二酸化炭素

原発の事故以後、様々なジャンルの資料に目を通すようになった。その中で一番驚いたのが「直近の10年間を見ると
地球は温暖化していない」という事実である。過去10年間と言えば、人類の歴史の中で最も二酸化炭素を排出していると考えていい。なのに世界平均気温を見ると、ほぼ横ばい。

NASAのデータ

もちろん東京など都市部の気温はヒートアイランド現象によって上昇しているけれど、世界規模で見ると2008年などは2000年以後、最も平均気温が低い年になった。2010年〜2011年に掛けてはもっと平均気温が下がるだろうという情報も多い(例えばタイなどは3月に30度を下回る日が続いた)。

沖縄の気温

ここにきて1990年代に盛り上がった地球温暖化二酸化炭素主役説は、作られたモノだという学説も急増している。そもそも1950年くらいまでの気温や海水温のデータ少なく、比較出来ないという。また「1000年間気温が変わっていなかった」という主張も、その間に小氷期や温暖期があったのに無視している。

不思議なことに2008年のデータを除外している地球温暖化を声高に主張する組織や団体が多い。もちろん人類から排出される二酸化炭素による気温上昇もあると思う。それ以上に自然の気温変化は大きいということです。いずれにしろ「二酸化炭素で地球が温暖化する」を鵜呑みにすべきじゃない気がしてきた。

こんな時は「損をする人と得をする人」という観点から評価すると興味深い。「人」を「国」や「民族」や「宗教」に変えてもいい。ちなみに二酸化炭素の問題で
損をしたのはどこか? こらもう圧倒的に日本。二酸化炭素排出権取引で莫大な金額を支払っている。この仕組みを考えたのはイギリスです。

当然の如くアメリカや中国はこんな荒唐無稽の話に乗らない。世界で一番効率よくモノ作りをしている日本が、一番お金を取られているのだから面白いこと。だからといって日本をやっつけようとして作ったシステムじゃないと考える。このあたりは深入りしても意味無いので割愛させていただきたく。

いずれにしろ自動車業界として考えるべきは「根っこにあるエネルギー問題」である。資源量からするとガソリンの高騰は避けられまい。となれば2つのチョイスしかないです。ガソリンの消費量を大幅に減らすか、代替エネルギーを考えるか、だ。逆から辿ると「今までの燃費じゃ勝負にならない」ということ。

以前から書いてきた通り「ECO」はエコロジーと同時にエコノミーでなければならない。二酸化炭素削減はエネルギーコスト削減と考えるべきだ。したがってボ
ランティアでの二酸化炭素削減を訴えかけても意味無し。「モトが取れる技術」こそ正義です。ここを間違えると、原発を含む環境技術は失敗する。

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11 Responses to “二酸化炭素”

  1. 土浦の裕紀[ひろのり] より:

    地球温暖化は、ただ地球の気温が年々高くなるだけではなく、夏が異常に高温になったり、逆に冬が異常な低温になったり、降雪が多かったり、またゲリラ豪雨や突風竜巻が発生したりと様々な異常気象、異常気温などが増えてくる事が、地球温暖化の危険な点のようです。
    海水温の平均が1度上がっただけで、気候の変化があらわれるようです。

  2. 下澤 淳 より:

    以前NHKの番組で見たのですが、中国とアフリカの農村で住民にインタビューしてたのを覚えています。
    中国の貧しそうなお婆さんが、安い石炭で調理してるところに「その石炭が地球温暖化の要因ですよ。」
    アフリカで干ばつで畑がなくなった農民に「この干ばつの原因は先進国による過度な二酸化炭素の排出です。」
    最近のNHKは放射能について非常に甘い認識です。世界に日本の報道の恥を垂れ流しているように見えます。
    家は受信料払ってるのですが、国民はどころか世界の為にならない放送局だと思います。受信料返して欲しいぐらいです。

  3. アミーゴ5号 より:

    「地球温暖化」の言葉の裏には、「人間様のお通りだい!」的な印象を常に受けていました。
    でも地球の岩盤が、何百年に一度の身震いをしただけで、こんなにも恐ろしい事になってしまう。
    それを自覚した上で、地球に対して謙虚に生きることが必要だと思っています。
    できる限り原発を止め、化石燃料は化石のまま残し、自然のサイクルの中でエネルギーを調達していく。
    従来の水風発電に加えて、太陽光発電や藻油等でエネルギーが調達できれば、日本は世界中が羨む国になれます。
    里山と共に生きてきた日本人、今ならまだ高齢世代にノウハウがあるから、ギリギリ間に合うと思います。
    だから石油価格の高騰は、自然エネルギーのコストを考えるとウエルカムなんです。正直ガソリン代がきついけど。

  4. kenken11 より:

    NASA のデータを見るとあまり温暖化と見えないのですがエネルギー消費大国のアメリカのデータなので故意にわかりにくくしているのかもと疑ってしまいます。
    最近は、放射性物質の拡散予測をわかり安く提供していないと批判される気象庁ですが以下に北極、南極の海氷の面積が公開されています。
    http://www.data.kishou.go.jp/shindan/a_1/series_global/series_global.html
    データとしては直感的に把握しやすいですが北極はかなりの勢いで減っています南極は逆に若干増えていますが全体としては温暖化と思います(正確な全熱量がわからないので感想ですが)

  5. たいすけ より:

    師匠の指摘通り!コストを度外視した環境技術も存在価値無し!これを原発にあてはめると、今回の一発の事故で地域独占企業たる東電様が単独で損害賠償したら債務超過は確実という事実。この事実は原発は消え去るべき技術だとコスト面からも明白なのでは?原発推進派は勝ち組から負け組に転がりおちたのを自覚して、サッサと表舞台から去るべきでは?去ったところで数十年は敗戦処理はかかりますが…

  6. ごあ副大統領 より:

    温暖化の嘘については中部大学の武田教授の話が面白いです。
    温暖化商法によってボロ儲けしている人もあれば、損している人の話し、ダイオキシンや環境ホルモンの嘘などYouTubeでも分かり易く解説しています。

  7. JoeCool より:

    温暖化かそうでないか?これは国際気象学会でも論争中で結論は出ていない問題です。地球規模で気象変化の緩慢だった時期が過ぎただけとする研究発表あり、温暖化の逆に小氷河期に入ったとする研究者あり、太陽の黒点から太陽活動の停滞期であることは確実で、太陽から地上に到達する熱エネルギーは確実にここ数年は減少傾向とのこと。
    またCO2にしても、恐竜が生きていた当初に比べ、まだまだ少ない。どこに基準を取るか?によって温暖化とかCO2の量の問題は違ってきてしまう。
    ただ、確実なことは化石燃料や原子力による過去に蓄積したエネルギーなり質量エネルギーを熱として放出していること=熱収支はココ数百年ではバランスを失った状態であることは、確か。そのため、気象変動が激しくなっているのも事実。気象エネルギーが強くなり、温暖化だけではなく、暴雨風雨やハリケーン、ゲリラ豪雨など。
    巨大ハリケーンやゲリラ豪雨は明らかにここ数年頻発するようになった事例です。
    こちらが問題と考えており、そのため原発もクリーンなんてものではなく、熱収支を乱している環境破壊の悪玉です。温暖化が言われるようになる前から、熱収支の異常を主張してきましたが、中々ご理解しただけませんでした。
    この概念は、欧米でも問題意識があり対策が共通に求められています。蛇足でした。

  8. あーさん より:

    kenken11さんの言う通り海氷域面積は減少しています。
    特に北極域の海氷域面積の減少が著しいです。
    海氷が解けているのに温暖化していない。
    融解潜熱で海氷が解けていると言うのが自然でしょう。
    つまり、海氷が無くなるまで海水の温度は0度ですので気温の上昇はありませんが
    海氷が無くなると海水温度の上昇と共に気温の上昇が始まると思います。
    他の要因もあるので本当に温暖化するのか難しいです。
    今回の原発停止による電力不足と原油高の問題も、日本が「ECO」な社会になる転機になるのではないでしょうか。
    災い転じて福となすと信じています。

  9. もん より:

    地球温暖化の話は原発の安全性の話と似ています。
    枝葉末節のデータを議論しては「温暖化していない」とか「5mを超える津波は来ない」とか言う事です。
    温暖化の基準で注目すべき点は1点しかないと思います。南極の氷がどうなっているか、です。
    溶け出しているのはほぼ間違いなく、全部溶けると海面が50m近く上昇するとか。
    そして、どうも地球全体の温度サイクルとは合っていない・・・それならば何か人為的な原因があるのが妥当でしょう。
    地球温暖化が間違っているかどうかなんて、10mの津波がやってくるかどうかと同じで確定的な事はなかなか判りません。
    なかなか判らない事を「ない」と知らんふりするのか「あるかも」と用心するのかで結果が異なります。
    「ない」と知らんふりしたのが今回の原発事故のていたらく。
    まぁ、いずれにしろ長い地球の歴史の中で時間をかけて二酸化炭素は炭素化合物に姿を変えて蓄積されてきたわけで、それをタッタの100年ぽっちで二酸化炭素に戻してしまうというのはかなり異常な事です。
    住み慣れた土地を離れるというような「変えない」ことにはやたらと拘る日本人が、過去何億年もかかって蓄積してきた「炭素化合物」をタッタ100年で燃してしまうような「激変」には全く無頓着というのは態度としておかしいです。
    なぜ、地球環境を変えてしまう事には無頓着で、ちょっとした環境変化で水没や破壊されてしまう脆弱な土地には執着するのか・・・
    私は「現状をなるべく変えない」為には自然エネルギー活用しかないと思っています。
    それがタッタ今の4倍程度の費用でできるならやるべきでしょう。
    住めなくなったら全財産失うのに・・・どうして目先の4倍をケチケチするんでしょうね・・・

  10. なちょ より:

    環境影響を考えると、メタンガスと硫黄化合物の排出が二酸化炭素よりも圧倒的に影響度が高いです。
    京都議定書にもその点は明記されてますね。
    エコビジネスとエコ原理主義を混同してはいけませんね。

  11. tonpochi より:

    ちょっと、話がそれて恐縮です。
    東電では、計画停電を避けるために各所の自家発電からの電力供給を受けたり、ガスタービン発電を増設したりで大手の15%節電でこの夏の輪番停電は避けられそうですが、被災地でも何でもない九州がガス欠を理由に計画停電になるかもしれません。
    原発が運転できなくても、石油を燃料とする火力発電は存在して運転している訳で、燃料切れを理由に計画停電に突入なんてナンセンスです。怠慢としか思えません。
    九州には大手の自動車工場他、食品、資材の工場が多々あります。ここが輪番停電なんかしたら、それこそ日本の産業、経済が沈んでしまいます。
    九州には新日鐵もあるし、三菱化成等の化学工場もあります。自家発の電気買い上げや、製鐵所の水素を利用した発電等で回避できないのでしょうか?
    九電と東電の温度差はなんなのでしょう?
    参考URL: http://www.asahi.com/business/update/0421/SEB201104210050.html

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