遅れが大きな問題になりつつある。そらそうだ。現在、アメリカ向けリーフの生産をほとんど行っていませんから。御存知の通り日本は1台当たり78万円交付される補助金の問題を抱えている(2010年度の締め切りは3月3日の登録&支払い)。
 
つまり3月3日までにナンバー付かないと(納車は3月3日以後でOK)、2010年度の補助金を受けられないワケ。1月31日時点での納車台数1千台。一方、リーフの受注は6千台。ということから考えると、1月25日〜3月1日くらいの間で5千台を生産しなければならぬ。この台数、フル稼働を意味する。
 
したがって3月1日まで生産されるリーフは全て日本向けだということです。アメリカ向けリーフの生産が始まるの、3月2日あたりから。急いで1千台くらい作ってフネに載せアメリカ到着は早くて3月下旬。納車開始4月上旬というイメージかと。本来の生産計画だと開始は12月始め。日米半々くらいだったと予想す。
 
この問題の本質は、日産のミスじゃない。日本政府のダメさにある。1ヶ月くらいフル稼働にならないケースなどそう珍しくないこと。普通なら日本もアメリカ
も1ヶ月遅れくらいのペースで納車始まる感じ。もし2011年4月以降も補助金が交付されると決まっていれば、日産だって日本を優先する必要など無かったろう。
 
日本の重要なアピールポイントは環境技術だ。しかも輸出を大切にするしかない。韓国政府などLGケムを強力にバックアップしている。本来ならリーフだってアメリカで良い評価をしてもらえるよう最大限の援助をすべき。なのに現在アメリカでウワサされているのは「電池に問題があるんじゃないか?」というもの。
 
米国日産も遅れの理由をブチまけちゃえばいいのに「慎重に作っている」などと誤魔化すモノだから余計に疑われてしまう。本来なら日本政府が日本で販売するリーフについては登録を3月3日で切るのでなく、申請を3月31日までとすればいい(登録は多少遅れても容認する)。そしたら2月からアメリカ輸出出来た。

もっと言えば、日本国内だって4月以降のリーフの営業活動を全く出来ない状態。なんせ補助金の額が‥‥、というより補助金の有無さえ決まっていない。これじゃ商談などすすめられず。ヨチヨチ歩きの電気自動車は補助が必要。2011年の国家予算決まらない限り、ニッチもサッチもいかんです。

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5 Responses to “アメリカ向けは3ヶ月遅れ”

  1. lucky より:

    いつも拝見させていただいてます。
    私の1月末に、登録されたリーフの車体フレームナンバーは、2000番を少し越えたものでした。
    また納車までに、全額入金、補助金は4月頃入金?だそうです。

  2. nobu より:

    これ、ドイツの法律の問題ですよ。
    停車中、エンジン掛けると罰金だったはず。(違ったらすいません。)
    車の進化とはこう言うことでしょう。
    多分、日本のメーカもドイツ仕様はこんな感じでは。

  3. ゲイン より:

    政府もNHKも環境技術とかCO2削減とか一大キャンペーンのごとく言ってた割には、勉強不足で取材力不足ですね。リーフに起きてる問題を技術産業の視点から議論なり報道なりして欲しいです。
    そもそも、EVの補助金延長は早く決めてしまわないといけません。だいたい今のリーフの定価ではそんなに普及しませんから、補助金延長なり新しい補助金制度なり決めてしまわないと駄目だと思います。
    ただ他のメーカーとしては複雑だと思います。リーフの価格や性能は現時点では他を圧倒するものだからです。日本の他の自動車メーカーがEV普及を推進するでしょうか?今なら確実にリーフには勝てないです。
    アメリカだってそうですよ。国としては自国のEV売りたいでしょうからリーフのネガキャンやると思います。日産がこの問題をどう解決するか見届けたいと思います。何もないまま3月3日を向かえたなら残念な気持ちになりますけど、世の中そんなもんなんですかね。

  4. samine より:

    政府の無策ぶりは政治の混迷が原因ですね。自己中な人ばかりで政争にかまけてて知恵がないという…[E:despair]
    イタリアでは最近フィアットが「本社をアメリカに移すよ」と言ったら政界を挙げて大騒動[E:sign03]情況がダメなのは同じでも、日伊の政治が抱く危機感は天地の差だと思い知らされました[E:shock]日本は国家破産を目の前にして、いつまで呑気なのでしょうか[E:sign02][E:despair]
    話が逸れましたけど、リーフやi-MiEVなどヒット商品の種はたくさんあるのに発芽させられないのはホント痛いですね[E:wobbly]電気自動車は未来のクルマ。できれば電池も日本で造りたいですよネ。コスト削減も大事ですが、新しいクルマを地域社会の交通に根付く様なモノにするために考える必要もありますね[E:punch]成功すれば未来は明るいです[E:happy01]

  5. Eddy より:

    「日本政府のダメさ」はもちろんですが,行政の対応の遅さを考慮に入れずに12月発売にしたことや「1ヶ月くらいフル稼働にならないケースなどそう珍しくないこと」なのに6000台もの注文を入れた日産側にも問題はあるのではないでしょうか。
    補助金が間に合わない人はとりあえずキャンセルにするのでしょうね。来年度予算の行方はまだわかりませんから右ハンドルのリーフはアメリカへの輸出に回すわけに行かず,在庫になるのでしょうか^_^;

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