エネルギーバランスが変わる?

ECOカーアジアでも書いた通り、今後数年の間にエネルギー事情が少しづつ変わっていくかもしれない。知っておいて損はな
いと思います。ご存知の通り世界規模でシェールガス(岩盤から取れる天然ガス)の推定埋蔵量が増えている。すでにアメリカは使いきれない量のシェールガスが採れている状況。
 
当然ながら使わないとならないのだけれど、現時点で用途は限られている。採れた状態のシェールガスって水分に代表される不純物が多く混ざっており、家庭用のガスかパイプラインで運んで火力発電をするくらいしか使えない。例えばクルマの燃料にすると、エンジンや燃料系統を腐食させてしまうそうな。
 
そこでプラントを作り、精製。運送に便利なよう液化するという「加工」を行う。さて。こうなると輸出も可能だ。国内で使用するより高く売れる。ということ
からプラントが稼動し始める2016年あたりから、アメリカ産の液化天然ガス(LNG)が出回り始めることだろう。もちろん日本だって買わされること100%確実。
 
しかも今までLNGを買ってきた国(マレーシア/オーストラリア/インドネシア/カタール)との付き合いをやめるワケにもいかないから、使用量を増やさなければならない。おそらく現在使っている石油火力発電をLNGに変えていくと思う。でもそれくらいじゃ追いつかない。原発の変わりにしていくことだろう。
 
この時点で原発の先は無くなる。そしてクルマのエネルギーにも波及していくことだろう。現在、タイ国はCNG(圧縮天然ガス)を使ったクルマがジワジワ増
えている。そうらそうだ。例えばハイエースのマイクロバス(スーパーロング&ワイドボディ)は、CNGだと200km移動分の燃料コスト500円!
 
ガソリン車なら2900円(1L=83円)。ディーゼル車も2000円くらい掛かる。車重2トンを越えると、CNGがもっともコストパフォーマンス高いの
だった。わが国は今まではCNGを普及させようとしていなかったが、国策で使うことを奨励するようになったら、ディーゼル車の代替になると思う。トヨタなんか大喜びかと。
 
そんなことを視野に入れながら今後の自動車を見ていくと面白いと思う。いずれにしろ二酸化炭素の排出は地球温暖化をもたらす、という方程式が世界規模で成立しなくなってきた感じ。
 
・ECOカーアジアは「シェールガスが日本を変える

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6 Responses to “エネルギーバランスが変わる?”

  1. G35X より:

    おりしも今日付けのカナダ国内紙で内陸から太平洋に出る天然ガスパイプラインを作る計画が報道されています。これには三菱商事、韓国ガス、中国石油もかんでいるようです。2020年に完成予定とのことですが、その頃には自動車用電池の価格も下がっているでしょうから、LNGを内燃機で焚かず、コンバインドサイクル発電に使った方が熱効率が良いのではないでしょうか? すでに3年ほど稼動している大阪ガスの泉北発電所の効率は57パーセントとのことなのでガソリンエンジンと同じような天然ガスエンジンの2倍くらいの高効率です。 送電、充電に伴う損失を引いても電気自動車の熱効率は45パーセントにはなるでしょう。 ちなみに泉北発電所の出力は100万キロワット以上で原発に匹敵しますが、これと同じような発電所を新設するに要する時間と環境、社会問題は原発よりずっと少ないと思います。 泉北発電所のように陸揚げした場所に発電所を作れば自動車用のガス配給網の構築も不要です。 東京港の海上に作れば配電に要するコストも節約できます。
    天然ガスの良いところはその埋蔵量が多く、世界各地で採れ、価格が石油に比べ安いこととその化学構造が簡単なCH4(メタン)で熱量当りのCO2の排出もガソリンや重油に比べずっと少ないことです。

  2. さね より:

    勉強になりました。予想どうりだと激変ですね。平和利用とゆう国際的な原発問題から、自動車の進化などいろいろ変わるんだろなぁ。しかし地球は誕生から長い年月かけていろんな物たくわえてるんですね。それを掘り起こして使うのは別問題として、産業革命から130年?ぐらいたちますがやってることはあんまかわらないなぁ規模や暮らしは変わりましたが。 これからも電気自動車だけでなく、内燃機関車もまだまだ続くんですかね?だとしたらスバルのボクサーエンジンやマツダのロータリーなど、特長のある自動車がまだまだいけるとしたら嬉しいかな。けど効率を考えたら電気自動車や忘れさられた燃料電池車などになるんでしょうね。クリーンディーゼル車のノウハウも生きてくるんだろうなぁ。て、考えると激変しますが暮らしぶりは少ししか変わらない? これから先どうなるんでしょうね楽しみです。

  3. 605 より:

    経産省が愛知県沖でメタンハイドレートの試掘を始めたことを以前書きましたが、今週から兵庫県が日本海側の兵庫県沖でメタンハイドレートの調査を始めました。有望なものが見つかり、来週にはさらに詳しい調査をするそうです。農水省も経産省とは別に富山県沖で調査を既にしています。
    兵庫県北部から福井県は近いため、原発を廃止してガス発電所を建設すれば福井県民の雇用が新たに生まれ、地元の原発廃止の理解も得られやすくなるのではと思っています。

  4. 牧場主 より:

    こんにちは。
    大変興味深いですね。
    先日、発生してしまったトンネル工事
    での爆発事故も、そこに埋まっていた
    ガスが原因だとか…
    国立公園での、地熱発電事業に対する
    規制緩和をすると同時にガス田の調査も
    して欲しいものです…
    日本にも案外、埋まっているかも…?
    タイでCNG車が増加傾向にある話は
    私も耳にしました。
    日本のトラックメーカーも、向こうで
    結構力を入れてCNGトラックの販売を
    行うみたいですし…
    ただ、タイでは自国でガスを採取できる
    からあれだけ安く走れるみたいなの
    ですが、日本ではどうなることやら…
    …普及してきたら、また変な税金を
    ふっかけられそうで、心配です。

  5. ねこまんま より:

    ガス会社の天然ガス車が走っているのをたまに見ますが、もう壊れるんじゃないかってくらい全開状態です。
    自分の車ではなく社用車だからお構い無しなんでしょうが、
    もしあの状態が正常なら自動車を動かすエンジンとしてはパワーが低すぎるのではないでしょうか?
    車種はダイハツのアトレーバンでした。
    いっそレンジエクステンダー方式の発電用エンジンに使えば良いんじゃないかと思います。
    プリウスなんかその気になればプログラム変えればレンジエクステンダー方式にすぐにでも出来ると思うのですけどね。
    前から疑問に思ってるのですが、自動車用の発電用エンジンはどの程度の排気量が必要なのでしょうか?
    スズキのショーモデルのスイフトプラグインが軽自動車のエンジン使い回しているのだから660ccでも十分なのかな?
    まあ、もし天然ガス車が普及したら間違い無く燃料油税(揮発ガス税?)は掛けてくるでしょう。
    結局コストパフォーマンス考えるとガソリン車と大して変わらなくなるかもしれませんね。
    最近プリウスのタクシーが増えてきました。
    プロパン使ってるのは燃料代ではなくて長持ちするからですから、
    30万km乗れて燃費良いなら、プロパンよりもメリットが大きいからでしょうね。
    車両価格はかなり高くなりますが。
    (昔あったカペラのタクシー仕様は¥70万でした、安いから運転者さんが自分用に買って乗ってる人もいました)
    最近のタクシーは50万kmとかまでは乗らなくて30万kmぐらいで入れ替えるそうです。
    うちの親がタクシー乗ってた頃は50万km乗って3速コラムシフト、デフォッガー無しパワステ無しベンチシートでした。
    タクシーも変わったもんだ。

  6. 白木 晴幸 より:

    確かアメリカの一部ではすでにホンダ・シビックのLNG仕様車が販売されているのでは…?
    シロート思考ですみませんが、ガソリンエンジンのインジェクターやプログラム、EGRの再循環プログラムの変更等でディーゼルエンジンよりコストは安上がりなのでは…。排ガスの後処理装置もガソリン車とイーブン?
    それでいて燃料代はガソリン車より安い。これってもしかすると第4のECOカーになれる? 

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