三菱自動車もベーシックカー

三菱自動車も「100万円を大きく下回るクルマ」の開発に着手したらしい。軽自動車を得意とするメーカーが真剣にベーシックカーを開発したら、相当のポテンシャルを持っている。これで「開発中」がトヨタと日産、三菱自動車、ダイハツ、スズキ。「間もなく開発開始か?」はホンダとスバルといった感じ。

さて。この手のベーシックカーには2つのクラスがある。1)現在の軽自動車から派生させた3〜4気筒の1000cc&軽自動車のフロアを使い、価格80万円で実用燃費15〜20km/L。2)800cc程度の2気筒を新しいコストダウン&軽量化したフロアに搭載。ハイブリッド車並の実用燃費で60万円を狙う、というもの。

大いに期待したいのが後者。60万円までコストダウンし、カッコ良くて燃費良いクルマを作れれば、5万円のネットブックPCの如く世界的に新しい需要を作れるだろう。しかもベースが60万円なら、派生車種を作ってもタイした価格にならない。スポーツモデルや、ミニバンだって簡単でございます。

例えば初代パブリカの基本コンポーネンツ(800ccの2気筒)を使ったのがトヨタスポーツ800であり、商用車のミニエース。ステーションワゴンもありました。トヨタスポーツ800のコンセプト、現代でも立派に通用すると思うし、ミニエースの趣味性だってVWのタイプ3(空冷のバン)に負けてない。

もちろんレースやラリーだって出来る。ベースモデルのポテンシャルが低いから、チューニングすると大笑いするほど楽しいだろう。動くお金は今よりググッと小さくなるだろうけれど、こういったクルマが市販される頃になると、日本全体の経済が縮小する方向。社会は膨張と縮小を繰り返す。

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7 Responses to “三菱自動車もベーシックカー”

  1. いひゅもん より:

    そうなればいいですね!
    昔は楽しい車が沢山有りました。
    ビート、カプチーノ、AZ-1,遡ってコンパーノスパイダー、S600、S800,ヨタハチ、ちょっと毛色が変ったバモスとか、最新技術で造って貰えたら嬉しいですね。でもやはり期待出来ないでしょう。ベースとなる”大衆車”が売れてもその派生で楽しい車を造る様な奇特なメーカーは無くなった気がします。仮に造っても売れ行きは寂しくてすぐに生産中止になりそうな気がします。ユーザー意識の変化も大きいけど、その傾向に引っ張り助長したのはやはりメーカーでしょうねえ! せめて大手メーカーがそう言った派生車や改造車の部門を持ってくれてもいいのですけど。

  2. tm256 より:

    燃費の良い小型車に事業の軸足が移るというのは、方向性としては良いと思います。
    ただ、日本はEV立国を目指すべきで、小型車もEV化を進めて欲しいと個人的には思います。
    ご参考:
    http://yamagata-np.jp/news/201002/06/kj_2010020600116.php
    まぁ、これまでの下請け関係とか色々としがらみもあるので、簡単にはEVに舵を切れないのかと思いますが、遅かれ早かれ「スモールハンドレッド」が国内外から出てきて、従来メーカーもそういった廉価なEVとの競争を強いられることになるのではないでしょうか。

  3. ケイイチ より:

    最近、大切にしていた愛機(バディ)をアクシデントで失いました。やむなくクルマを買うことになり、不況の時代だからと・・・軽自動車も真剣に考慮されました。しかし、生意気にもクルマ好き?な私自身にとって、共に行動する愛機の存在って大きいんですね。 こうして国沢さん達からダイナミックなクルマ文化の魅力を情熱的に伝えてもらっていると、なおさら優れた自動車の性能を堪能してみたいという気持ちが強くなります。そうはいっても高額なクルマを購入する余裕もありませんから、国産の大衆車どまりなんですが。私も20万キロ以上は愛着をもって乗り続ける人間なので、信頼出来るクルマって大切な条件になります。以前、キャブレター式のクルマからインジェクション採用になっただけで驚いてましたから!。ようやく安価な現行の国産車を購入して、性能と装備の向上に満足しています。雪国ドライバーなので、スタッドレスタイヤなど装備も必要ですから、同じサイズのクルマを配備するならタイヤも役立てられることなど細かな選択基準になります。安価なクルマは大賛成です。地方に暮らしてますと、バスなど公共公共機関も少なくて老人や女性も自家用車に頼りがち。いままでの人々はクルマに関心なくても、毎年の維持費が負担になるサイズや燃費のクルマを選ぶしかなかったり、融雪剤で傷みやすいなど・・生活のアシにも苦労がいりました。装備や交換部品のコストも考えると、低価格大衆車や軽自動車のランニングコストは大きな魅力です。無印良品な?低価格のクルマが増えれば社会が潤います。私もたまに・・ほんの少し遠出もするから低価格で安全性能や燃費に優れた目立たないコンパクトカー機種が選べて、日本人に生まれて恵まれた環境だと喜んでます!。それにしても軽自動車も高額になりました、大衆車と遜色ない価格ばかりか装備面の充実。環境性能なんてことまで?考えると、久しぶりに悩ませてもらいました。長年連れ添った愛機を失った悲しみも癒えて、手洗いで凍えながらワックスを塗る手にも力が宿ります。この冬はオリンピックからクルマ社会も含めて・・いい風吹いてほしいな。期待の春間近ですね!。

  4. ケイイチ より:

    インドの低価格車タタが話題になって以来、すっかり実現性のある小型低価格車は社会の認知度も上がってきました。世界でも珍しい軽自動車規格は、昔から日本の御家芸ですけれど。クルマ黎明期に登場した欧州の小型車(イセッタやメッサーシュミットなど)の系譜に始まり、英国のミニやら・・チンクェチェントなど逸品揃い。進化系統樹みたいに分けると、宮崎アニメに登場しそうな”名車”となるクルマは手入れをしてくれる持ち主と静かな余生を送ることに意義がありそうです。反面、これから日本国内には膨大な数の中古車が溢れたまま需要を減らして朽ちていきそうですが、正直な話し新たなクルマ問題の火種になりそうでしょう。既に存在する中古車は、高年式のクルマ以外は決して環境性能が優れていると言えない。もし朽ち果ててもリサイクル率も低いマテリアルで造られた車輛だらけで将来は深刻な問題に発展すること間違いなし。確かに低価格のミニカー新発売などは歓迎されるのですが、常に新しい資源の消費を前提にしています。クルマ関連部品の会社もメーカー側も生み出した中古車の役割がオーバーフローしている状態を放置するだけなのでしょうか。例えばメーカーにストックされた各車のパーツがある内は、仕立て直しに投入すべき宝の山。今後、環境面も含めて売れなくなる中古車は?居住性など製品クオリティーが悪くないだけに惜しい物件揃い。早い話しが、中古車をクリーン化したり性能を改善することは企業にとってマイナスではないと思いますが?。増えすぎて、さらに新規格のクルマが主流になれば旧いクルマ(中古車)は生き残れない。こうしたクルマを”擬似環境仕様”に再生することにもっと集中しなくてはならないのではないですか?。ちょっと違いますが、昔々オートラマ・フォードにカスタモビルとか呼称される中古車がありました(オーディオやアルミなど好みに仕上げて付加価値を上げる簡単な試み・・あれの拡大解釈版かな?)。例えが極端ですけれど、外観が旧いままで中身がEVのハチロクなんてクルマがあれば車体やプラットフォームも無駄にせずに済みます(中古車を素材に、高効率で燃費改善した低公害車に仕立てるベンチャー企業が出る頃かも。そうすれば中古車の商品性を向上させて生かせる筈でしょう)。近未来、新型開発と並び溢れた中古車は大きな問題になりそうです。中古車業界とメーカー側の共同出資で研究を始めれば、せっかく生み出したクルマ達を救済しながら新市場を形成し・・炭酸ガス排出量も減らす最善の方法になるはずですが。

  5. ゴン より:

    最近は車を移動手段としてしか見てなくて、関心が薄れてた自分が国沢さんの提案を見るとその提案された車にわくわくして欲しくなるのは何故でしょう!?

  6. S田 より:

    はじめまして。
    いつも読ませていただいてますが、初めてコメントします。
    それはミニエースの名前が出てきたからです。
    あれは1975年、就職して配属されたのが直営のガソリンスタンドで配達用トラックとして活躍していたのがミニエースの低床タイプでした。座席の下の低い位置にフラットツインを積んでいて、タイヤサイズも小さくて凄い低重心なトラックに似合わないコーナリングマシン?でした。1年で別部門に移ったので短い付き合いでしたが、あんなに楽しい商用車にはその後出会えていません。
    デザインも秀逸だったと思います。
    あの頃は個性的なクルマが多かったですネ。その1年のスタンド勤務で一番印象に残ったクルマは、お客が納車直後に給油に乗ってきた「トヨタ・セリカ(もちろん初代)」です。(私は今もアンチ・トヨタ?ですが…、)あのスタイリングは目茶格好良かったです。
    長い昔話で失礼しましたが、「新しいベーシックカー」にも各社の思い切ったチャレンジが見られるとイイナ?と期待しております。

  7. 真鍋清 より:

    小生自身、国沢さんの言う「パブリカ」「ミニエース」の提案に大いに刺激されました!
    トヨタが1960年代に手がけた空冷2気筒の小型大衆車のエポックとなったこの両車。何より名車ヨタハチのベースとなったそれだけでも勲章ものではないでしょうか。
    初代パブリカは車重600kgそこそこに700cc空冷水平対向2気筒を搭載し、「これ以上はムダ、これ以下はムリ」というシビルミニマムに対する時代を超えた提案を行っていた上、それをベースにした商用車ミニエースもエスプリに富んでおり、国沢さんの仰る通りVWタイプ2やフランスのルノー・エスタフェット(初代)に勝るとも劣らない魅力が感じられます。
    そんな、パブリカ系統のコンセプトを現代に復活させるとやはり空冷と言うわけにはいかず(ヒーター、エアコンや排ガス規制に問題あり)水冷V4、850-900ccという感じでしょうか。もしくは3気筒コモンレール・ターボディーゼルの900-1000cc、Cd値は0.25/0.23という感じかと思います。サスやシャーシにはアルミ合金を、ボディには新素材をふんだんに用いて空車重量700±50kgとなれば現行の軽自動車は完全に息の根を止められてしまう予感がします。そこへリチウムイオン式のハイブリッドがあれば完全に鬼に金棒、和製VW E-UPに相違ありません。
    こうして考えると現行の軽自動車規格は存続自体に無理があり、今後はCO2発生量に応じた課税や燃費別の税制、或いは道路専有面積に応じたシステムにならねばベーシックカー分野全体の健全な発展は望めないのではないと思います。莫大ないや天文学的な開発費を要する前述の新素材を生かしたボディ/シャーシの開発は国家が助成金を出し、国策として研究開発のシステムを形成していくぐらいのドラスティックな手が打たれる筈です。
    すると現実的に問題になるのは1990年代製造以来の中古車の処遇についてですが、先の方が言われていたような環境適合性を高めるエンジン・ミッション等の改造やコンバージョンの体制が形成されれば産業廃棄物の問題もうまい具合に封印されてエコカー開発との整合性が保たれる上、新たな産業が生まれる切り口たりうるように思えてなりません。
    PS(あとがき)
    それでなくとも小生自身、「必要十分の無駄の無さ」を具現化したベーシックカーに元気をもらっている身であり、現有車2004年式ヴィッツ1300U-Lはもとより、その前に所有していた1999年式先代初期型ヴィッツ1000F-D(オートマチック付き)は今思っても小型車の積極的な魅力を教えてくれた恩師に思えてならないのです。こいつの1000cc/70ps/9.7kgmの4気筒エンジンはショートストローク型でパワーを使い切る魅力に溢れていたばかりでなく回せば皆様のヴィッツに対するイメージからは信じ難いほど速く、レーダーが反応しないのを良いことに日常的にエンジンをぶん回しておりました!おかげで首都高の鉄鋼団地を見下ろす区間で分速2500mを記録し、直進性・ブレーキとも問題が無く舌を巻かされたことを皮切りに、某東●道上りの館林付近、利根川の鉄橋直前の「飛島建設館林工場」(そう、ゼネコン!)を見下ろす区間でODオフで時速166.75km/h!をマークしたこと、さらに東関道でBNR34型スカイラインGT-Rの後を付いて「リミッター作動速度-5-6km/h」という最高速を記録したばかりでなく追い抜いた空港リムジンバス(オレンジと白のあれ、日産ディーゼル製)の窓越しに小生の憧れのマドンナ・パーカッション奏者「加藤訓子」嬢が長い髪をなびかせ乗っていたのを目撃したこと…..など今も鮮やかに思い出が蘇り、それぞれが一生忘れない瞬間なのです!
    この通り、乗り手のクルマ生活をvividに彩り、素朴にして味わい深い瞬間を与えていくことはベーシックカー/小型実用車の使命であると信じて疑いませんし、その点小生にとっての「カッ飛びマシン」だった二台のヴィッツも、1960年代のパブリカも、1970年代を風靡したB110型サニー1200も各々がユーザーの人生に貴重なおかずを与えてきたのではないでしょうか。
    クルマ離れが叫ばれる昨今、現実的に手が届く価格帯で整合性ある設計ポリシーを持ったベーシックカーを本腰を入れて開発すれば人々に積極的に支持され、クルマ文化形成の一つの手がかりになる気がしてなりません。

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