日産の現状と課題

日産360で様々な国で販売されているクルマに試乗し、直近の展望をレクチャーされて感じたことは以下の通り。まず最大の
課題として挙げるべきがパワーユニット戦略の遅れかと。もちろん、それぞれ必要な手を打っている。欧州でディーゼルを販売し、アメリカじゃハイブリッドの
ラインナップを拡充してます。

されどいかんせん古い。ディーゼルの場合、走りこそ良いけれど、先進性が大きなブランドイメージとなるイニ
フィニティですら排気ガス対応は『ユーロ5』(ベンツやBMWなどは軒並みユーロ6)。FR用とFF用の二つのワンモーターハイブリッドも、今や一世代古
くなった「燃費よりパワー」を追求しているタイプ。

デザインも大きな課題だと思う。日産360も認識しているのかプレゼンでもデザインに
ついて時間を取っていた。課題は「車種によるバラ付き」。例えば商用車。ニューヨークタクシーに採用されたNV200と、NV350キャラバンを見ると、
多くの人がNV200を積極的に誉めず、NV350についちゃ「いいね!」するハズ。

リーフとノートのデザインも好対照だ。日本でスカイ
ラインやフーガのデザインが不評なのはイニフィニティをそのまんま持ってきているためであり、日産部門のアルティマやパスファインダーなどについちゃ世界
規模で受け入れられると思う。日産の中で三つくらいの流れがあり、それぞれ大きく評価が割れるのだった。

とはいえ視点を変えれば「ニーズ
を全てキャッチアップ出来ている」ということにもなる。レクサスは良いV6のディーゼルエンジンを欧州市場でラインナップ出来ておらず、しかもISなどハ
イブリッドしか売らない。アメリカで販売しているV6とV8は、新しさこそ無いがトルクフルで快適! 燃費だって良好だ。

また、商用車の
バラエティが多く(トヨタより圧倒的に多い。ホンダは勝負にならない)、様々なニーズに答えられている。現状で「日産の強さは何か?」と聞かれたら、瞬時
に「商用車部門ですね!」と答えます。おそらく自動車メーカーで最も強い競争力を持っているんじゃなかろうか。今後もチカラを入れていくそうな。


気自動車で先行しているのは大きなアドバンテージになっている。NV200の電気自動車版を皮切りに、商用車にもラインナップしていくという。あまり認識
されていないが、アメリカじゃリーフが「作るだけ売れる」状況になっている。発電機搭載型も開発中か? 日産にとって大きな武器に育つことだろう。

できれば日産360でホンダのジャーナリストミーティングのような「直近に出てくる技術」を見せて欲しかった。そしたらイメージもずいぶん変わってくるだろう。

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