国沢光宏のコスタ・フォーチュナ乗船レポート 旅行記(前編)

今回乗ったコスタクルーズの『コスタ・フォーチュナ』(イタリア製)は全長272mで10万2千トン。最近就航するクルーズ船の330m級/13万トンに比べれば一回り小さい。ただ小さいということは寄港地のチョイスも増えるということ。日本でも最近の大型船だとベイブリッジをくぐれないため大桟橋に辿り着けず大黒ふ頭泊めになってしまう。

外観デザインはスタイリッシュ!

フネが小さいと気になってくる揺れや船内の広さ感だけれど、これに関しては予想よりずっと良かった。フネの設計や建造技術が優れているのだろう。航行中、いろんな場所に行ってみたけれどエンジン(日産eパワーと同じモーター駆動)の不快な振動や騒音ほとんど感じず。今まで乗った8隻の中で最も静かだったほど。船内の「広さ感」も300m級のフネと比べ勝るとも劣らず。

プールはミッドとリアに2つ

乗船はシンガポールの『マリーナベイ・クルーズセンター』となる。相変わらずシステマチックだ。タクシーで乗り付ける場所に荷物の受付があり、事前に送られてくるタグを付けて置けばそのまま預かってくれ、2~3時間くらいで自分の部屋に届く。人間は受付へ。予約書類を提出するだけで終了。普通なら受け付けてクルーズカードを渡されるが今回無し。

船体中央部は3階吹き抜け

続いてセキュリティチェック受けイミグレーションを通過。一旦シンガポールを出国します。そのままボーディングゲートを入っていくと、フネの入り口でクルーズカードとリンクさせる写真を撮影。パスポートは預ける。つまり何も持たず船内に入るワケ。少し不安ながら、事前に決められているキャビンに行くとカギが空いており、中にクルーズカードが置いてありました。

クルーズカードは船内でサイフやID。ルームキーになります

11時乗船ということで9階のブッフェが空いており、すぐお昼ご飯。メニュー&内容だけれど、今まで1番充実していたハワイクルーズの『プライド・オブ・アメリカ』を10とすれば6くらいの食材。驚くべきことにコーヒー無し。後で判明したのだけれど、このフネは朝しか無料コーヒー無し。それ以外の時間に飲もうとすればスタバとほぼ同じ価格の有料コーヒーしかない。

続いて18時30分からクルーズ船で1番面倒な避難訓練。なかでもコスタクルーズは廊下に立たされる(普通はシアターなどに座って話を聞く)。今回特に酷く、エアコンの無い通路で集合時間から30分放置。足の悪い人もお年寄りも座れない。コスタは近代クルーズ会社で唯一沈没事故を起こした。290mの大きなフネが横倒しになったのである。その時の反省を客にも要求する?

このまんま30分立たされ何のアナウンスも無し!

これがイヤでコスタクルーズに乗らない人もいるほど。私は『コスタ・ネオロマンチカ』に続く2回目だけれど、前回もムカついたことをハッキリ思い出した。30分も放置するようなホスピタリティだと、いざ遭難という段になっても期待出来そうにない。しかも係員は強圧的でエラそう。書いていて思い出すと腹が立ってくるほど。皆さんもコスタクルーズに乗るときは覚悟を。

レストランは美味しい!

レストランの晩ご飯は19時スタートながら、訓練終了が19時20分。当然の如く皆さん遅れて始まる。このフネ、晩ご飯についちゃ指定された席にクルーズ中ずっと座るというタイプ。毎回隣り合わせる人に気を遣うことも無く、ワインなどもキープしてくれるため快適です。イタリアのワインの品揃えが充実しており、4000円も出せば大いに満足出来る。

ファーストをサーモン。セカンドがステーキの日

食事は前菜に続き、ファースト、セカンド、デザートと選ぶ。イタリアのフネらしくパスタのチョイスも可能。基本的に晩ご飯は全てレストランで食べたが、大きなハズレなくレベル高い。食後のコーヒー付いてないことのみ不満です。そうそう。生ビールは5ユーロ+サービス料で約700円。クルーズ船のビール料金としては普通。スパークリングワインもグラス単位なら約700円から。

部屋だけれど私は評価の基準を『バルコニールーム』としている。ごく平均的なベット+カウチ+ライティングテーブル+シャワー+トイレというフロアプラン。TV画面小さく、映画などを楽しむようなスタイルじゃありません。特筆すべきは広さ。奥行きこそ標準的なが横方向で20cmほど広い。クローゼットの容積も1週間程度のクルーズなら問題無し。フトンもベッドも快適で文句なし。<寄港地など後編を読む>

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