三菱自動車の弱点

本来ならiMiEVの発売は三菱自動車にとって今年最大のトピックス&明るい話題になるハズだった。しかし! 今年生産分についちゃ全てフリートユーザー(企業)向けの上、すでに完売したのだという。なるほど街中でiMiEVを見る機会が多少増えるだろうけれど、全国に1500台となれば目立たん。加えて買えないクルマは話題にならぬ。

また、フリートに売られた場合、ハンドル握るのはクルマに興味無い人達。宅配便で使われているトラックのハイブリッド車みたいなものです(今やけっこう多い)。極端なハナシ、EVでなくてもいいのだ。むしろ電気切れが心配だから評価も厳しいかと。新しい技術の育成に必要なのは「台数」や「効率」でなく、ユーザーの愛情じゃなかろうか。

プリウスが好例です。オーナードライバーのプリウスは、ジェントルな運転をしているケース多い。一方、フリートが使っているプリウスなど高速道路で見ると、皆さん元気一杯走ってらっしゃる。このあたりの機微が三菱自動車にゃワカランのだろう。もちろんiMiEVがプラグインのプリウス(これもフリートのみ)のような「先行実験車両」ならいい。

けれど今やiMiEVは三菱自動車の心のよりどころのハズ。1500台が電気自動車を心待ちにしていた人達の手元に行ったら、プライスレスの素晴らしい宣伝となったろうに。三菱自動車が今回の不景気を乗り切れるかどうかは、長年にわたって染みついた親方日の丸の考え方を変えられるかどうかにかかってると私は考える。

<おすすめ記事>

9 Responses to “三菱自動車の弱点”

  1.   より:

    >全国に1500台となれば目立たん。
    目立たないのは普通の「i」とデザインが同じだからでは?

  2. 那須与一 より:

    毎日楽しみにしております。国沢さんのおっしゃる通りなんですよ!以前三菱に「EVが本当に欲しい!」という個人にこそ、モニター販売として、率直な意見を出してもらい宣伝も兼ねさせたら?と提案したことがあるんです。果たして、郵便局やローソンのロゴで走り回る営業車を個人が欲しいと思うか!?が自分の賭けです。10年はトヨタ、ニッサンも出るらしいですし。iのデザインは大好きです。海外ではウケても日本ではどうなるでしょうか?10年にさえ300万の軽EVだと...。

  3. しろひげ より:

    三菱はEVを、
    企業には売れるけど
    一般家庭には売れないと判断したのでしょうか?
    だとすると残念です。

  4. アミーゴ5号 より:

    国沢さん、那須さんに全くもって同感です。新技術はユーザーの愛情が育てるものだと思います。
    運用上、法人の方が管理しやすいとかあるのでしょうか?法人ユースだと、事業所を中心として街中で利用されるから、遠出のトラブルとかは気にしないですみますものね。でもEV利用の制約条件をあらかじめ設定すれば、個人モニターでも提供可能なはず。
    最近は、何かあると必要以上に批判する風潮があるから(ITの負の部分でもありますが)、どんなに些細な傷でも、一度信用を失墜した三菱にとっては大ダメージになりかねません。ましてや虎の子EVですから、石橋を叩いて叩いて叩いて渡るのも、仕方が無いのかもしれません。
    そういう意味では、過去の反省に立って新技術を世に送り出そうと懸命に頑張っている会社を、大きな心でむかえてあげられない今の社会が一番悪いのかもしれませんね。
    頑張れ三菱!!

  5. タケゾウ より:

    おっしゃる通りです。
    業務用だけなら、デザインも、ただの軽トラ·1BOXで良いことになってしまいます。

  6. しげ より:

    そもそも論として、走行距離の短く、2〜4人しか乗れなく、バッテリー素材の精錬の環境負荷を考えると電気自動車は本当にエコなのか?ダウンサイジングを突き詰めてカーシェアリングや持ち車のない生活をしたらどうか?と言うエコロジックに陥りそうですが、今回の件に関しては、
    「09年は法人向け」と公式、非公式に発表されて来ていたので、MⅰEVに興味を持っていた人たちは今回の「品切れ」に動揺は無いと思います。「法人向け」を隠して「今年出るエコカー」と報道が増えてきているので、それに乗った人は除いてですが。
    電池の充電回数、充電開始時の残バッテリー傾向や車両の保管、運用状況によって電池の耐久性、走行距離で見逃せないユーザー差が出てくるのならフリート販売は正解だと思います。
    というかインフラが首都圏の一部にしか極僅かにしか揃っていない無い以上は、むやみやたらに市販できないでしょう。むしろ簡単に今年の現状で市販したら私は三菱の姿勢を疑います。
    現に私が世話になってる三菱ディーラーは、全国一の補助金、早期インフラ整備を謳った神奈川に材しているにもかかわらず、「販売責任上、この商品はお勧めしない。」と明言してます。

  7. 匿名 より:

    http://koji-ozawa.sakura.ne.jp/2009/01/15/i_miev/
    三菱i MiEVがデトロイトに出てたみたいです。

  8. タケゾウ より:

    EVはインフラをどうするかがいつも問題になりますが、いざとなれば民家から電気を借りれば良いのです。
    家庭用電源が使えるんだから、日本全国ガソリンスタンドみたいなもんです。
    もちろん勝手に電気を使うわけにはいかないので、丁重に現地の方にお願いして、お友達になって、できればお土産でも置いてくると。そんなドライブも楽しいのでは?
    不便なことも覚悟のうえなら、かえって楽しい思い出になるかも知れませんよ。

  9. しげ より:

    どうも改革反対派です。
    国沢さんは何と戦っているのですか?
    色んな意見があるから議論は楽しいと思うのですけど、
    最近のトップページの書き方だと、「決め付ける」「親方日の丸気質」は国沢さんの表現からも・・・です。
    改めて「反対」を書きますが、MIEV試乗会では、単に初物好きと断言する人も居ましたし、「駐車場にコンセント無いけど売って!」という人も居ましたよ。先行購入希望者を「全て良きサポーター」と認定できる根拠がよく分かりません。
    「1500台の法人利用者」と「同等数の一般ユーザー」で三菱の宣伝姿勢を批判できるのもよく分かりません。
    やはり現行の電気自動車の完成度を上げる為にはデータが必要だと思うんですけど。
    そもそも来年から電気自動車は一般販売もするというのに、「親方日の丸」と批判するロジックがよく分かりません。
    むしろ全国の電気事業者がMIEVや急速充電器を導入すると計画を立てている中、トヨタがEV開発を発表するまでの2年弱、沈黙を守っていた中部電力の姿勢を批判するべきだと思うのですが。

このページの先頭へ