インサイト伸び悩む

4月の販売台数ベスト30位を見て驚く。昨年12月時点で3位だったインサイトながら、今年に入り1月22位/2月24
位。年次改良を控えて生産を落としているのかと思いきや、3月も25位。そして4月が23位という状況である。どうやらインサイトの低迷は確実となった感
じ。アメリカでも非常に厳しい。

なぜだろうか、とは書かない。インサイトの辛口レポート、今までタップリと書いてきてます。ただインサイ
トを実際に買って乗っていると、良いブブンもたくさん持っていることに気づく。特に冬場のヒーターの立ち上がりの良さや、近所の足として使った時の「気軽
に乗れる感」などでプリウスを凌ぐ。可愛いし。

再度「なぜ売れ行きが伸び悩んでいるのか?」こらもう簡単です。「コストパフォーマンス」
や「バリューフォーマネー」という点で厳しいからだ。極端なハナシ、サイドエアバッグやVSCが標準装備されるプリウスが205万円から買えるのだから、同じ装備内容で20万円くらい安くないと厳しいんじゃなかろうか。

現状だとサイドエアバッグとVSCを装着するとプリウスと同等になってしまう。逆に両方の装備を持たないとすると175万円くらいぢゃないと‥‥。もしホンダがホンキでインサイトを売りたいと考えたら、特別仕様車などラインラップすべきかと。フィットのハイブリッドが出るとさらに競争力を失うに違いない。

これまでのホンダの動きを見ていると「出して失敗したらオシマイ」というパターン。「せっかく作ったのだから何とかモノにしてやる!」という努力をしてこなかった。インサイトも同じパターンになるのだろうか? フィットのハイブリッドの量産効果でコストを見直し、勝負に出たら案外面白いのに。

ちなみにフィットのハイブリッドも相当慎重に値付けしなければなるまい。直近の情報だとトヨタのフィット級ハイブリッド、やっぱり驚くほど安いようだ。150万円台こそ厳しいかもしれないが、今の材料コストのままなら160万円台は間違いないと思う。しかも専用ボディ。プリウスよりカッコ良いとか。

そろそろホンダもハイブリッドで真正面からトヨタと勝負しなければアカンです。今は多少の利幅を削ってでも台数の確保が重要。今年デビューするフィットのハイブリッドの価格設定と、インサイ
トの販売促進策は重要なカギになると思う。

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3 Responses to “インサイト伸び悩む”

  1. Ito より:

    ホントですね。
    ホンダってなんでこんなに商売が下手なんだろ、と思います。
    この前、付き合いのあるトヨタの営業マンと話をしていたら、プリウスも受注は最近ほぼないそうですが、販社で値引きを拡大してもよいとかなんとかで話が進んでるそうです。
    既にネットの情報でもかなりの値引きを獲得する人が出てきています。
    納期も3ヶ月くらいになったので、逆に売りやすくなったとか。
    それに比べ、インサイトは値引きも渋いし、やる気ナシ感が伝わってきます。
    IMAは、CR-Zみたいな燃費はまあまあだけれど飛び抜けた魅力を持つ車種に適用し矢継ぎ早に出していくしかないでしょう。
    ホンダも承知の話でしょうが。
    鋭意開発中の2モータハイブリッドの姿が見えてこず非常に興味深いです。
    それをオデッセイやエリシオンなどに搭載し魅力的な価格設定ができれば巻き返しは十分可能かと思われます。
    アキュラブランドの重量車や、出るとかでないとかのNSXハイブリッドへの展開もかなりのペースで行う必要があるでしょう。
    ともかく、今後に期待ですね。

  2. 真鍋清 より:

    シングルモーター式の軽便なハイブリッド、インサイトはやはり良くも悪くも軽便で、そこを「薄っぺらさ」としてユーザーに見抜かれてしまったと取れよう。
    同シリーズ最廉価189万円のバージョンはやはり客寄せパンダで実用的な安全装備を装着すれば最低200-220万円は要するわけで、プリウスのL~Sツーリングと真っ向から競合する格好となり商品としてやはり苦しいだろう。
    フィットベースのフロアパンで、後席の実用性は頭上空間が殆ど無いなど有用とは言いがたく、ドアの開閉音からして安普請さが免れないインサイト。サスの減衰特性もフィットクラスの域を出ておらず、それを平均的1.8L級ガソリンエンジンのファミリーカー並みの値付けで売ろうというのだから随分強気な商売とも取れるだろう。ましてプリウスを相手にすれば「風車に向かうドン・キホーテ」状態であると取れよう。
    目下トヨタ側がプリウスに積むべくリチウムイオン電池を鋭意開発・研究中といわれることもあり、インサイトもドラスティックな手を取らねば生き残れないと思う。
    ツインモーター式に改良するなり、ボディをさらに軽量化して燃費を20%向上させるなり、「一度モノにしたらしぶとく育てる」という執念がホンダに必要だろう。
    この辺は歴史的に見てもホンダにもっとも欠けている所で、どうにも整合性に富んだポリシーに乏しくせっかく持っている技術の積み重ねを活かすチャンスを逃してしまっている。もっとも、現実的にはホンダもリチウムイオン電池の特許は日産と関係が深いNECとの交渉に困難を要することもあって入手は当面多難を極めるに違いない。現実的にはフィット・ベースの新HVと、インサイトのツインモーター化が課題なのだろうか。
    2013年以降、ホンダも燃料電池で巻き返しに出る公算が大で、その暁には市場にホンダ旋風が吹き荒れるにせよ、それまでどう食いつないでいくべきか、確たるビジョンで臨んでもらいたいものだ。

  3. goto より:

    私は、インサイト方式のハイブリッドは、構造も比較的シンプルでバッテリも少なめで価格も安く重量も軽く、(プリウスと比べると多少負けるとしても) 燃費も十分に高く、ハイブリッド車としてのメリットを生かし、費用対効果の点で良いように思っています。
    ただし、足回りなどがフィットをベースにしているというのは、どうしても良くない。
    ( シビックハイブリッドなら良いでしょうが。)
    インサイトは始めはもっと普及させるつもりでしたでしょうが、プリウスがかなり安くしてきたし、ホンダはまだ実験中という感じではないでしょうか。
    トヨタほど金銭的に体力がありませんし、無理してまで販売台数を増やさなくても良いという感じのように思います。次の機会にという感じで。
    ガソリン価格や環境税などが上がって、ハイブリッドでなければダメという状況になったとき、シンプルなシステムなので、既存の車に組み込みやすいですし。ハイブリッド車の販売歴は長いので、いろいろフィードバックは得ているでしょうし。
    ただ、日産などの電気自動車の進展によりますが、ハイブリッドも思った以上に短命で、電気自動車に行きそうな気がしてます。
    燃料電池もいろいろあって、なかなか安くなる気配がないようですし。

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