認知症とクルマ

訳あって(人生の最終コーナーをご参照のこと)認知症の叔母と一緒に居る機会が増えた。これはたいへんなことかもしれない。今までは認知症の方からクルマを奪うのは簡単だと思っていたけれど、こら相当難しいかもしれない、と最近感じるようになってきた。

例えば私の叔母は完全に金銭感覚を失っているのにも関わらず、未だに自分が経営しているつもりになってます。「もうお金のことは考えなくてもいいから」と言ってもダメ。もちろん納得する時もあるんだけれど、すぐ忘れてしまうのだ。

そもそも認知症の判定のために病院へ行くこと自体、拒んでますから。「お父さん。もうクルマに乗るのはやめようね」と言って聞く素直な人ならいい。聞かない人はどうしたらいいだろう。いや、そもそも独居の人たちは、誰が判定するのだろうか? 

こう書くと「免許証の更新の時に判定をしているでしょ」と思うかもしれない。確かに普通の人なら通用するだろう。されど独居の人などは免許証の更新や車検の更新すら忘れてしまう可能性大。

叔母を見ていて解ったのだが、日常の生活に関しちゃ「多少物忘れが多くなってきたかな?」という程度ながら、もはや日時の観念がほとんど無くなってきている。曜日の観念だけでなく、病院に行く日すら忘れてしまう。

こういう状況になったなら、免許証の更新や車検の継続など完全に意識の外になるに違いない。唯一チェック出来る可能性があるとすればガソリンスタンド。燃料を入れなくちゃクルマもバイクも走れませんから。

新しい枠組みや法規を作らなければならないだろうが、少なくもICカードなど認識しないと燃料を入れられないようなシステムを早急に作るべきだと考えます。高齢化時代を迎え、高齢者を上手にクルマ離れさせられる手段を真剣に作り上げる時期になったと思う。

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6 Responses to “認知症とクルマ”

  1. 小林 英弘 より:

    これはこれから少子高齢化時代を迎えるにあたって必ずや抜本的な対応策を迫られる日がくるであろう問題だと思います。私も片側3斜線・中央分離帯ありの幹線道路沿いの商業施設から出てきたもみじマークを付けたクルマの仰天するような行動を目撃したコトがあります(香川県のヒトなら判るでしょう、高松の天神前交差点のドンキホーテです)。ドンキホーテから出てきたもみじマークのクルマが3車線の一番右側のレーンに出てきて逆向きに止まりました!追い越し車線に、まるで片側1車線の道路の様に反対方向(交差点側!)に向けてクルマを止めたのです!交差点の反対側で赤信号の先頭で信号待ちをしていた私は「うわー!どうなるんだアレ!」と思って見てましたら…案の定、交差する車線の信号に右折可の矢印が出て右折車両が結構なスピードで右折してくると(その幹線道路は上に高速道路が走っていて、コンクリートのでかいアシがあって、停止線で止まっている右折車両からその「反対方向向き停車両」は恐らく見えていなかったと思います)…案の定、コンクリートのアシの陰から突如現れた意味不明な逆向き停車状態の「そんなトコにいるはずのない」クルマに右折車両が驚いて急ブレーキ!&クラクションの嵐!右折車両が糞詰まり状態になって凄いコトになってました(幸いその交差点は右折レーンが2車線あったので何とかなりましたが)。正面衝突で死亡事故になっていてもおかしくない状況でした。…認知症のヒトはもちろん、そうでなくてももみじマークのクルマはホントに怖いです!もし認知症のドライバーのクルマによる逆走や信号無視やらが原因で事故ったり怪我したり最悪は死亡した場合、加害者側の認知症ドライバーには現行法上では過失責任を問えないでしょう!?そうなると加害者の認知症ドライバーは加害意識がない、被害者は加害者の認知症を理由に過失責任を問えない、という最悪の事態になるでしょう。確かにウチの香川県もそうですがクルマがないと不便極まりないです。田舎はどこもそうだと思います。しかしでもやっぱり「認知症と運転」については関係機関でとことん議論して欲しいです。何せクルマは「走る凶器」ですから!事の本質は「認知症のヒトが凶器持っていいの!?」ですから!これはこれからの日本のクルマ社会にとって避けられない重い課題だと思います。

  2. samine より:

    認知症になったら一律運転免許を取り消すべきだと思います。彼らがステアリングを握っている時点で既に危険です[E:crying]
    ただ、認知症に限らず、高速道路などを逆走する危険な車を運転しているのは知能が衰退して正常な認識や判断が出来なくなった人(主に高齢者)ですよね?そういう人達に「パニくらずに落ち着いて運転しろ」と言うのも無茶でしょう[E:bearing]
    免許更新の際に認知症や判断力・認識力等の審査を義務付けて頂きたいです。せめて60歳以上だけでも!
    正直、「老人に枯葉マークを強制するとは何事だ!」とキレた高齢自動車評論家の某氏のような台詞は現状の深刻さを理解していない独善的な発言と思えてなりません。一般的に高齢者はそれ以外の人からの格別な注意と配慮が必要なのですから[E:despair]

  3. 敬老管理 より:

    私は小売りに従事していますが、独身高齢者の万引きが激増しています。
    またこの手の老人は都合が悪くなると耳が聞こえないフリをしたり、都合に合わせて変わり身が早く、本当に呆けてるのかあきれるくらい厚かましいです。
    万引きは命に関わらないかもしれませんが、このような老人を巻き込んだ自動車事故の当事者にならないように、社会的なシステムを早急に対応させる時期に来ていると思います。

  4. ケイイチ より:

    失礼いたします。私も基本的にクルマの運転が上手くありません。しかしクルマ好き及び交通の便が悪い地方なので、いつでも運転が可能な様に年間通じて殆ど飲酒はいたしません。タバコの喫煙に関しては若い頃から経験すらありません(これは認知症やCOPDなど成人病予防にもなりますが)。日本で最初にスクランブル交差点が試行されたのは熊本県だと思いますが、いまや大きな街には・・どこでも見かける風景。歩行者の側から見れば混在する認知症患者?は危なっかしいくらいにしか見えませんが、運転操作となると確かに危険でしょう。但し、交通社会から異物扱いしても、社会全体と捉えれば問題解決にはなりません。人間の尊厳・・ましてや認知症になると意外なことが記憶に克明に残り、普段は些細なことでも思い違いで心は傷付きやすくもなる。周囲はケアに対する意識が食い違いやすいです。これから高齢に差し掛かる人々だけではなく、状態を緩和していき健康のためにも具体的な暮らしの改善が必要でしょう。身体機能を低下させない管理は必要です。クルマを長持ちさせるにも日々の管理で差がある訳ですから、少なくともクルマが好きな人間だからといって認知症にかからない保証はありませんから。加齢と共に人間は自己の肉体を過小に判断して不養生が増えやすい傾向があります。より安全で楽しいクルマ生活のためにも、健康管理と合わせてリハビリやトレーニングなど積極的に取り組むべきだと思います。今後はクルマ関連誌にも婦人雑誌なども特集やガイダンスを付けて啓蒙するべきだと思うのです。海外には昔からクルマ愛好家が永くドライブやレースを愉しむ姿を紹介していますが、そうした秘訣を伝えてくだされば嬉しいです。昼下がり・・・レッィーナを飲んで、涼しい木陰でシェスタ・・。 またポリフェノール豊かなワインは視力にいいかもしれません。まあ・・いつまでも、粋に愛車と暮らしたいものです。

  5. ポンポン より:

    完全に痴呆症の始まった者との生活は大変ですね。
    国の支援は、身体的不自由にしか補助されないようなものなので、
    ピンピンして挙動や記憶が可笑しいという段階では、身内が世話しなければなりません。
    さて、今朝の新聞には交通事故死亡者に於ける高齢者の割合の高さと、
    海外に比べ高齢者の交通事故死亡率が異様に高い事が出ていました。
    また免許更新での講習でも、
    高齢ドライバーによる高速道路逆走事故や、高齢歩行者の話が大半でした。
    高齢になると、それまでより小さな車に乗り換える人が増えるようですが、
    小さい車は衝突回避や障害物検知などのアシスト機能が殆んど付いていないので、
    車のサイズダウンが、そのまま安全アシスト機能のダウンに繋がりがちです。
    例外はカローラアクシオの一部グレード。
    小型なのにプリクラッシュ・セーフティー・システムを備えています。
    高齢者や初心者が乗るなら
    そういう安全アシスト機能の有る車を乗せてあげたいと思っています。

  6. F-5 より:

    ガソリンスタンドも危険ですね。
    最近はセルフのスタンドが多いですが、認知症の人がまともな給油操作ができるかどうか疑問です。
    最悪、くわえ煙草で給油とか・・・

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