自動ブレーキで使う股抜きレーダーって何?

昨日の日記で「股抜きレーダー」と紹介したところ「それは何か?」という質問をいくつか頂いた。今後、普通の技術になると思うので紹介しておきたい。まずミリ波レーダーだけれど、前方に向かって電波出すといろんな反射が返ってくる。大雑把に分ければ三つの要素を持つ。

一つは停止している物体。説明するまでもなく自車の速度と同じ速さで近づく。二つ目が先行車。そして自車の速度より速く近づく対向車である。「股抜き」は二つ目の応用だ。テスラに乗ったことのある人なら御存知の通り、先行車の前の車両や、先行車に遮られてる車両のシルエットも表示される。

具体的に説明すると、先行車のフロアの下を潜ったレーダー波がその前にクルマにあたり、戻ってくるのだった。隠れているナナメ前の車両も、先行車の床下から戻ってくる反射波で判別可能。この制御、最初に始めたのは日産である(2013年11月)。今や徐々に普及してきたと思う。

日産PFCWの詳細

テスラは2016年9月のアップグレードから股抜きレーダーを使い始めている。その他のメーカーについちゃ不明。ボルボの新世代自動ブレーキが股抜き検知しているだろうことも、昨日初めて知った次第。先行車の前の車両の急ブレーキを検知することは事故防止に有効だと思う。

テスラ(項目の2つ目です)

高速道路を100km/h以上で走っている時、先行車が急ブレーキを掛けたなら、追突する可能性出てくる。先々行車の急ブレーキまで感知していたなら、その時点で第一段階の「中程度ブレーキ制御」を入れられるため十分に減速出来ることだろう。この段階で自車の後続車も減速を開始出来る。

こういった制御、カメラだけでは無理。ボルボV90もモービルアイ車の単眼カメラ+ミリ波レーダーを使っているから可能なのだった。私は今までカメラだけでシステムを構築出来ると考えていたけれど、昨日みたいな体験をするとミリ波レーダーと組み合わせて使う有効性がよ~く解る。

 

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