ホンダ、欧州生産から撤退へ。このままだとジリ貧に?

ホンダの話です。やっと目覚めたF1プロジェクトと対照的に、ヨーロッパから半撤退という流れとなってきた。何と! 伝統ある英国のスウィンドン工場を閉めると言う! 日本の自動車産業にとって1985年から稼働を開始したスウィンドン工場は欧州進出の大きな一歩であると同時に、英国にとって初めての日本企業がハンドリングする工場とあってトラブル多発。

例えば、である。組み立てラインの最後の完成検査でダメ出しすると、ライン関係者からその人に圧力掛かって会社にいられなくなってしまう等々。そもそもローバーという労働問題を抱えた企業とのベンチャーから始まっただけに、苦労したと思う。けれどスウィンドン工場での経験を共有し、日本の自動車メーカーは続々と欧州進出していく。その工場を閉める?

ホンダが欧州で赤字続きなのは当然だと思う。欧州の道路で走らせると体力不足。多くの人から「ラリーに出て鍛えればいい」ということをアドバイスされてきたけれど、ホンダの悪い部分(第4期F1の失われた3年間と同じ根っこ)が出て耳を貸さなかった。ホンダ自身も「ラリーに出たらクルマが持たない」と自覚していたようだ。そんな弱いクルマ売れない。

高速域での直進安定性やスタビリティ不足に始まり、高負荷だと燃費悪いエンジン、粗っぽい空力性能等々、ここにきて着実に良いクルマ作りを始めたトヨタと好対照。本来ならF1のように大きく人やアプローチを変えればいいのだけれど、それが出来ない。ワクにはまっているからだ。繰り返すが、欧州で勝負するなら市販車に近いクラスのラリーに出るべき。

タイプRのように限られたスポーツモデルはキッチリしてるけれど、標準グレードに乗ると欧州車と体力勝負で勝てない。ちなみにスウィンドン工場の閉鎖、国際問題になる可能性もある。EUと決別するイギリスにとってみれば決定的な事象になるからだ。スウィンドンの周辺地域の雇用もガックリ減ります。工場だけでなく部品メーカーだって撤退します。

本来なら撤退でなく欧州で売れるクルマ作って再び勝負に出るべきだ。初めてヨーロッパでクルマ売り始めた時を考えれば今の方が圧倒的に優位。単に赤字を怖がった撤退です。アメリカで利益を上げているうち、そいつを欧州に投資したらいい。WRCのR2とかで勝てるクルマを作る技術あれば、きっと欧州で勝負出来ると思う。F1の活躍だって追い風になります。

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