トランプ大統領、アメ車の販売不振に強い不快感

日米首脳会談でトランプ大統領は貿易問題を大きく取り上げた。話の中に自動車も含まれていたという。実際、日本に於けるアメリカ車の販売台数は、2015年度が1万3944台(主要正規輸入車の台数)。2016年度1万2857台。トランプ大統領就任後の2017年度も1万2821台と微減している。2017年度はフォード台数は1000台程度減ったためながら、それでも厳しい。

昨年トランプ大統領が就任した際、日本側に自動車の不均衡問題を訴えていたにも関わらず、同じ状況のまま。数字を見れば誰だって「どうなってるんだ?」と思うことだろう。私自身、政府は真剣にアメリカ車を売るための策をたてると思っていた。自動車のために他の産業が不利益を受けたら国益に影響するからだ。しかし今まで何の動きも見せておらず。

そもそも輸入車全体の市場は過去最高を記録している状況。2017年度はジープもシボレーもキャデラックも魅力的な新型車を投入しており、フォードの撤退で減少した1000台をカバーしてありあまると思う。ちなみに「アメリカ車は排気量が大きいため自動車税で不利」とか「ボディサイズが日本に合わない」という声も聞く。この意見、数年前なら適切だった。

しかし今やアメリカ車も自動車税の安い2500cc以下のエンジン搭載車が主流。また、ヨーロッパ車のボディサイズも大きくなっており、輸入するそばから売れているボルボXC60の車幅は1900mmで、大きすぎて売れないと言われるシボレーカマロと全く同じ。また、ジープの大半のモデルも、ヨーロッパの同じジャンルのSUVと比べれば大きくない。

なぜ売れないか? 最近強く感じるのだけれど、売る気がないようである。人気のドイツ車でも、在庫を抱えてしまえば新車で100万円くらいの値引きを行う。それでも売れない場合、1度ディーラーで登録。すると新車じゃなくなり、経理上の価格(簿価)も下がっていく。新車600万円の車種で簿価350万円になったら、400万円で販売しても赤字にならない。

といった価格調整を行い販売目標の達成を目指すのだけれど、GMなど売れなくてもそのままの価格なのだ。例えばシボレー・カマロは予定台数を売れなかったのだろう。中古車店に『未登録車』として並べている。通常なら新車より安くすべきなのだが、新車と同じ価格。販売目標達成に苦しむ他のインポーターに聞くと「売る気が無いとしか思えません」。

国益のためにもアメリカ車の販売台数の目標を立てるべきだと思う。前年比150%の2万台くらい売ればトランプ大統領も少しは納得してくれるんじゃなかろうか。とにかくアメリカの自動車メーカーの無気力試合を止めさせることから始めたらいい。前出のカマロだって490万円では売れないだろうが、290万円なら売れる。ジープのSUVも同じ。担当官庁に頑張って頂きたい。

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