地球温暖化防止会議から脱会?

電力不足という強い向かい風の中、三菱自動車は電気自動車の軽1BOXカーの受注を開始した。ミニキャブに16kWhというi-MiEVと同じ容量の電池
を積んだモデルと、10、5kWhの近距離用電池を搭載する2つのモデルを設定。それぞれの航続距離は甘めのJC-08モードで150kmと100kmと
のこと。

i-MiEVの実績から考えると前者が80km。後者は60kmといったあたりか? 限られた地域で使うことを考えれば十分な航
続距離だと考えます。気になる価格だけれど、補助金を前提として205万円/170万円を予定しているそうな。これはもう軽自動車の概念が変わるほど超戦
略的な価格設定です。

というのも軽1BOXカーの走行距離1万kmあたりのガソリン代は、下を見て(リッター10km。実際はチョイ乗り
が多くもっと悪い)15万円。電気代は最も高い昼間電力で4万円だから、走行1万km毎に差額11万円。10万km走ると差額110万円となり、ガソリン
の軽1BOXカーより安価になってしまう。

いや、上の試算はガソリン1リッターを150円としたもの。今や島嶼地域だとリッター180円
だって珍しくない。そうなると走行1万km毎に14万円のエネルギーコスト差が出てしまう。170万円のタイプなら、走行5万kmで収支トントン。こうな
ると軽1BOXタイプじゃなくて軽トラックタイプの電気自動車も欲しくなる。

それにしても三菱自動車の電池の高さに驚く。車両価格/補助
金の額を元にすれば、5,5kWhの電池容量差で70万円! 1kWhあたり12万7千円! LGケムの電池など今や1kWh=4万円。日産NECだって
直近なら6万円前後だと想像される。なのに12万7千円! いかんともしがたいくらい高価だ。

逆に考えれば、三菱自動車の電気自動車に搭
載される電池をLGケムにすれば補助金無しで205万円/170万円も楽々可能だということ。電気自動車のポテンシャルは高いと思う。ただ現実を考えると
極めて厳しい。間違いなく電気自動車に対する補助金など、今後しばらく期待できませんから。

興味深いことに日本がアメリカのように地球温
暖化会議から脱会すれば3兆円浮くという試算もある。いや、脱原発によって二酸化炭素の排出量が急増するため、地球温暖化会議のメンバーとして留まれば5
兆円以上の出費を強いられるだろう。かといって地球温暖化を無視するワケにもいくまい。

「国際的に理解を得られる解」は、5年程度の経過
措置をとってもらうことか。この間に抜本的なエルギー政策を行うしかあるまい。その間、津波による塩害で使えなくなった田圃をソーラー発電所としたり、藻
から作る燃料の培養プールにするなど抜本的な解決策を練る。当然電気自動車だって必要です。 

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9 Responses to “地球温暖化防止会議から脱会?”

  1. もん より:

    ソーラー発電所はいいですね。海のそばならついでに風力もいけそうです。全国から義捐金をかねた出資を募って、観光地化できたらいいですね。
    将来は配当で一泊できる感じで。
    出資10万円で、2万円が将来配当で戻るイメージ。8万円は義捐金です。
    ソーラー発電はまだしばらくはペイしないだろうから、何かにかこつけた投資(放資)が必要です。
    誰かまとめてくれたら出資しますよ。
    多分、農地がどうのこうのとか、地権者がまとまらないとかで揉めるんでしょうけど・・・
    こういう話がまとまるかどうかが日本の未来を決めるのかもしれません・・・

  2. 下澤 淳 より:

    三菱が電池を調達する会社には天下りが居て、政府に働きかけて補助金を出しているとか・・・そんな風に考えたくないですが、余りにも価格競争力がないですね。
    というのも昔、薬害エイズだか肝炎だったか忘れましたが、国民の命より、天下りの製薬会社の利益を大事にしてたことがあったと記憶してます。
    私は日本経済を駄目にしてるのは、官僚と天下りじゃないかと思っています。こういう連中が高級取りで権限があると日本が駄目になってしまいます。
    すみません。本当は車の話をしたいのですが、東電や原子力保安院が余りにも想像通りの官僚って感じだったので、(実際は想像以上に悪い)
    使える原発を使いながら、次のエネルギー政策を考えて、経済的に可能であれば移行出来れば理想的です。ただ技術のあるはずの日本が一国ではどうにも出来ない原発事故にはやはり驚きを隠せません。

  3. あお より:

    原発も数千億円程度(?)のコストをかけず安全性を犠牲にしていたため、結局こんなことになり損害賠償などだけでも数兆円以上の被害を出しました。(日本の将来の経済の落ち込みまで含めれば数十兆円以上? (津波や地震による被害は除いて、放射能や電力不足による損害だけでも))
    地球温暖化も、対策をするためのコストより、対策をしないことによって生じる被害額の方が大きくなると聞きます。
    このようなことになったので、1~2年の短期的には温室効果ガスの排出量の増加は仕方ないにしても、この問題を軽視すればそれ以上の損害が出ると思います。
    塩害なら 1~2年で使えるようになる気もしますが、もし土壌に放射能が残るようならそれこそソーラー発電所か、バイオ燃料用の農場にするしかないかもしれません。
    (人が住むのにも放射線が高いようならバイオ燃料用の農場も難しいかも。)
    (ソーラー発電所ならほとんど無人で良いからOK。逆に、今回くらいの大規模な津波は別にしても、津波が多い場所では津波でソーラーパネルも流されてしまうのであまり適さない。?)
    ソーラー発電は、火力発電や原子力発電のコスト(発電量あたり)と比べたり場所代などを含めると割高ですが、家や工場の屋根などに付ければ、発電時のコストではなく電力会社からの購入代金と比べれば良いので、あまり割高でもないと思います。(工場などの電気料金は割安なので、比べれば多少割高???)
    ( また、電力消費の多い昼間に発電量が多いので、東日本の電力不足解消にも役立つ。)
    「泣きっ面に蜂」とは逆のようなことわざもあったと思いますが、このように状況が悪くなったときに技術なども進むともいいます。このエネルギー不足をきっかけに日本も再生可能エネルギーに進んでいければ良いかと思います。

  4. かず より:

    日本経団連が、東日本大震災の復旧支援に前向きな企業と、被災地の橋渡し役として動いている。「企業は支援の準備ができているが、政府に司令塔が欠けていて物資が届けられない」(米倉弘昌会長)状態が続いたからだ。
    朝日新聞から抜粋しましたが、まさしくその通りだと思います。
    司令塔に司令官が不在なんでしょう。
    今温暖化対策にしても他の懸案に関しても、保留するなり現状維持を表明してちょっと落ち着くまで、官僚に任せておきましょう。
    言葉が一人歩きしないようにするのも、政治のお仕事ですよ。
    あと、頭に浮かんだ事を勝手に喋らないのも大事です。
    後で責任取れるなら良いですが…。
    現場を混乱させないように。
    司令官様。

  5. tonpochi より:

    足りなくなった、電力を補うことを主体に考えると、今回失った発電所と同程度の
    発電所を建設するしか方法がありません。
    しかし、同程度を節約してしまえば発電所の建設を増やす必要がなくなり、Co2も
    削減でき一石二鳥となります。
    そんなことできるのか?と言われると今直ぐにはできません。ですから、片方で発
    電所の建設を進め、片方で省エネを進めて行くのです。具体的には、オフィスや家
    庭の照明をLEDに置き換えて、窓を二重窓にする。年式の古いエアコンを省エネの
    ものへ買い替えさせる。これらによって、どの程度電力使用量を削減できるかを
    早急に算出し、一刻も早く進めることが重要です。
    これらは、確実に省エネに繋がりますが、家電エコポイント制も終了したことから
    ブレーキが掛かっています。そこで、単純に期限を延期するだけでなく、これらを
    徹底的に進めて行くために、例えば、蛍光灯の生産を3年後を目途に止めさせてし
    まう。10年以上使用しているエアコンは、修理を禁止する。その代わりにLEDや
    省エネエアコンへの買い替えを促進するために企業へは無利子融資をする。家庭
    にはエコポイントを倍にする等を実施する。
    あと、発電所についてですが何とか言う政党が、ソーラーとか風力をと言っていま
    すが、これらのエネルギーは安定供給ができないのでメインにはなりません。資源
    エネルギー庁の資料でも国全体の発電量の1%未満でしかありません。ソーラーは
    夜間発電不能、風力は風が弱いと回らず、強いと破損を防ぐために電気を消費して
    ブレーキを掛けます。また、ローターが回る時に出す低周波数の雑音が人体に悪影
    響を齎すことが報告されています。これらを商用ベースにするにはバックアップの
    発電所が必要になります。
    では、これらを進めなくてよいか?それは違います。一年の半分以上は日光が照り
    ます。また、風も吹きます。これを使用しないという手段はありません。太陽光に
    ついては、家庭やオフィスの屋根を利用して増やして行き、風力について、環境等
    を十分に調査の上、設置場所を限定して増やす必要があります。
    参考URL:http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2010energyhtml/2-1-4.html

  6. あお より:

    > 資源エネルギー庁の資料でも国全体の発電量の1%未満でしかありません。
    これは、特に先進国の中では日本だけかと思います。ヨーロッパでは 10%以上の国も多いと思いますし、中国でももっと高かったと思います。
    ただ、風力の騒音はしっかりと対策が必要かと思います。場合によってはダムのように、風力発電機を作る場所を決めて集中して設置し、騒音が及ぶ範囲の住民に移動してもらうようなことまで必要かもしれません。( ダムを作る場所の村がなくなるように。) (新エネルギーへの移行も合わせて、そこまで腰を据えて行わないといけないと思います。)

  7. 居候 より:

    中部大学の武田教授の話しでは地球温暖化は長い地球のサイクルによるもので、環境破壊によるものとは言えないとしています。
    実はアメリカはそれを知っているから環境保護ビジネスをやる業者は儲けるけど、アメリカは京都議定書もやらなかったらしいです。
    京都議定書を一生懸命やる日本も環境保護ビジネスをやる業者だけが儲けて、その環境保護ビジネスの業態に公務員が天下りするシステムを確立したに過ぎないと言うのが実態です!
    分別収集にお金や家電処分に莫大なお金を負担させて、甘い汁を吸うのは公務員と、京都議定書に批准しないので負担をしなくてよいアメリカや韓国、新興工業国、共産圏などの国々です。
    日本も原発見直しを機会に環境保護に名を借りたムダな環境ビジネスへの負担を見直すべき時期です。

  8. ゴン より:

    そもそもCO2って本当に温室効果による悪い影響があるのでしょうか?IPCC(気候変動に関する政府間パネル)による気温データねつ造事件を見るまでもなく、環境問題と称するものは既に利権と化している事を認識しなければいけません。電力会社は原発がコスト安いと喧伝していますが、これも政官学業の利権でしかない。現在のフクシマの現実を見てみれば、これがいかに欺瞞に満ちたものだったか暴かれています。何百年分の埋蔵量がある天然ガスを用いた高効率なガスコンバインドサイクル発電にシフトするのが最善と思いますが。

  9. あお より:

    大学教授や研究者と言っても千差万別です。福島原発の地震や津波の想定に多くの大学教授などが関わっていたと思いますが、現に大きく超えました。医学などはあまりないかもしれませんが、原発や温暖化、健康食品とか美容などは、企業の利権も絡み、大学など(特に私立大学)も企業や業界からお金をもらっていることもあります。( 日本人は「空気を読む」をしてしまいますし。また、企業に良くない研究をすると補助を取りやめとか。(そういえばいつだかトヨタの奥田氏が、何かトヨタに良くないことを報道されたときに「テレビの CM 全部止めてやるぞ。」のようなことを言ったとか。) ) 国立とか一流と呼ばれる大学では、あまり変な論文を出していては教授になれないのである程度信頼性もあると思いますが、中京大学は私立ですしそれほど一流大学ということでもないと思います。もちろんそういった大学でもすばらしい研究をしている人もいると思いますが、少なくても大学教授や研究者の論文や言っていることを単純に信じるべきではないと思います。最終的には、人や論文を、自分で判断するしかないのでしょうが。(医学も、薬とか(手術器具?)があるから同じかもしれません。薬剤師の知人がいましたが、薬の会社の接待とかパーティーが毎日どこかであって、行けばタダで食事できると言ってました。)
    あとは、よく知りませんが "Nature(ネイチャー)(?)" とか有名な論文などを掲載している雑誌(?)ではしっかりと審査をしているはずなので、それに掲載された論文であればある程度信用できるように思います。(そういったところでも、ある程度は利権などが作用しているかもしれませんが。)
    もちろん温暖化や気候変動の問題は、それらの対策を行いたくない企業や団体だけでなく、温暖化の対策で利益を得ようとする企業や国もあって、そちらの方向の利権もあったり、また IPCC の一部の論文でねつ造のようなこと(多分、温暖化しているように見える一部分だけを抜粋してグラフにしたこと? – 残念ながらこのようなことはそこら中でありますが。企業のCMなどでも。なので自分でしっかり注意しながら見なければならない。)があったことは知っていますし、温暖化や気候変動の仕組みは非常に難しく、完全に正確なシミュレーションが出来ているわけでもないので、IPCC の言っていることが完全に正しいとは思いませんが、少なくても、
    1. CO2 に温室効果があること。
    2. 地球全体の大気中の CO2 などの温室効果ガスが、200年位前から大幅に増えていること。
    3. 地球の平均気温がだんだん上昇し、また気候も変わってきていること。また、平均気温の上昇が概ね CO2 などの温室効果ガス濃度の上昇と一致していること。
    は、間違いないでしょうし、その他の研究などからも、CO2 などが温暖化や気候変動に強く完成している可能性はかなり高いと思います。
    また、IPCC などが言っているような被害が出てきたとき、被害額や対策費はかなりの金額になると思います。(原発の事故のように一度に大きな金額になるわけではなく、ときどきの台風や洪水や食物生産、病気などでだんだん対策費や被害が増えていくという感じで。現時点で対処するよりずっと大きな額。)
    地球上の大気なんて、地球の表面にほんの薄くあるだけです。地表や海面がほんの少し温まったりするだけで気流や海流も変わり、台風とかも起きます。気流や海流が変われば気温も大きく変わります。温室効果のある CO2 などが増えれば、気候が大きく変わったり台風などがどれだけ増えても不思議ではありません。
    ビル建設など高所で作業する人は、面倒だったり動きづらくなったりするでしょうし、必ず足を滑らせるわけではないでしょうが、安全帯などを付けると思います。気候変動は偶発的な事象ではないので少し違いますが、危険であれば回避や対処すべきと思います。もちろん原発も。
    > 何百年分の埋蔵量がある天然ガス
    「何百年分」かどうかは知りませんが、そうだとしても今後エネルギー使用が増えていったり、石油などが枯渇することを考えれば、ずっと早くなくなると思います。(それを考慮して「何百年分」???)
    ( なお、「テレビの CM 全部止めてやるぞ。」のようなことをいう奥田氏や以前のトヨタは嫌いでしたが、最近、豊田章男氏かリコール騒ぎの後は、トヨタも良くなったように思います。(私の視点では))
    そういえば、トヨタのリコール騒ぎや豊田章男社長と、今回の日本の原発事故や管首相は似ているように思います。
    リコール騒ぎ, 原発事故:
    – 元々、欠陥(車の欠陥やリコールの増加、想定が低い原発)があり、商売や経済最優先で危険性を無視していたが、大事故が起きた。
    豊田章男社長, 管首相:
    – 頼りない感じがする。
    – 以前(5年以上前,前政権以前)の時代から欠陥があったが、社長や首相が変わった後で事故が起きて、対処をする。
    – 真面目。ある程度理系的。(豊田章男氏も車のレースドライバをしていたくらいなので、車好き。) (以前の、短期的な商売や経済、一辺倒ではない。)
    – 辞めさせようとしている人たちが内外にいる。(トヨタ経営陣の中や民主党内。(トヨタの奥田氏も豊田章男氏を辞めさせようとしていると聞きました。) 儲け最優先の株主や会社経営者。長期的な大きな問題(少子化や日本の巨額の借金,また地球温暖化)を良くしようとすることに対して、自分たちの短期的な利益ばかりを考え、自分と関係ない人に補助金(子供手当て)が出たり、自分と関係あった補助金(リーマンショックなどによる一時的な経済の大幅な落ち込みを減らすための高速道路料金割引(元々、時限立法なのに))がなくなると怒る国民など。)
    トヨタも世界に自慢できる会社になって欲しいですし、日本も巨額で増え続ける借金や少子化を解消して持続可能な国になって欲しいと思います。
    (あと、ワーキングプアとかサービス残業も解消して、もう少し働きやすい国になって欲しいと思います。)

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