ハイオク仕様、100オクタン指定とは限らない

エンジンの専門家とじっくり話をする機会があった。この方、直噴ターボのBMW320iに乗ってます。当然ながらハイオク仕様なのだけれど、特殊な入れ方をしているそうな。曰く「日本のハイオクはオクタン価が100もあります。320iの要求オクタン価は95。5高い分のオクタン価、単なるムダです。かといってレギュラーだと90。性能を引き出せません。そこで‥‥」。

燃料が半分になった時点でレギュラー入れ、次は半分を少し切ったあたりでハイオク入れるそうな。エンジン屋さんだから日本で販売されているレギュラーのオクタン価を御存知。大手なら90を切ることは皆無で、91を超えていることも珍しくないとか。ガソリンは半々に混ぜればオクタン価も中間になる。シャシダイナモで計測したら、半々ガソリンと100オクタンは同じだったとか。

「レギュラーにハイオクを入れること」と「95オクタン仕様のエンジンにハイオクだけ入れる」のは同じくらい意味ないことなんだそうだ。ヨーロッパ仕様のエンジンの大半がハイオク仕様じゃなく、95オクタン仕様だと思えばいいのかもしれません。もちろん100オクタンが要求性能のエンジン(GT-RやWRX STIなど)もある。輸入車は自分のクルマの取り扱い説明書を参照に。

日本車のハイオク仕様、ヨーロッパ向けエンジン(例えばシビックのハッチバック)は100オクタン仕様じゃなく95オクタン仕様。半々ガソリン使っても性能低下しない。仮に半々よりレギュラーの比率増えて94オクタンになっても、ほとんど影響ないと考えていいだろう。前出BMW320iも95オクタンを下回る燃料についちゃ「性能落ちるが問題無く使える」と明記されている。

「ハイオク仕様だとガソリン高いから止める」という人もいるけれど、半々給油ならリッターあたり5円。しかも95オクタン指定のエンジン、一般的にレギュラー仕様よりアクセル開度大きいときの燃費が良い。リッター5円の差など燃費の良さで取り返せる。95オクタン仕様ならレギュラーで乗るのは、むしろ性能を引き出せずもったいないと思う。適正な燃料を入れたい。

クルマと全く関係ないが、先日ヒコウキについて調べていたら、第二次世界大戦中、スピットファイアの燃料って戦闘時は150オクタン指定だったらしい。東南アジア戦線で運用されていた機体は、燃料事情悪く100オクタン。我が国と言えば、中島飛行機の『誉』で設計上100オクタン。なのに現実は80オクタンすら怪しい燃料しか使えなかったという。そらアカンでしょ!

 

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