ホンダ ブリオをインドで発売

ホンダは今や世界中の自動車メーカーが激しいバトルを行っているインドで
1,2リッターエンジンを搭載する小型車『ブリオ』を発表した。価格は39万5千ルピーから。1ルピーおよそ1,6円として63万円ということになる。あまり話題にならないインド市場ということもあり、小型車の簡単な情報を並べてみたい。

まずインドで販売されているモデルと価格を下に上げておく。売れ筋は『A2セグメント』と呼ばれるクラス。欧州のBセグメント。日本だとフィット級だと考えていいだろう。売れ行きTOPは圧倒的優勢でスズキ・スイフト。スターティングプライスが高めに感じるかもしれない。でも売れ筋グレードで比べれば、むしろ割安。

日本での報道は最廉価グ
レードばかり取り上げるものの、インドで乗用車を買える層を見ると裕福。最廉価グレードの価格設定って話題作りのようなもの。最上級グレードの価格が重要だったりする。といった観点からすれば、スイフトは良心的だ。<注 トヨタ・リーバはエティオスのハッチバックモデル>

トヨタ・リーバ     39万9千〜59万9千ルピー
スズキ・スイフト   46万2千〜53万8千ルピー
現代・i20       45万8千〜81万5千ルピー
VWポロ       45万9千〜60万7千ルピー
シュコダ・ファビア  44万3千〜57万9千ルピー

鋭い人ならここまで読んで二つくらい「あれれ?」と思っただろう。一つはトヨタ以外、欧州でも販売しているモデルを持ち込んでいること。トヨタならヴィッツで、となりそうだけれど、どうやら室内スペースが足りないと判断したらしい。この5車種ではリーバだけ少しボディも室内スペースも大きい/広い。

逆に考えるとトヨタ以外は欧州で販売している車種であってもインドで安く作れるということ。トヨタはヴィッツを40万ルピーで販売することが出来ないのだ。
ホンダも同じ。本来ならフィットでここに参入しなければならない(これが二つめのあれ?です)。ブリオは先行販売されているタイでもフィットより20万円安い。

リアシートだけでなくリアのラゲッジスペースもフィットより圧倒的に少ないし、リアドアも開かない(ガラス部分だけ開く)。ブリオ
を同じ価格で売れば比べられてしまい、厳しい評価になると思う。勝てる勝負じゃないような気もするけれど、前述の通り売れ筋グレードで比較すれば強いのかもしれません。

参考までに書いておくと、ブリオは先行販売されているタイで8千台のバックオーダーを持つ。市場規模は日本の5分の1程度。日本だと4万台のバックオーダーということ。このイキオイをインドに持ち込めるだろうか? 気がつけばホンダも東南アジアが欧州より大きい市場になってきた。世の中の動きは速い。

・ECOカージアは「ヴィッツ級ハイブリッド車、アクアの最新情報

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3 Responses to “ホンダ ブリオをインドで発売”

  1. さね より:

    インドかぁ。あんまりインド事情スズキのシェアが凄いぐらいしか知らないので、ブリオがどーなのかは知るよしもなく、売れるといいですね。
    印象はインドで発売されてる車は日本より安い!世の中の流れは速いんだろうけど、正直日本はますます置いてけぼりな感じがします。ミライース見てきましたが個人的には売れ筋グレードは絶対的には安いけど、ゆってるほど安くないよーな?インドの各社の値段を見ると、日本は値段は高いは、税金は高いは、二重に課税してるは…今の日本はこれから大増税とゆわれてるし、車もつのも大変だろうな小市民にしてみれば。 あんまり燃費ばっかゆってたらいけないな、コスト高なるし、かといって技術が停滞した車でもやだし…二輪のバイクを長い間イジメぬいてきた結果、今の日本市場のようになりましたが、自動車とはまた事情が違からならないとは思いますが、どーなるんですかね日本市場は?やっぱり国をあげて、世界中で通用する新しい軽の規格を実行してほしいです。それとも軽規格自体あるのが普通車の妨げになっていけないのかな?無い知恵しぼっても分からないので、ブリオ成功してください。ホンダも儲けて、日本市場にいい車だしてください。

  2. tonpochi より:

    国土交通、経済産業両省が8月19日に提示した乗用車の新たな燃費基準(トップランナー基準)によると、2020年度までに2009年度実績燃費の24.1%の改善を義務付けるとしています。
    これをクリアする方法は2つあります。1つはトヨタ、ホンダのようにHV化する方法、もう1つマツダ、ダイハツのようにガソリンエンジンの効率を徹底的に高くする方法です。
    HV化すれば、楽勝で基準をクリアでき、将来更に高い基準になってもクリアすることが可能でしょう。しかし、モーターに蓄電池、電子制御等でコストアップになることは否めません。
    これに対してガソリンエンジンの効率を上げる方法は、2020年基準はクリアできるかもしれませんが、更に基準が上がると対応できなくなります。しかし、HV車のようなコストアップはないので、小型車には有利と言えます。
    そこで、今度発売されるアクアですが、エコ意識の高い日本ではかなり売れると思います。しかし、コンパクトカーで170万円は高いです。インド、中国といった新興国ではまず売れないでしょう。
    そもそも、コンパクトカーは10万Kmも走ればいろんなところがヘタリ初め、買い替え検討となります。トータルコストでどっちが得かをよく考えないといけません。
    今後の各メーカーの動向に注目です。

  3. 真鍋清 より:

    ★国民車タタ・ナノ→廉価版軽自動車マツダR360クーペ、ないしはスバル360
    ★その少し上のマルチ・ゼン(かつて1990年代のスズキ・セルボモードに1000ccを搭載したもの)→トヨタ・パブリカ700/800
    ★タタ・インディカ(インドオリジナルの1400cc乗用車)→三菱コルト1100
    ★スズキスイフト/ホンダ・シティ/フォードアイコン他1200-1500ccクラス→ブルーバード/コロナ(中堅どころのオーナーカー:大会社の部長以上でないと買うのは無理)
    ★カローラ/シビック/スコダオクタビア/VWジェッタ他1.8リッタークラスのセダン→クラウン/セドリック/プリンス・グロリア(会社役員の送迎や公用車としても使われるセミフォーマルカー)
    ★カムリ/アコード/日産ティアナ他2.0-2.5リッター級Dセグメントセダン→出たばかりの日産プレジデント、もしくはビュイック/シボレー/ダッジ等の中型アメリカ車(社長や政府高官も乗る本格的高級車)
    モータリゼーション黎明期たる1960年代半ばの我が国に置き換えるとそんな感じでしょうか。
    そんな成長街道を爆進中のインド自動車業界の中核をなすべく急速に育ちつつある「1.0-1.2リッタークラス」こそ、高度成長期の日本における初代カローラ/サニーの使命と被って見えて仕方ないのですが如何でしょうか。
    かつて1966年発売の初代カローラ/サニーは1500ccクラスに肉薄し、物によっては凌駕しうる時速130-140km/hの高速巡航性能と5ベアリング水冷4気筒エンジンに代表される中大型車譲りの高度な性能・機能を小型車サイズでまとめ上げた上中産階級のホワイトカラーが入手できる価格・維持費と両立させ、どれほどの社会的意義を我が国にもたらしたか計り知れません。
    あれから45年、今度はインドが我が国が辿った道を歩んでいるのは「この道はいつかきた道」という感じではないでしょうか。
    かくも絶対的な成長株たる1200ccクラス「ハイクオリティ大衆車」戦線で、スズキAスター(1000cc)や日産マーチ(1200cc)、そしてトヨタエティオス・リーバ(1200cc)らの先輩格を向こうに回してスポーティで鋭敏な走行特性、機敏さを盛り上げるコンパクトサイズ、卓越した経済性といったこのクラスに求められる全てを高次元でマッチングさせたホンダ・ブリオの善戦を見守りたいのと同時に、同車を日本でもフィットのすぐ下の商品として80-90万円で販売してくれたらガラパゴス化日本に対する清涼剤足りうると思えてなりません!

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