テスラ、会社の”価格”でフォードを抜きGMに肉薄

驚いたことにテスラの時価総額(発行株数×株価)が5兆3500億円になり、5兆円のフォードを軽く抜き、5兆6千億円のGMに迫りつつあるという。調べてみたらエイプリルフールネタでなくガチネタでした。何で? 会社の規模からすれば圧倒的に違う。数字を並べてみたい。

売上金額だけれど、GM/フォード/テスラは18兆2600億円/16兆3900億円/7896億円。2016年の利益だけれど、1兆340億円/8030億円/850億円の赤字。会社の規模だとGMと比べたら20分の1。しかも赤字。どうして時価総額が高いのか全く理解出来ないです。

先日テスラジャパンの人に話を聞いて「へぇ」だったのが、テスラと一般的な自動車メーカーの認識の違い。テスラの販売台数を聞いたら「公開していません」。理由を聞くと「企業によって開示方針は異なります。逆に他と同じでなくてはいけない理由はなんでしょうか?」と質問で返されました。

考えてみたらITギョウカイなどベンチャーの皆さんは、会社作ってみんなに期待して貰って株価を上げ、居抜きで売ることで利益を上げてきた。土地に腰を据えた製造業(自動車産業など典型的)の商習慣と全く違うのである。ドチラが良い悪いのハナシじゃありません。

自動車産業も、もう少し株価やブランドイメージを考えるべきなのかもしれない。参考までに書いておくと、テスラの時価総額は株を買ってるヒトの多くが「GMやフォードと同じ規模の自動車メーカーになる」と信じてるということ。IT関連を買う投資家の根っ子は博徒なんだな、と思います。

何度も書くとおり「だからテスラが悪い」というコトじゃ無い。クルマの方向性を含め、自動車とIT産業の中間くらいの雰囲気を持つあたりをファンの皆さん好んでいるんだと思う。逆に自動車メーカーはカタにハマッていてツマならないと感じる人が少なくないかもしれません。

 

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