ユーロ安

ユーロが8年ぶりの安値を付けている。1年前は1ユーロ140円だったのに(2008年7月には170円台も!)、直近だと112円。1万ユーロのクルマやバイクが2008年7月なら170万円。昨年の今頃だと137万円。今日買えば112万円ということであります。こいつを輸入車の価格に反映したら凄い!

ただ自動車のビジネスは相場の動きと連動させない、という方向になっている。ユーロが高くなると、値上げしなければならないからだ。値下げ時の販売増を狙うより値上げのリスクを嫌った、と言い換えることも出来る。いずれにしろユーロ安で輸入車が安くなるという期待は、あまりしない方がいい。

しかし! 経営母体の小さいバイクなどは、為替レートを素直に反映出来るのだろう。6月1日からドゥカティが10万円以上の値下げを行う。例えば人気の『ストリートファイター』は、189万円から10万円値下げして179万円に。ニューモデルの『ムルティストラーダ』も予価から値下げして販売することになった。

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強烈なパフォーマンスを持つストリートファイター

自動車のインポーターは値下げこそしないだろうが、装備を充実させた特別仕様車をラインナップ出来る可能性大。というか、1ユーロ=112円という相場、いくらなんでも想定していなかったハズ。濡れ手に粟の利幅を得られることだろう。ここで拡販して成績を上げておきたい、と考えるメーカーだって出てくる。

いずれにしろヨーロッパ製の物品を購入するなら今がチャンス。クルマやバイク、パーツ、時計、はたまた奥様用のグッズに至るまで、お金に余裕のある方はぜひ! 昨今はネット販売も充実してきたため、ユーロ安を気軽に誰でも享受出来るようになりました。私は欲しいモノ、ないですけど‥‥。

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4 Responses to “ユーロ安”

  1. MCタイチ より:

    189万円もするバイクが10万円値引きされても、あまり有難みは無いですね(^^;スズキなら70万円のバイクが実売20万円引きなんて珍しくありませんよ。
    代理店を通す商品はそこでまず儲けるでしょうから、円高/ユーロ安の恩恵をダイレクトに受けたいなら、ネット通販で現地から直接購入するのが一番かと。

  2. 真鍋清 より:

    上の方はバイクについて触れておりますが、一方で四輪の分野について言えばヨーロッパ車、依然割高ですね。
    例えばBMW335iセダンは目下42300ユーロで、1ユーロ110円として計算して4653000円、これは19%の購入税(我が国の消費税と諸費用を合わせたものに大体近い)を含んだものでありその意味でトヨタクラウン3000ロイヤルサルーンのコミコミ価格にほぼ等しいです。ところがそれと同じものが(まあ装備品は日本仕様の方が多いが)673万円!!実に200万円余りもボッタクっており非現実的な価格と言わざるを得ません。またメルセデスC350CGIにしても48000ユーロ、日本円にして528万円ですが「日本に輸入するとして800万円近くなるため商売にならない、だから輸入予定なし」とメルセデスの日本法人では言っておりました。
    こうした商習慣は日本の伝統であり、経済インフラその他の関係があり一朝一夕には改められないことも事実です。ただ顧客側としてみれば「高級品を高級なお客様に」という姿勢が見え隠れしてどこか舐められているようで収まりません。
    いい加減、民主党になって数年が経つ今、今度の菅直人政権になって規制緩和の一環として輸入手続きの簡略化等が施行され、それに付随して並行輸入業者の新規参入緩和が行われて本国価格とほぼ等しい価格で未導入の輸入車が入ってくる…..それも市場刺激策に見えなくもないですが所詮白昼夢でしょうか。
    現に目下日本未発売のVWパサートR36の4ドアセダンなど、3.6/300psを搭載したフルタイム四駆の高性能セダンにして45500ユーロ、実勢で500万円、購買力平価(PPP)で1ユーロ=102円として464万円となっており、本国(英国でのポンド価格£32750=442万円も含めて)価格はクラウン3500アスリートやスカイライン370GTといくらも変わらずレクサスIS350より安いぐらいです。またオペルのインシグニアOPC(325ps)は44900ユーロで実勢493万円、購買力平価換算で458万円という按配です。そんなパサートR36セダンやオペル・インシグニアが500万円以内で輸入され、レクサスIS350やクラウン群と真っ向勝負したら、また既存の正規輸入BMWにしても335iセダンが520万円、メルセデスではC350CGIが590万円で輸入されるようになれば日本のマーケット様相も大幅に変化するように思えてなりませんがそれ以前に理不尽なエコ税制がどう改正されるか、第一所得税の分配や消費税問題がどう解決されるか、実に一筋縄では行かない深遠な問題が目白押しですね。

  3. 真鍋清 より:

    突然ですが、ユーロ安に関連して思いついたことをいくつか。
    目下1ユーロは113円前後、そんな最中に新発売されたBMW325i(3.0/218ps直噴)と同320i(2.0/170ps直噴)のペア、共に浮世離れなお値段ですね。
    前者は前モデル据え置きの547万円、後者は445万円と、同クラスの平均といえばそれまでとはいえ、本国価格を知る身にとっては実に納得が行かないボッタクリぶりですね。
    そもそも325iの現地価格は35700ユーロ、実勢で400万円内外、PPP(購買力平価)で360万円となっており、むしろVWゴルフR(40000ユーロ弱)よりも数千ユーロ安い価格設定です。それが日本に来た途端に当のゴルフRより42万円高の高価格ぶり、良く日本のBMW乗りたちは本社や日本法人に抗議の手紙を出さないものですね。いかに残価保持型のローンシステムが業界有数に進んでいるからといって…..。
    この3シリーズのメイン車種320iは400万円±20万円、325iは480-510万円の範囲でなければ商品としてやっていけないと思えてなりません。何より市価500万円を超えたら途端に現実離れした存在になってしまうのは言うを待たないものです。
    納得が行かない価格設定なのはVW上級車とて同様、Dセグメントの3.2Lセダンが400万円台半ばで手に入る、ということで一定の話題を呼んだVWパサートV6 4モーションも後に492万円→502万円と値上げした末にごく最近日本市場で販売を休止し、それに近い存在としては同じくパサートシリーズのCC 3.6が存在しますがこちらは620万円!!一体どんなユーザーを狙っているか見えてきませんね。
    先程まで販売されていたパサートセダンを中止し、ヴァリアント(ワゴン)と4ドアクーペCCのみにしてしまうVW側の日本戦略も手放しで支持できませんが、百歩譲ってCCの3.6(300ps)が505/510万円、CCの2.0ターボ(200ps)が420万円、さらにゴルフR(270ps)が450-460万円まで値下がりすればそれだけでも印象が大幅に変わる上、「庶民の味方VW」という原点に多少なりとも近づくのではないかと思います。
    組織的に硬直しきったBMWはまあ仕方ないと見るも、せめてVWぐらいはユーロ安をフルに生かして本国価格の10-15%増し程度の戦略的価格(小生に言わせれば、戦略的というより「初めてマトモ」という水準)でゴルフからパサートに至る各車をリリースすればそれだけでも大きな風穴が開くのであり、やがてはメルセデスやBMWまで含めた業界全般の常識が変わる手がかりとなるだけに惜しまれるというものです。
    シトロエンのC5も1600ccターボ=実質2.0Lクラス相当にして販売価格は最低424万円!!全く同クラスの、ついこの間まで販売されていたVWパサート4ドアセダンの1.8TFSI(160ps)が375万円、その50万円高とは納得がいかない価格設定だろう。本来EU各国ではパサートよりもシトロエンC5の方が同等のエンジン同士で比較して5-10%程度安いのにこの有様とは。
    どの欧州車メーカーも、1ユーロ=170円近かった時代の価格設定から抜けだしていないのはもはや単にメーカーのポリシーというより、我が国特有の商習慣、政治的しがらみに罪が帰せられるのかも知れない。事態は複雑怪奇かつ深遠で、小生ごときが何を言っても無駄な抵抗に過ぎないだろうと考えるに、正規ディーラー以外の並行輸入業者頼みということになろうか。
    ついDセグメント車の話になると力が入ってしまう小生だが、逆に言えば現実的なサイズ・ランニングコストの中に叡智に富んだ理性的エンジニアリングを盛り込めるこのクラスは、世界的に小型軽量化+環境適合性能が叫ばれる今後のマーケットで実際的な上限となる「大いなる潜在性を秘めたクラス」なだけにそのポテンシャルを曇らせる前時代的な価格政策が惜しまれるというわけです。

  4. 真鍋清 より:

    BMW335i→CHF64400(邦貨換算5345200円)
    北米並行レクサスIS350→CHF69800(邦貨換算5793400円)
    ※CHF=スイスフラン(1スイスフラン=83円)
    この現実、考えられますか?日本のBMW乗りの皆様、無責任な自動車雑誌編集部の皆様。
    そうです。スイス、ドイツ本国を始め、EU各国でのBMW3シリーズはレクサスISシリーズ(正規のIS250エグゼクティブvsBMW325i、IS220dvsBMW320d、北米並行IS350vs上記335i全てひっくるめて)よりも安価に出回っているのです、もちろんレクサス側が遠方からの輸入車というハンデを背負っていることを差し引いた上での話。
    舞台を日本市場に移した場合、3シリーズを始めBMW製品は同等のレクサス車の10-15%増しの価格であるべきなのにも拘らず、30-40%増しは当たり前の世界…..その謎がようやく解けました!「型式認定一件につき1000万円」、どうです、十分に閉鎖国家と言えませんか?
    この国には、「目に見えぬ輸入制限」が続いていたという事実、改めて度肝を抜かされる次第です。平安時代以来の部落問題といい、近代的民主国家でありWTOの一員を「タテマエ」にする我が国、世界的スタンダードでは到底計り知れない古来の慣習が根深く残っているのは否定出来ないのです!
    今や民主党日本になったものの、飽きもせず国民の税金を食い物に愚にもつかない公共工事や汚職が繰り返され、官僚の天下り機関は依然存在し、その一方で所得税や医療費の問題は泥仕合で先送り…..こんな国は何を言ってもムダとさえ見えます。少なくとも輸入車等の型式認定簡略化ぐらいは円高還元の一環として行われても然るべきだと思いますが、今度は経団連がらみのトヨタの政治力が絡んでいるに違いありません。お上はきっと言うは、「官僚の天下り先がなくなる」と。
    さて、核となる国民生活面を守れず、隣の国への軍事的責任については常にアメリカのイエスマンにして風見鶏、こうした中枢となる問題が解決しない限り、輸入車の認定問題も改正され得ないという読みができます。全体に日本が名実ともに「新生日本」になるには案外あと数十年かかるかも知れない…..55年体制の亡霊から完全に足を洗うには。
    ※データ出典
    ★AUTOMOBIL REVUE 2010(スイスの自動車年鑑)
    ★http://www.autoscout24.ch(スイスの中古車ホームページ:北米並行レクサスIS350の新車価格について)
    ★http://www.motor-talk.de/forum/lexus-is-350(ドイツでの並行レクサスIS350は約50000ユーロ:BMW335iの42300ユーロより圧倒的に高価!)

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