センサーの限界

自動停車ブレーキのセンサーは100%確実な信頼性を持っていない。したがって「作動しないこと」を危惧し、むしろ敏感にしている。結果、誤判定をしてしまう。これ、今まで試した全ての車種で経験あります。ETCゲートの可動ポール見て追突判定をし、シートベルトを思い切り引き込まれたことも。


イバルより圧倒的に高い性能を持つセンサーが付いているアイサイトやボルボは料金所のポールを障害物と見なすことこそないものの、アダプティブクルーズで
走行中、不要な減速をすることがある。逆に100%確実でないことを頻繁に確認出来るため、頼り切った運転をしないで済むかもしれません。

そんな中、注意喚起しておきたいのがベンツAクラスやレクサスIS/クラウンなどが採用している「危険時は少しブレーキペダル踏んだだけで強い制動を掛ける」システムだ。先日もISに試乗中、普通のコーナーを曲がっている最中に衝突警報が出た。どうやらコーナー外側のフェンスを拾ってしまっているらしい。

IS
に限らずトヨタのミリ波レーダーはフェンスを拾う傾向を持つ。この状況で「少し踏んだら強いブレーキを掛ける」制御を組み合わせているクルマは、ちょん踏
みで急減速します。「ピピピッ! と鳴ったので驚いてブレーキペダルに足を乗せた程度」で相当強いブレーキが掛かってしまうのだった。後続車にとっちゃ驚異。

CT
誌のアダプティブクルコンの取材中、ベンツAクラスでも先行車(追随テストするために走らせた取材車。もちろんテストコース)に急接近した際、衝突警報が
鳴った。実際はそれほど危険な状況じゃなかったので軽くブレーキ踏んだ所、フル制動! 撮影中の後続車をビビらせてしまいました。これは過剰判定です。

という特性を自
動停車ブレーキ付きのクルマを買ったことのある人は知っておくべきだと思う。私らが啓蒙することも重要ながら、自動車メディアを見ていない人の方が多い。
したがってディーラーでセンサーの誤判定や過剰判定について少し詳しく説明すべきだと考えます。現状は何の説明もされていません。


5 Responses to “センサーの限界”

  1. 小寺 より:

    事故の多い山道などではカーブの途中のセンターラインにポールや高さ1mほどのコンクリートブロック等が設置されている所もありますが、もしこれをセンサーが拾ったら逆に事故を起こす原因になりそうな気がします。
    ヘアピンのような急カーブを曲がっている途中に対向車が来たら。その時に軽くでもブレーキペダルに足を乗せていたら。突然の急ブレーキになってしまうのでしょうか?
    それでも普段の事故の総数は減るでしょうから意味が無いとは言いませんが、買う前には「こういう誤動作もあります」と実地で経験させて欲しいですね。
    言葉の説明だけだとわからない人が多いと思う。

  2. CVCC より:

    なるほど、そういう注意点があるのですね。
    秋の新フィットでとりあえず外国のメーカーも含め各社の自動ブレーキが出揃うので、そのときあらためて、
    1、人を感知するか?
    2、○○km/h以下で作動するのか?また、その条件で完全停車するのか?
    3、○○km/h以上ではスイッチがオフになり全く機能しないのか?又は完全停車しないだけで、警告やブレーキは自動でかかるのか?
    4、誤作動など、感度に関する注意点
    以上の四つを素人にわかりやすいように簡潔にまとめた一覧表のようなものを雑誌やブログでリポートしていただけると嬉しいです。
    国沢先生のようにユーザーの側に立ったリポートをしていただける評論家の先生が増えるとユーザーにとって非常に嬉しいと感じます。

  3. ポポー より:

    いつも楽しく読ませていただいております
    先生の批評は、特に安全性と環境に関する技術に関して「今の所未熟な部分はあるけれど、明確に良いところがあるんだから頑張って伸ばして欲しい」
    という意図が見えるので、多少批判的なご意見でも読者として(仮に批判されている車のユーザーであっても)受け入れやすいと感じています。
    先生は「99人を救える技術でも、1人の犠牲者を出すならその技術は徹底的に叩く」という批評(特に大手メディア)についてどうお考えですか?
    本日のコラムのような件、誤判定による制動力アップの部分にだけ焦点を当て、危険だ危険だという論法で技術自体を潰されてしまいそうで心配です。
    ぜひ先生には今後も真実をお伝えいただき、頑張っていただきたいと思っております。
    駄文失礼いたしました。

  4. nogawan より:

    センサの性能は、障害物が居るのに検知しない"不検出"の発生率と、障害物が居ないのに"障害物あり"と誤判定する"過剰検出"の発生率の2つの指標で評価されます。スバルでは、99年のADAの発売当初から、この点はしっかり意識して来たつもりです。また、機能によって閾値も変えてるはずです。
    自動車メーカがセンサの隅々まで把握していることも重要でしょう。スバルは画像処理のプログラムも自前で開発してますから、テスト走行で起こる現象が、画像処理のロジックとリンクして検討され、改善点が見出される。
    一方、ミリ波レーダの場合は、多くは部品メーカが出来上がったセンサを自動車メーカに提案する形になる。自動車メーカはセンサをテストして、いろいろと要望を出しますが、仕様書の文章だったり、伝言ゲームになったりして、微妙な設定や改良は出来にくい。
    ボルボも開発者のインタビューが下記にありました。
    http://www.webcg.net/articles/-/17851
    スバルの初代の開発者として、全く同感です。「大切なのは、検知した情報をどう解析するかのアルゴリズムです。」

  5. 94cb400SF より:

    いつもいろんな観点からの情報ありがとうございます。
    初期型エリシオンに乗っていますが、コーナーでガードレールにミリ波レーダーが反応することはたまにあります。
    エリシオンにはそもそも完全停止の機能はなくて、警報→シートベルト引き込み、軽い自動ブレーキの順で作動しますからあまり問題になりません。各社の制御のクセみたいなものはセールス時にしっかり説明していく必要がありそうです。

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