クラウン劇的進化

クラウンが「正常進化」でなく「突然変異」してしまった。コペ転と言ってもいい。正統派の良いクルマになったのだ。ゼロクラウンやレクサスの足回りと全く違う方向性を持たせている。詳しい紹介は3月10日売り号のベストカーでお届けするけれど、サスペンションが動くようになってます。ショックアブソーバーはKYB製。正直「やれば出来るのか?」とも思う。何と新型クラウン、ベンツやBMWと比較したって負けておらず。考えてみればスペインで試乗したレガシィのディーゼルもKYB製。日本仕様じゃ無かったため紹介したかったものの、ビルシュタインより優れているブブンさえあった。もしかするとKYBが問題意識を持ち始めたのかもしれない。ラリーカーのショックアブソーバーのオーバーホールを頼んでも「国沢」と名乗った途端、無視されるような対応をしてくるKYBながら、良い製品を作ったら躊躇せず褒める。これが私の唯一の取り柄かと。この調子で頑張れば、日本車の水準が大幅に上がると思う。KYBの努力に期待します。

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3 Responses to “クラウン劇的進化”

  1. 真鍋清 より:

    小生にとって「クラウン」という記号は国産上級車に対する当方の先入観を9割方覆してくれた恩師といった感じだ。それは先代GRS182型ゼロ・クラウンの功績だ。
    日本の速度域ではメルセデスやBMW等の欧州車より安楽で、静粛かつスッと足に馴染むアクセルレスポンス、ステアリングの感触…..この程良いさじ加減を探り当てたトヨタの車両チューニングの妙味は今改めて感心させられる。
    もっとも先代のゼロ・クラウンには中低速域での安手な凹凸の突き上げやダンパーの減衰特性のタイムラグ等未消化な部分があったことは否めない。そんなゼロ・クラウンをベースに熟成させた現行200系の場合、日本を知り尽くした究極のチューニングに一種の芸術性すら感じられるのは現金なものに違いなかろう。
    それ以上に、なんといっても当方にパンチを与えてくれたのは、先代ゼロクラ登場当初に行われた(2004年だった)某誌によるテストで3.0のロイヤルサルーンG(3GR-FSE型2997cc/256psの直噴V6搭載)が0-100km/h加速=6.8sec、0-400m=14.8secという当時としては空前絶後の、ジャガーXJ8 4.2や先代アウディA8 4.2(335ps)並みのデータを弾き出し、理屈抜きにノックアウトされてしまったことに注目していただきたい。
    この話は続きがあり、同個体は標準よりもオプションで30kgほど重くなっており(1660kg)、しかも3000km強しか走っていないエンジンという必ずしも良くない条件であり、同一の個体で10000km以上走っていれば14.4-14.5sec!!という当時の水準でBMW750iやメルセデスS500Lとさえも接近したデータをも実現できることが裏付けられたことになる!この点は同車の3.0アスリートが、セミウェット路面にて14.9secで走りきったことによっても等しく証明されよう。
    こうした「V8要らず」の怪力パワーと、11.8km/lの燃費で以てGR系エンジンを搭載したここ二世代のクラウンが当方に与えてくれたパンチは一生忘れることが出来ない。夢はまだ続く、上記の他にクラウンの3.0ロイヤルサルーンが0-100km/h加速において6.09sec!!!!というBMW740i(326ps)並み、現行メルセデスE350以上の駿足を実現したとのデータがウェブ上で発見されたほどだ、こいつ本当に256ps/32kgm?ともかく奇跡的な数値だ!
    かくしてゼロクラウン以後「所詮トヨタなど格下」「あくまでまがい物」といった小生の先入観が消え失せ、メルセデスの後釜に真剣に検討する気になるに至ったのはクラウン様々という所だろう。
    かく言う小生が2008年10月にメルセデス260Eから乗り換えたのは2009年式レクサスIS350、クラウンと共通プラットフォームを持った親戚筋に当たる一台だ。その3456cc/318psの潮がふけるが如きパワーは理屈抜きで痛快な上、サスの減衰特性にもタイムラグが見られずステアリング、ブレーキ共に重厚さと信頼感を両立していると思う。それだからこそフロアパネルの微振動がなおさら際立ち、良く考えてみればそこはペリメーター・フレーム採用の初代〜140系クラウンとも共通の特性である点に複雑な感慨も拭い得ないわけだ。
    この安普請ささえ感じさせるフロアパネル、現在のトヨタ車では現行クラウンを筆頭にレクサスLSに到るまで共通の感触を持っており、トヨタはFR上級車をまとめるに当たってよほどフレーム付きクラウンの亡霊に取り憑かれているのでは?と戯れ事さえ浮かぶほどだ。ゼロ・クラウン以来クラウンいやトヨタ上級FR車全般が過去数十年の殻を本格的に突き破り、新しい地平を目指しつつあることが伺える。厳密にはゼロ・クラウン初期にトヨタタイマーとやらで耐久性が落ち、リコールが散発するなど手放しで名車とは言いがたいものの、現行FRプラットフォーム+GR系ユニットが与えた衝撃と社会的意義は計り知れないほど大きい。まして次代のクラウンは新世代プラットフォームを次期レクサスISと共有し、軽量化・高剛性化はもとより4気筒2.5Lハイブリッドで24-25km/lをコンスタントにはじき出すべく鋭意開発中と言う!
    この通り、社会のニーズに合わせて既存の殻を大胆に突き破り、市場に新たなスタンダードを提示し続けることこそが日本を代表するリーダーカーの役割であり、クラウンはそうした意味で立脚点を見誤らず次世代に伝統を紡いでもらいたい。それが「日本人の心のふるさと」クラウンの責務ではないだろうか。

  2. 真鍋清 より:

    国沢さんに告ぐ!
    ウェブを検索していたら、先代GRS182型ゼロクラウン(現行200系と実質的に同一)の3.0(256ps/32kgm)が0-100km/hを何と5.57sec!!!!(メルセデスS550LやジャガーXF5.0と大差ない)で走ったとの記録データが発見され、同車の恐るべきポテンシャルを再認識させられた!
    詳しくはwazamono.jpで検索すれば出てきますが、個体差の激しさ、つまらぬトラブル、煮詰めが足りない乗り心地などあれこれミソを付けたゼロクラウンとて、当たりの個体で好条件(高級オイル使用、一名乗車等)ならクラスを超えた怪力ぶりを発揮することが印象づけられ、やはり一時代を築いた偉大さは認めざるを得ません。
    そして2012年登場予定の次期クラウン、今度はハイブリッドを軸に燃費性能で究極を目指してもらいたいと願っております、特に2.5のハイブリッドなど乗り方によっては30km/l近く行くように設計されたらと期待せずにはおられません。そしてガソリン版は2.5で15km/l、3.5アスリートで12km/l…..夢は広がる限りです。
    何と言ってもモデルサイクルを従来の4年ごとからレクサス並に6年を前提に開発したらそれこそ画期的で、名実ともにクラウンの歴史に新たな一ページを開くことに他なりません。
    「永遠に走れ!日本人の心のふるさと」

  3. 真鍋清 より:

    新型クラウン、登場おめでとう!
    サスペンションアームの中空化、タイロッドへのオフセット採用などシャーシー関係の大改良もさることながら、新設計ハイブリッドユニットのエンジン単体出力が178ps!とカムリよりも18psの向上、システム出力も220psを達成し、JC-08で23.4km/lの低燃費ともども「リミッター解除さえできれば」心ソソられる一台だろう。
    ガソリンエンジンは時代相応に煮詰められているし、絶対的なパワーは勿論十分以上である反面、3.5アスリートのJC-08燃費9.6km/l、2.5で11.4km/lに見られるようにどこと言って新しい提案は見られず「ハイブリッドに甘えている」節さえ無きにしもあらずに思えるがそれは果たして考えすぎだろうか?
    ハイブリッドだけがクラウンではない/トヨタではない―そんな気概を、2014年追加の公算大の新開発4気筒2.0ターボ搭載「クラウンアスリートII」を通じて見せつけてもらいたい、そして同ユニットのデチューン版を(JC-08で14-15km/l台の低燃費と抱き合わせに!)既存のロイヤルシリーズの2.5ガソリンユニットの置き換えに新設定してもらいたいとトヨタに対して切望している!!
    こうあってこそ日本代表としてそれこそメルセデスEクラスから新生キャデラックATSに至る強豪とガチンコ対決できるのと同時に、逆に当方はそんなアスリートIIをピンクのボディカラーで乗ってみたいという誘惑さえ感じているほどなのだ。

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