ルノー日産ベンツ

ゴーンさんはベンツとの資本提携に興味を持っているようだ。フォードを巨大化させたナッサーさんにも言えるコトながら、こ
のタイプの経営者って「大きくなることこそ正しい」と考えているらしい。ゴーンさん、今まで多くのメーカーと資本提携しようとしてますから。日産にとっちゃ大いに迷惑な話かもしれません。

というのも今回の提携話、日産にとっちゃほとんどメリット無し。「ベンツから得るモノなんかあるワケないでしょ!」と言い切ってよい。一方、ベンツから見れば欲しいモノだらけである。直近でどうしても欲しいのは、エントリーカーとバッテリーです。この二つ、欧州の燃費規制をクリアするために絶対必要。

欧州は2015年までに平均燃費をガソリン車換算で18km/L以上(ディーゼル車だと
20km/L弱)にしなければならないからだ。燃費の良いエントリーカーをたくさん売って平均燃費を改善し、しかも利幅の大きい高級車はバッテリーを使う技術で燃費良くしていかなければならない。相当焦っていると思う。

モーターショーを見てもベンツはECOカーを次々と登場させているが、
いずれもバッテリーについちゃ未定らしい。バッテリーギョウカイの人に聞いてみたら、片っ端から声を掛けているそうな。現時点でベンツが「これなら使いたい」というレベルに達しているバッテリー、おそらく日産とサンヨーだけだと思う。

日産が次々とローンチ(出してくる)してくるエントリーカー関連ニュースもベンツにとって魅力タップリ。次期型マーチのシャシ&エンジンは驚くほどレベルも高く&燃費良いとのこと。ベンツで味付けしたら、実用性不足から伸び悩んでしまっているスマートよりはるかにヒットするに違いない。もちろんEVそのものだって欲しい。

ルノーにとってもベンツとの提携は実利ある。というか欧州に於けるルノーのポジションを見ると、今や微妙。
「ジリ貧」と言い換えてもよかろう。特に商用車分野などベンツ向けOEMをすることによりスケールメリットを追求しなければ厳しい。日産の技術と引き替えに、ルノーの状況を改善したいんだと思います。

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7 Responses to “ルノー日産ベンツ”

  1. 小林 英弘 より:

    おもしろい話ですね。もっともココでいう「おもしろい」はちょっとひねくれた意味ですが…仮にこの日産とベンツの提携が実現して次期型マーチベースのベンツ車が世に出た時に、一部の「欧州車至上主義(というか信仰?崇拝?)」の自動車評論家はどんな「評論」をするのでしょうか? 外車専門誌で外車と国産車との比較記事での彼等のコメントなんか、国産車については「重箱の隅をつつく」を通り越してもはや個人的な好き嫌いやインネンとしか思えないようなコメントで落とすだけ落として、外車については「文化の違いを感じさせられた」「長い歴史の賜物である」などの論理的反論のしようのない主観的な美辞麗句で崇め奉ってますから。新型マーチベースのベンツ車なんて、マーチは「あそこがダメ、ここがダメ」なんて書いてベンツ版の車については「やはりメルセデスの血が入るとここまで変わるのか!と驚嘆した」なんてザレ事をぬかすんでしょうか? 何か変な意味で楽しみですねぇ〜(笑)。

  2. イニシャルN子. より:

    ルノーとの資本提携以前にいちどダイムラーに日産側から提携を持ちかけたことがありはしませんでしたっけ!?
    巡るめぐるよ時代はめぐる
    別れと出会いを繰り返し
    今日は倒れた旅人たちも
    生まれ変わって歩き出すよ♪♪
    中島みゆきの“時代”を思い浮かべたのですが・・・

  3. samine より:

    こんばんは[E:happy01]
    つまる所、ゴーンさんはルノーを助けるために日産の技術をウリにしてダイムラーを口説いている、と?だとすると確かに日産にとっては迷惑な話のような[E:coldsweats01] GMを口説いた時みたく、またぞろ振り回される格好になりますかね。
    そういえば、日産は最近のモデルチェンジでフーガに新たに20インチタイヤまで装着してスポーツセダン化が激しいんですが、そのせいで折角の高級車なのにオーソドックスな面が疎かにされてる気がしますね[E:coldsweats01] この際、提携がなったらベンツから同一車種のオーソドックス仕様とスポーツ仕様の造り分けの仕方を諸々学べと言いたいですね[E:bleah] フーガのように最初から正規モデルにスポーツ仕様を設定するとオーソドックスな面が疎かになりがちなんで、20インチ履いてスポーツしたかったら「日産版AMG」でも作れ、と[E:catface] 「まずオーソドックスな仕様をしっかり造ってから、それをベースにスポーツ仕様を造る」といった欧州の自動車メーカーの「常識」を学んで欲しいですね[E:coldsweats01]
    ダイムラーにとってはA・Bクラスに電気自動車仕様かプラグイン仕様でも付けたいんでしょうかね。確かに、そうでもしないと乗り切れない規制ではありますね。

  4. tm256 より:

    日産としては、新型マーチやEVリーフのOEM供給、EVリーフのキーデバイスであるAESCのLiイオン電池を拡販できるという点ではメリットにならないですかね?
    規模の経済を追求することでコストダウンを図りたいという理由で、日産はリーフの電池を競合自動車メーカーでも売りたいという意向を示していたと聞いていましたが、そうであれば、ダイムラーのEVやHVにAESCの電池が売れるというのは悪い話では無いと思うのですがどうでしょうか?
    (少なくともAESCの片割れ、NECはダイムラーに売れるのなら願ったり叶ったりで喜びそうに思います。)

  5. samine より:

    >小林さん
    欧州カブレの自動車評論家について私から付け加えさせて頂くと、
    「まずオーソドックスな車をしっかり造り、それをベースに色々なモデルを派生するのが欧州車メーカー。」
    「造りたい車をポンポン造り、部品共用でコスト削減、結果として貧乏臭くて基本的な所の煮詰めが足りないのが日本車メーカー。」
    てのが慣用句としてありますね[E:coldsweats01] 私も、それは全くその通りだと思いますが[E:bleah]
    私も欧州車カブレなので、欧州車が崇拝の対象になる一方で、詰まらない日本車勢はコキ下ろすに限ります[E:catface] 勿論、面白ければ日本車も褒めますけどね、CR-Zとか[E:smile]

  6. アミーゴ5号 より:

    外車崇拝は好きではありませんが、ドイツ車にはドイツ車の強みがあると思います。かりに技術的に学ぶことがなくても、日本メーカーにはない思想や判断は、クルマの性能やデザインに大きく反映するからです。
    ただ今回の資本提携はどうでしょう?相手方は提携失敗歴が多いので、なんらかうまくいかなくなる文化を持っているのでしょう。
    OEM等の業務提携が落とし処だと思います。

  7. 真鍋清 より:

    最近のルノーはいったいどう言う方向を目指しているか正直よくわからん気がする。
    さすがルーテシアを筆頭にトウインゴ、新型メガーヌといったCセグメントから下の小型シリーズは同社の十八番、粘っこい足回りと強靭なシャーシにより高水準の一次安全性とユーロNカップ五つ星を総なめにする乗員保護性能を持つのは大いに評価する一方でATやエンジンマネージメント・システムは遅れた部分が多く日本で乗るには不具合が否めないだろう。また、ボディサイズも野放図に大型化し過ぎ、その割にスペースユーティリティが貧弱であるなど手放しで知能指数が高いとは言い難いのだ。
    まして、ラグナから上、つまりDセグメント以上ではディーゼルの開発熟成こそ尊敬に値するもののガソリン・ユニットの仕上がりは今日のドイツや日本の水準に比してかなり貧弱で、ミッションや燃費対策と合わせて改良の余地に暇がないのも事実だ。
    結局、ルノーというメーカーのキャラ自体が混迷の中にあり、磐石の強さを持ったVWや目下躍進中のプジョーに押されて未だ明確な立脚点を見いだせないのではないだろうか。挙句、同社は最近ラティテュードなんていう奇妙な物を出した、何でもこいつは韓国製サムスンSM5(そう、日産ティアナ)の着せ替え人形なのだから開いた口が塞がらない!
    いかにアートの香りを持った上級車・ヴェルサティスやアヴァンタイムで失敗したからといってこりゃ無いだろう、「羹に懲りて膾を吹く」にしても問題有りと言わざるを得まい。
    そもそも歴史的にルノーは小型車の分野では磐石の市場シェアを持っていたものの、Eセグメント大型車の部門では古くは1970年代のR30/R20に始まり1980年代のR25からサフランを経て近年のヴェルサティスに到るまで大ヒット作は一台もなかった、結局ヴェルサティスもルノー最後の悪あがきに過ぎず、事実メルセデスEクラスからVWパサートに至る何者にも勝てずに敗退してしまったのではないだろうか、そして今小型車の分野でもドイツ勢に押され、トヨタやホンダのハイブリッド攻撃に歯が立たずに四面楚歌にある現状に他ならない。
    この通りジリ貧のルノー、姉妹会社日産の技術力をダシにダイムラー社(メルセデス)の援助を仰ぎたいのが本音なのではないだろうか。実際ダイムラー社側にはルノーが喉から手が出るほど欲しいものが数多くある、高性能・低公害ハイパワーエンジン、高級車領域のノウハウ、車両制御技術…..これらを自らのものにする上、潤沢な資金援助を受けて傘下の日産とともにハイブリッドや電気自動車、コンパクトカーの開発に注力したいという魂胆なのではないだろうか。
    ともあれメルセデス側の技術がスカイラインからフーガ、シーマ後継車に至る日産上級車に生かされる一方で、日産が強みを発揮するFFコンパクトや小排気量エンジンの技術がメルセデスに渡り、スマートやA/Bクラスの若返りが期待できるのはビジネス面から評価できるだろう。いわば次世代A/Bクラスは日産ルノー連合のティーダ/メガーヌ/ジューク/ブルーバードシルフィと長い目で見て共通のプラットフォームを用いた兄弟になる可能性も生まれたと考えられ、スケールメリットを生かしたコスト削減と品質の安定が期待できるに違いない。そして下手するとマーチをベースとした次世代スマート・フォーフォー?の登場など、全体的に各ブランドの不得意領域を相互に補いあうことはプラスと取れようが反面共食いの可能性をどう調整するか、その辺りはダイムラー(メルセデス)とルノー/日産連合の双方の手腕に掛かっているのだろう。
    目下迷走状態のルノーも、資金のメドが付き環境・燃費技術のノウハウを得た暁には持ち前のノウハウをフルに駆使して小型車分野で大いなる進歩性を発揮できるだろう、そうなってこそグループ全体を通じ次の段階の戦略が見えてくるに違いない。

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