日本車粘れ!

ジュネーヴショーで「日本車の優位点は何だろう?」と改めて考えさせられた。例えばハイブリッド。トヨタはオーリスのハイブリッドを発表するなど、幅広い車種に展開させようとしているようだ。この15年間、バックマーカーも存在しておらず。トヨタとしては磨き込んできた技術でディーゼルにも勝てると考えているそうな。

今回、以前から乗りたかったVWジェッタのハイブリッドに試乗出来た。アメリカだけかと思ったら、欧州でも販売したのだという。ジェッタのハイブリッド、燃費はプリウスに届かないが、走りの楽しさや質感で高い評価を得ている。ハイブリッドのシステムはワンモーター+7速ツインクラッチ。次期型フィットHVと同じだ。

乗るとアメリカでの評価の通りですね、と思った。意外だったのは、エンジン停止の巡航状態から全開にした時のタイムラグ。BMWなど「どうしようもありまへん」というくらい時間掛かる。次期型フィットHVのプロトタイプもタイムラグあった。止まっているエンジン掛けてから加速に入る1モーター式の弱点と言って良い。

されどジェッタHVは納得できるタイムラグを実現している。15年間の優位性をあげるなら、実用燃費の良さと量産による生産コストの低さくらいだと感じた。いや、実用燃費は1〜2年のウチに、少なくともオーリスのハイブリッドについちゃ肉薄されるだろう。ハイブリッドシステムの弱点を車体側でカバー出来るからだ。

今回試乗したジェッタHVはゴルフ6がベースになっている。次期型ジェッタになれば、当然の如く100kg近い軽量化を実現しているゴルフ7ベースになろう。エンジンだって高い効率を狙ってくるに違いない。1,2リッターの過給エンジンを使う、という手もありそう。ハイブリッドだって安閑としていられず。

ホンダはディーゼルを間に合わせてきた。CR-Vに搭載してきた1,6リッター4気筒の120馬力エンジンは、シビック級からアコード級にまで搭載できる。大きな強みになるハズ。けれど車体が厳しい。次期型フィットで風穴を開けられれば面白くなる。シビックもアメリカ仕様ベースを持ってくるべきでしょう。

ジュネーヴショーでゴーンさんは日産車をルノーの工場で生産することを検討しているというコメントを発した。ルノーだけでなくフランス勢はPSAを含め瀕死の状態だ。いや、ドイツ勢だってオペルやフォードは厳しい。欧州内でしかクルマを売ってないメーカーがダメなのだった。国際競争力のあるメーカーを見ると元気。

日本勢も欧州で頑張る意味はないのかもしれません。ただここで妥協しちゃったら、さらに失われた年月を重ねるだけ。欧州市場だってやがて回復する。欧州市場で磨き込める技術だってあると思う。ファイナンス的には「撤退」や「縮小」が大きな選択肢になるだろう欧州市場ながら、収益と同じくらい「夢」や「プライド」は重要。

日本の自動車メーカーの上層部も、もっとを「夢」や「将来」を語り、アピールすべきだと考えます。


4 Responses to “日本車粘れ!”

  1. オロネロ より:

    やっぱり、成熟した車文化の中心は欧州だと思うのです。
    F1だけでなく、WRCなど、モータースポーツも盛んですし。
    そこで売れる車を造れるなら、たいていのところで売れると考えます。
    もちろん今だって、途上国では日本車がある程度は売れていることでしょう。
    そういう意味では、ほとんど売れていない欧州市場は無視しても良いのかも知れません。
    しかし、その国の発展につれていつまでも売れ続けるものでしょうか?
    現に中国車や韓国車が入り込み始めているようです。
    どうしたって、(韓国車はともかく?中国等の途上国車には)価格だけ見たら勝負になりません。
    また、燃費が良いに越したことはありませんが、
    燃費が1〜2キロ/L程度の差で目の色変えて開発するのではなく、
    もっと消費者にアピールできる魅力も磨いて欲しいと切に願います。
    車に興味の無い人は、アルト・エコのような価格帯の車でさえ「高い」と感じるのですから。
    私がポロ・・欧州車を買ったのは、日本車にはない魅力を感じたからです。
    価格・・コストパフォーマンスも大事かも知れませんが、
    「高くてもいいから欲しい」と思わせる車を造ることが、車文化の創造であり、
    メーカーの存在意義なのではないでしょうか?

  2. 白木 晴幸 より:

    欧州市場は現状「縮小は致し方無し」でも「撤退は絶対にアカン」です。市場スケールだけでは語れない将来的な魅力があるからです。トヨタは15年かけて『THSⅡ』を磨いてきましたが、欧州勢もその間黙って見ていたわけではありません。ダウンサイジングターボやディーゼル、そしてトヨタとは違ったカタチのハイブリッド車も開発してきました。あとは燃料電池車をどちらが先に開発するかでしょうか?(一応、ホンダがFCXクラリティを一部先行発売はしていますが…)。
    ハイブリッド車だけを見ても「燃費」のトヨタ、「乗り味」の欧州車に特徴がわかれそうです。クルマは燃費だけでは語れない趣味性がとても大事だと思います。乗り味やインテリアは基本ですね。ここからプラスアルファの魅力をどう出してゆくかですが、その方面で欧州にはまだまだ学ぶべき部分があると思います。

  3. 田所紘一 より:

    いつも興味深く拝見させていただいております。
    先生にお伺いしたいことがありコメントさせていただきました。
    国沢先生をはじめとした自動車ジャーナリストの先生方の評論においてよく使用される表現に
    「乗り心地が良い」「走りの質感が良い」「走りが楽しい」「ハンドリングが良い」
    というものがあるかと思います。
    このような表現に接する度、何と無くイメージがつかめる気もするのですが、一方で具体的にあるいは正確に
    執筆者のイメージや表現したいことを受け取れているのかに自信を持てないというのが正直なところです。
    そこで先生にお願いなのですが、一度どこかで「良い乗り心地の基準/定義」「走りの質感の基準/定義」
    「楽しい走りの基準/定義」「良いハンドリングの基準/定義」を示していただくことはできないでしょうか?
    例えば私の貧弱な経験からは「良いハンドリングとは、操作に対する反応速度が速いこと、同じ条件下での操作量に対する
    反応量が常に一定であること、操作量の変化と反応量の変化に比例関係であること」かと解釈しているのですが、
    果たしてそういう理解で良いのかが分からずにおります。
    たくさんの車に乗れば私のようなものにも感覚で掴めるのかもしれませんが、残念ながら一般の世界に身をおく
    私としましては、世界各国の様々な車に乗るという機会に恵まれることはなく、決して多くはない予算の中で、
    先生方の評論と、自身で行う試乗を参考に一台の車を選択して購入するというのが現実です。
    定性的な表現を定量的表現として解説していただけるのは理系の自動車ジャーナリストとお見受けする先生以外ないと思った次第です。
    よろしくお願いいたします。

  4. 坪江 より:

    はじめまして、ブログ楽しく読ませて頂きました。
    ただの移動手段じゃなく、夢のある車いいですね。

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