電気自動車はズルい?

御存知の通り電気自動車は道路を造るための税金を支払わなくても良い。電気自動車ばかりになったら、道路の維持管理に必要
な予算をどこから確保するのだろう、と心配する必要などありません。今やガソリン諸税や軽油引取税も道路を造るための目的税でなく、普通税扱いになっているからだ。

すでに誰も「道路を造ったり維持管理するためだけに使われる税金」は支払っていない、ということでございます。あくまでガソリンや軽油というアブラに破格の税金が上乗せされているだけ。逆に考えると、ガソリンや軽油を使わないで道路を走っても良い、ということに現在の税制はなってます。

さて。10月に入って全国規模で不正軽油の取り締まりが行われている。不正軽油を発見したら、どういう根拠で捕まえるのだろうか? 以前なら軽油に掛けられている税金は「道路を使うため」の目的税だったので、明確に脱税。だから道路を走らない船舶や農機具の燃料として軽油を使う場合、免税になった。

しかし今や軽油に掛かっているのは普通税。船舶でも課税されます(来年までの時限措置ある)。フネに乗っている人は、来年から灯油+添加剤を使うか、10年前まで軽油として販売していた低硫黄重油を使うことになると思う。もし道路を走るディーゼル車が灯油+添加剤を使ったらどうなるのだろうか? 

脱税になるのだろうか? 
この件、関係省庁に問い合わせたのだけれど、明確な返事が返ってきていない。一つだけ判明したのは、フネに灯油+添加剤を入れても何ら問題ない、ということ。だったらクルマでも問題ないということになります。軽油に掛かっている税金は「道路を走るためのもの」じゃないのだから。

文頭に戻る。電気を使って道路を走っても、道路を造る税金を支払わなくても良い。それと同じく、灯油+添加剤で使うディーゼル車で道路走っても、道路を造る税金を支払わなくちゃならない、という根拠が無いのだった。ちなみに天ぷら油で道路走ったり、バイオアルコール100%
で走ったりしても課税無し。

捕まったら裁判をやってみると面白い。論理的に問題ないと思います。もちろん捕まると面倒くさいので普通の人なら絶対すすめませんけど。フネは免税軽油が無くなったら、低硫黄重油でなく、環境にやさしい灯油+添加剤を使うつもり。ホントなら最も環境負荷の少ないGTL燃料(天然ガスから造る液体燃料)がベストですが。

追記/一昔前のディーゼルだと重油から作った汚い燃料でもエンジンは回ったけれど、今やそんな燃料使ったら高価な排気ガス浄化装置が壊れてしまう。大気汚染防止の観点からすれば、車検のあるディーゼル車の抜き打ち検査より、建設機械などをチェックすべき。黒煙出すエンジンは全部取り締まるべし!

<おすすめ記事>

4 Responses to “電気自動車はズルい?”

  1. さね より:

    勉強になりました。 日本の自動車関係の税制ていいかげんですよねー。政治家や官僚が悪いわけでなく(官僚はちょい悪かな)、民主主義の原則でくだらないなーも勉強しない、まともな立法作れない政治家を選ぶ国民に責任の一旦はありますよね。自分も含めて。そろそろ考えないとみんなで。 電気自動車はお特な気がしますけど、今の国のありかただと車はできてもまだまだ先になるんでは?アメリカ、欧州がインフラのイニチアシブをにぎってから後でしょうきっと。 彼らは頭ずる賢いですからいい意味で。

  2. kanbutan より:

      いゃあ面白い! 理論上は全くその通りですもんね。 燃料関係諸税が如何にムチャクチャかの証明ですな。 かつて、いすゞ117クーペには晩年になってディーゼル仕様が出ましたね。 日産が世界に誇るクリーンディーゼルを新型シルビアに搭載して発表すれば名実共に20GTになれるのにねぇ。 スカイラインもかつては280GTDというのがありましたね。LD28か、懐かしいな。
     

  3. kumojyakii より:

    私も仕事柄、自動車に関する税金をちょこっとだけ調べたことがありますが、ま〜〜そのいい加減な事といったら。明らかにその場しのぎの思いつきで制度を組んでいます。
    自家用自動車(白ナンバー車)より事業用自動車(緑ナンバー車)の方が税を優遇されているのは、その最たるもの。
    重量税も自動車税も自動車取得税も、税制スタート時は自家用も事業用も差別せずに同じ税率でした。(現在でも、税の本則には自家用・事業用で税率を差別する条文はありません)
    ところが、「道路を作ったり、維持管理するのにもっとお金が要る」って事で暫定税率と称して、税率アップを図りましたが、事業用自動車については関係団体(トラック協会やバス協会やタクシー協会など)の猛反対にあったため、自家用車だけどんどん税率(暫定)が上がっていったようです。
    「道路を作ったり、維持管理が目的」とした税なら、平均的走行距離数で言っても、より道路に負担を掛けている事業用自動車の税負担を増やさなければいけないのに、現状はその逆というわけです。

  4. いさ より:

    EVの導入を検討している者です。
    将来は電気税などが創設される時代が来ると思ってます。
    ただ30年以内には車はEVやPHVになるのは必然と感じてます。

このページの先頭へ