GMの再建は困難

やっぱりGMの再建は相当難しいようだ。どうやら次から次へと問題が吹き出しており、収集が付かなくなりつつあるらしい。中でも最大の問題点となっているの、新車開発能力だという。GMの問題の本質は「魅力のあるクルマを作れなかったこと」にある。経営状況を改善させるだけじゃダメです。

新生GMが新型車を作っても、今までの技術のままで燃費良く、完成度の高いクルマを作るなどと思えぬ。『ボルト』というハイブリッドカー(シリーズタイプ)を救世主扱いしているメディアもあるけれど、ボルトはi-MiEVと同じ16kWhものリチウムイオンバッテリーを搭載してます。500万円以下にゃ絶対なるまい。

GMが開発中のハイブリッドシステムは、全て「全くお話にならぬ!」。というか、ベンツやVWに代表される技術コンシャスのドイツ勢メーカーですら、ホンダ方式の『マイルドハイブリッド』か、トヨタですら売れない動力性能重視の全くECOじゃないタイプ。ガイシャおたくがヨイショしてるだけです。

現時点ではインサイトレベルの実用燃費(プリウスと比較しなければ立派なもの)を確保できるハイブリッドすら作れるメーカーなど存在しない。というか、ユーザーはプリウスの実力を知りつつある。依然、反対したり嫌ったりしている人がたくさんいるものの、いわゆる「ルビコン川を渡った」状況。

回りくどい書き方になったが、トヨタのハイブリッド技術抜きでGMの再建は無いと考えます。というか新生GMのスタートまで理想的な展開だったとして1年。最悪の展開だと、何も決められず2〜3年経過し(訴訟なども起きてくる)、赤字をタレ流し、そのまま騒乱(経済なのか争乱なのか不明)に突入か。

ここにきてクライスラーの再建も怪しくなってきた。とりあえずフィアットがバックアップするカタチで来たけれど、やはり技術的な問題をどうするかでモメている。考えてほしい。フィアットにはアメリカ市場で絶対必要な「効率の良い小型車用AT」すら無いのだ。フィアット500だのMITOだのが売れるワケ無い。

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6 Responses to “GMの再建は困難”

  1. Ito より:

    GM再建かなり難しいのは、まったく同感です。とは言っても、我々は見守るしかないのですが…
    EVやシリーズハイブリッドをつくり、技術をアピールしてますが、素人目に見ても、違うんじゃないの?という組み合わせばかりです。EVにしろハイブリッドにしろ、高効率なパワートレーンを実現できていないです。
    特にEVは電池の性能が遅れていることは彼らも百も承知なはずです。でしたら、空力ボディをつくり、Cd値を0.2とかまで落とせば、0.3くらいのEVと比べて15%くらい高速走行の航続距離を伸ばせるハズです。特にアメリカは航空宇宙産業が盛んですので、そういう分野の応用があってもいいと思うのですが…日本が逆立ちしても追い付けない分野をいかした方向で考えていけば突破口が見えるハズです。NASAと共同開発した空力ボディとかいうだけで、物凄く価値が上がると思います(笑)素人考えですが。
    次世代車のキーワードは空力だと思います。動力の効率が高い車ほど空気抵抗の寄与率が増してきます。15%くらいしか効率がないガソリン車だとCd値減らしたところで大した差は出ませんが、効率90%のEVや効率35%のHVだと寄与率が大きいです。こういう基礎から見つめ直さないと、いい車はできないハズです。プリウスなんかはそこらへんから見直したから性能がいいのだと思ってます。
    GMがTHSの技術供与を受ければ万事解決にはならないと思います。プリウスの亜種の車が出てきても、わざわざGMブランドで買わないハズです。RXやLSクラスのハイブリッドも然り。しかし、考え方を変えるとあり得なくもないなと思います。和製のPCでも中身はほとんどIntelチップとWindowsですが、我々は特に違和感を感じていません。
    トヨタ様にケチョンケチョンにけなされた本田式のハイブリッドですが、逆にこちらのほうが発展性があると思います。MTやDCTと組み合わせも可能ですので、CVT風の走りがどうしても苦手な層には受けるハズです。大型車のHVは本田式に近い構成ですし、F1のカーズとも似ています。車が大きくなるほど優位性が高まるのではないかと思ってます。是非とも本田には頑張ってほしいです。

  2. ずんどこ より:

    初めまして。
    私も先生の意見に同感です。
    ボルトのシステムは知りませんでしたが、経済アナリスト等々が様々なメディアで発言していたような、画期的な再建が実現するなど疑問で仕方がありませんでした。
    なぜかと言えば、今のGMが魅力がある車を世に出せる気がしなかったからです。

  3. HT より:

    ボルトはデザインは格好良かったんですけど、やはりすぐに販売できる物ではなかったのですね。
    私が考えるにGMを再生するのにはもう、電気自動車しかないと思います。ハイブリッドはトヨタが提供しようかと言っていますが、結局外から買うので搭載される車種は限られるでしょう。それにそのままポンとユニットを乗せたら完成するような物でもないと思いますし。それに比べて電気自動車はベタープレイス社のバッテリー交換方式を普及させることが出来ればそれなりに売れると思います。さらに、アメリカでは電気自動車のバッテリーを街全体のバッテリーとしても活用するというスマートグリッドという構想があるみたいですし、未来を見据えれば電気自動車しかないでしょう。

  4. アマチュア部員 より:

    遅ればせながら、本日、お台場のメガウェブにて新型プリウスを試乗してきました。
    足回りのしっかり感や、モーター走行からエンジンが掛かった時など全く気づかないほど自然に始動していたことに進化を感じました。
    反面、停車からの初期加速が20型に比べ、モッサリした感じがしました。実燃費を意識した為の電制プログラムが原因なのでしょうか?
    しかし、回生ブレーキの違和感も少なくなっていましたし、クリープも滑らか。THSの技術はやっぱり凄いですね。簡単にはGMとかに提供したくない気持ちは私にも分かります。
    話は変わりますが、i-MiVEやEVステラ、来年には日産のEVと市販EVが出てきますが、まず、性能で気になるのは1回の充電で走れる航続距離だと思います。
    それはとても重要なんですが、ガソリン自動車で言うところの燃費。所謂「電費」も重要だと思います。10km走るのに、いくらの電気代が掛かるのか?というスペックです。
    先日、JARIの方に伺ったところ、EVの電費の測定方法は、まだ統一されていないそうです。
    私の個人的希望としては「実用電費」と「モード電費」の乖離が少ない測定方法にしてもらいたいと思っております。

  5. lucky より:

    いつも拝見させて頂いてます。
    まずなんでクライスラーとGMが破綻したか?
    引き金は、昨年の原油の高騰で燃費の良い小型車にお客様が流れたのと、お客様の信用不安でローンが通らない為に売上金が急激に減少したことと、そのローンの滞納。
    本当の問題は、1980年頃からのアメリカの保護政策でビッグ3をぬるま湯に浸け過ぎた結果だと思われます。
    クライスラーに関しては、すでに解消されてますがベンツと提携し、生産技術を少し学んでいると思います。その前に、ベンツは三菱自動車と提携し小型車の技術とディーゼルの技術を三菱から学んでます。よってフィアットは高い買い物ではないかもしれません。
    私は世界的な大不況と環境問題を考えると自動車業界そのものの変革が必要だと思います。
    お金の無いメーカーはホンダ式で簡易型ハイブリッドを作り、高価格車はトヨタ式では、いかがですか?
    トヨタのハイブリッドはソフトウェアの書き換えで、まだまだ燃費は伸びるし、発電用のモーターのフライホィールでもっと発電可能だと思います。

  6. スバリスト より:

    毎回楽しく読ませていただいております。
    やはり現在のトヨタの最新型プリウスのハイブリッド技術がものすごいことが良く分かりました。一説によるとプリウスが黒字ベースに乗るまで、10年かかったとか・・・。
    やはり航続距離の問題から、ハイブリッド→プラグインハイブリッド→電気自動車 という流れだろうと思います。そして車に充電する必要性から『車庫もしくは駐車場での給電完備』の戸建て住宅&マンションの需要が喚起されるであろうと思います。
    私のいちばんの興味はスバルのハイブリッド車です。トヨタからの技術供与による発表が先日公表されましたが、車種はやっぱりレガシィか? バッテリーどこに積むのだろう? エンジンは水平対向にマッチング可能?それともトヨタのもの? ・・・と興味は尽きません。
    トヨタ&スバル コラボの小型スポーツカーは生産台数の面で『?』。この時代 果たして利益が出るのだろうかという疑問の方が大きいですが、トヨタのハイブリッド技術が提供されるのであれば、スバルにとってトヨタとの提携は大きなメリットがあったように思います。
    というか軽自動車&ハイブリッド車の『実用燃費:リッター20Km』の車しか売れない現在、ハイブリッド車を出せない会社は生き残りが相当に難しくなってくるのではないかと思います。
    現在の所 トヨタはスバルの経営には余り口出しをしていないような様子ですので、両社の提携が良い方向に行くことを願うばかりです。

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