中国二手市場?

破竹の進撃を続けていた中国の民族系メーカー(外資が入っていないメーカーを示す)の雄であるBYDだけれど、ここにきて失速の気配濃厚になってきた。ちなみにBYDで一番売れている『F3』というカローラの完全パクりモデルは、中国でのベストセラーカーでもある。どうして
BYDが失速したのだろうか?
 
中国市場を見ると決して悪くない。むしろ強烈な伸びが続いてます。なにしろ2008年の販売台数は928万台。2009年が430万台増(!)の1364
万台。そして今年になって1月〜9月だけで1313万台! もはや昨年に並んでしまった。通年だと1700万台に達するイキオイ。絶好調でございます。
 
本来ならBYDだって急上昇しなくちゃならないが、今年3月は月販7万台に迫っていたのに9月は3万3千台に留まっている。半減したワケ。この件、いろんなメディアで理由を推測してます。皆さんライバルの値下げを要因としているようだ。確かに割安感という点で魅力を失ったことは間違いないだろう。
 
私は品質の問題だと考えます。中国市場も乗り換えユーザーなど出てくる時期を迎え、中古車市場が形成され始めた(中国語だと”二手”と言う)。当然ながら
品質の低いクルマだと高い値は付かない。カローラそっくりのF3ながら、質感や耐久性という点で非常に厳しいと思う。率直に言って「どうしようもない!」。
 
中国でクルマを買うような人達は、インターネットを使いこなしている。すでに民族系メーカーの二手市場での評価も広まり始めているのだった。BYDの評価や二手相場を見ると当然のことながら低い! 下取りに出すときの査定値だって悪くなってしまう。といったことが知られ初めてしまってます。
 
一方、日本車の評価を見ると極めて高い。そらそうだ。5年や6年じゃピンピンしてますから。2年落ちの二手なんか新車に近い価格が付いているのだから驚
く。破竹の進撃を続けているGMあたりも品質という点でイマイチ。二手市場で厳しい評価を得てしまうと、売れ行きを落とすかもしれません。

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4 Responses to “中国二手市場?”

  1. けむ より:

    面白いです。
    頑張ってください。
    韓国や中国、インド vs 日本の攻防は面白いですね。
    自分は世の中の端っこにしがみついているので、
    日本に分が悪い記事を読むと、心臓が痛くなりますが。

  2. ぱんだねこ より:

    ガーン!
    実はBYDには、期待していたのですよ。パクリメーカーとはいえ、独自資本でやってきていたので。日本に来たときには是非見たいと思っていました。タタ・ナノは見られたし。
    中国で車はまだ超高級品ですから、初期クレームなんかあれば大変なのでしょうね。日本にも初期クレームがないわけではないですが、過激な中国人なら「新車に交換しろ」くらいいうかもしれません。でも、国沢先生がベストカーで中国車に乗ったときまずまずではなかったですか?それも新車だったからでしょうか。
    最近はだいぶ良くなったとはいえ、アジア製の小型家電もいまいちなところがあります。初期不良で新品交換してもらったこともありますし、冷蔵庫のプラスチックの棚などは、あまり載せると折れちゃうんじゃないかと思うくらいペナペナです。それでもハイアールは日本人をマーケティング調査に使ってがんばるみたいです。
    もしや、車に関しても同じことが言えるのでしょうか?
    中東からニュース中継があると、後ろにたくさんのボロボロな日本車がガンガン走っているのを見ます。2世代前のカローラでも「エアコンが効いて日本車最高〜」とお金持ちの奥さんが乗っています。ロシアの地方はクラウンの中古がパトカーです。日本車禁止令も撤回されました。
    日本車最高!でも、独自資本の心意気を買ってBYDにはがんばってほしいと思います。

  3. 真鍋清 より:

    BYD F3。同車は一世代前のトヨタカローラZZE120型(2000-2006年まで製造)をコピーした1.6L級セダンですが、エンジンは三菱ランサー用1584ccに近い設計と言われます。
    現にBYD社は同社の目玉商品=F3のプレスリリースに「トヨタカローラの設計を見習わせてもらいました」と述べていたことを思い出しますが、やはりコピー商品にはコピー商品なりの設計の綻びがあり、それが低水準の品質や二手(「せかんどはんど」の中国語直訳です、決まっていると思いませんか?)市場での人気下落につながっていることは否めません。
    今後、中国がWTOに参加していくにあたり、こうした「あってな無きが如き」知的所有権をめぐる問題の紛糾など一筋縄では行かない問題が目白押しであり、長期的に見れば中国株に投資していくことには相応のリスクがつきまとうのではないでしょうか。
    さて、彼ら中国車はチェリー・アミュレット(かつてのスペイン製VWグループのセアト・トレドを国産化した1.6L級乗用車)からBYD F3/F6、ブリリアンス各車に至るまで近隣諸国や中東、アフリカ、中南米に進出している模様で、その点は「世界に羽ばたく中国車」とも取れますが内実は様々なリスクが秘められており、いわば「火種」とも取れると思います。
    彼らはこれらの地域では中古の日本車と価格面でも直接競合すると言われておりますが、誰でも中国車を嫌って中古日本車を選ぶというのもむべなるかなです。現に極東ロシアではパトカーもVIPの護衛車も中古のクラウン(140/150/170系)で、製造後10-15年が経過して走行距離も40-50万kmに達してなお、故障らしい故障もなく定期的に部品交換していれば信頼性と必要にして十分な性能を発揮していると聞きます。そうした中に中国車がどう斬り込むか、まさしく茨の道ではないでしょうか。

  4. ドン より:

    中国市場も成熟して、目が肥えてきたということでしょうか。
    しかし、本当に怖いのはBYDでは無い気がしています。
    それよりも脅威は外資と合弁を積極的に行ってきた中国国有の公社ではないでしょうか?
    例えば第一汽車集団はVWやトヨタとの合弁会社を持っています。
    将来、その公社で車作りを学んだ中国人エリートを別会社を作り一気に引き抜いたとしたら、
    VWとトヨタのノウハウを容易に得る事が出来ます。
    東風汽車集団も同じく、日産とホンダとの合弁会社を持っています。
    中国は国策でこんな事だってやりかねない。
    甘くみてはいけないと思います。
    今は時がくるのをジッと我慢しているように見えます。
    先生には日本の自動車メーカーを守るために今後とも尽力して頂ける事を期待しております。
    ただの車好きの私には出来ない事ですから。

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