日産車を韓国で生産

快進撃を続ける韓国勢ながら、全てのメーカーが好調と言うワケでもない。もっと正確に言えば、現代自動車と傘下の起亜自動
車だけ。大宇というメーカーは立ち行かなくなってGMに買収され『韓国GM』になり、サムスンもルノーに買収され『ルノーサムスン』というメーカーになった。当然のことながら日産も関係してます。

さてさて。好調な日産に対し欧州地盤でしか販売されていないルノーは(大昔にアメリカから撤退した)、欧州経済の混乱で絶不調になってしまった。かといってルノーが作るクルマときたら、デザインも商品力も徹底的に普遍性無い。韓国だって売れておらず。今まで何とか欧州に輸出してやりくりしてきた。

ここにきて工場稼働率もガックリ落ち、いかんともしがたい状態に。こうなると70%の資本を持っているルノーだって足を引っ張られてしまいます。日産とルノーの総合社長であるゴーンさんが「何とかしろ」という命令を下したことは想像に難くない。どうやら売れ行き好調な日産車を韓国で生産する方向になるようだ。

その気になれば簡単です。韓国工場で作っている『ルノー・コ
レオス』は欧州で大人気を博している日産デュアリスの兄弟車。いくつかの部品を変えるだけで対応できてしまう。少し工夫するとアメリカで人気の『ローグ』
も作れるだろう。なかでもローグは九州工場で生産しており、円高で厳しい状況にあります。

韓国で生産し、アメリカに輸出すれば日本で作るより有利。このままだと日産のミドルクラスSUVは全て韓国で生産することになるかもしれない。またしても日本から製造業が出て行く。こう書くと「その割
に人は余っていないように感じる」と思う人は多いだろう。その通りで、現在の日本を見ると求人って多い。

右上にリンクしている『山王テック』も未だ求人中。仕事が決まらないのは若者が「好きな仕事」を求めているからであり(若い自動車好きが減っているため自動車関連は人気薄い)、しかも若い人間の数は減少中。全体としちゃ依然として求職ニーズ多い。だから製造業が海外に出て行っても実感無いワケ。

しかもこの2〜3年、団塊の世代の先輩方が大量に勇退された。つまり『100』という仕事があり、毎年『5』ずつ減少していたとする。本来なら『5』の失業出るのだけれど勇退も『10』あるので、むしろ『5』足りなくなる。一方、えり好みが激しい新卒は『3』くらいしか補充されない。よって全体を見ると「足りない」のであります。

でも団塊の世代の大量引退は2013年でオシマイ。えり好みの激しい新卒も未就職者が溜まっていく。製造業の海外脱出はボディブローのように効いてくると思う。

・ECOカーアジアは「なぜ過給エンジンの方が燃費良い?

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3 Responses to “日産車を韓国で生産”

  1. さね より:

    うーんかなり深刻と思うんですが、政府も国会も政局と消費税のことでのんきだし、日銀は無能だしどーなることやら。政治家は選挙権で選ぶことできますが、経産省、財務省の役人や日銀や、ついでに東電で働く輩は選べないからなぁ…。なるべく専門的知識が豊富で人間性、人格が素晴らしく、かつテストの点ではなく、頭のいい人回転の早い人に投票するしかないですね。少々女好きだろうとかはかまいません。 憲法改正を本気で考えてる人、北方領土に代表されるように国土を守れる策を講じれる人など、選挙権の行使につきますね。外野がわめいたところで企業は生き残れる道をいくわけだし。いよいよデフレ20年、ユーロ経済破綻、円高、前に少したてば円安になるとゆってた人いましたが…一寸先は闇だな。まさに。 人口自然減だし、歴史の人口統計学を見ると国として末期的症状の一例らしいし、いよいよ国民に民主主義なので、国民の代表を選びそこねてきたツケがくるのかなぁ… 日産の新しいエンジンですが、燃費いいといいですね。マツダなら1500ccでスカイアクティブGとスカイATで同じ以上の燃費狙うんでしょうねえ。しかしVWのエンジンと変速機は改めて凄いですねと思う今日この頃です。後日本車CVTに邁進してて大丈夫か?

  2. 小林 英弘 より:

    求職側と求人側の「雇用のミスマッチ」って、私が就職活動をしていた頃から問題視され始めた記憶があります。で今は団塊世代の方々が定年を迎える時期真っ盛り。今後数年間は民間企業も地方自治体も人材面での総合力が一時的に低下するでしょう。良質な新人獲得&早期即戦力化がカギですね。平成生まれのフレッシュマンに期待!です。
    PS:国沢さんの論旨とは異なりますが、今の若いシについて論じた『「上から目線」の構造』(榎本博明著、日本経済新聞出版社)という新書版の本を購入して読みました。つい先日、仕事で取引先の書店に行った際に見つけてその場で買った本ですが、「なるほど!」な論考が満載の良識のある本です。オススメです!

  3. 白木 晴幸 より:

    団塊世代の先輩方の勇退も2013年がピーク。
    今どきのフレッシュマンは皆大学卒で就職もホワイトカラーを好む。或いは就職浪人の人もホワイトカラーに集中する傾向にあります。
    なぜブルーカラーは敬遠されるのでしょう?やはり給料?でも世の中カネだけじゃないと思うんですけどねェ。
    ホントは仕事の内容がどれだけ自分に向いているか?どれ程やりがいが有るか?が本質じゃないでしょうか?

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