スズキ、欧州で背水の陣

ハスラーのヒットなど日本では好調のスズキながら、欧州市場が正念場を迎えている。スズキは自社ブランドだけじゃハンガリー工場の稼働率を維持できない。そこでGM向けのクルマ(スプラッシュのOEM)を供給することにより生産ラインを維持していた。しかしGMとの提携を解消。

代わりにVWと組む予定だったものの、スズキ側の交渉役がVWを激怒させたためギクシャクしてしまい別居状態。もっと正確に書けば離婚するための条件を探っているいうイメージ。VWもスズキをグループとして考えていない。どんだけブン取ってやろうかと算段しているのだった。

このままだとハンガリー工場の採算分岐点を割り込む。かといってWRCから撤退後、スズキのブランドイメージは薄れるばかり。GMのOEMを失った分をスズキブランド分を補うことなど出来ない。撤退というチョイスもあったろう。ところがパリサロンで新型『ビターラ』をデビューさせてきたのである。

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写真を見て頂ければ解る通り、スタイル平凡。搭載されるのは1,6リッターのガソリンとディーゼル。加えて明確なブランドメージ薄い。勝負するなら韓国車よりダチアと同じくらい安い価格を付けなければなるまい。というか、工場撤退以外、それしか生き残る道が無いと判断したんだろう。

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参考までに書いておくと、JWRC(WRCの下のクラス)でプジョーやオペルをうっちゃり見事チャンピオンを獲得したスイフトは輝いていた。販売も大いに伸ばした。されど今やそういった訴求のためのツールを全く持っていない。新しい技術も無し。価格だけが競争力と言って良かろう。

果たして新型ビターラは欧州で売れるだろうか? 日本にも新型エスクードとして持ってくる? 1,6リッターのディーゼルを持ってきたら可能性あるかもしれません。もしハンガリー工場のラインを維持出来るくらい売れたら素晴らしい。逆にビターラが失敗したら、ハンガリー工場は店仕舞です。

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