iQは高級車?

どんなクルマにしたかったのかイマイチ理解できていなかったiQながら、本日一般道で試乗し、中嶋CE(チーフエンジニ
ア)に話を聞き、やっと見えてきました。おそらく開発から営業にクルマを引き継ぐ時点で決定的なボタンの掛け違いをしたんだと思う。愛知県で炸裂したバブル景気も後押ししたのかもしれない。

トヨタはiQを「マイクロプレミアムカー」(小さな高級車)だと主張。当然ながら期待してエンジン掛けたならヴィッツやパッソの最廉価バージョンと同じセル音。始動するや3気筒特有のプルプルという小さくない振動に包まれる。アクセル踏めば「べ〜っ」というこれまた3気筒の軽自動車ちっくな音。インテリアやシート素材もコスト掛かってない感じ。

加えてスクワット(スタート時に沈み込む)しちゃうリアサスを硬くした結果、KYBの弱点がモロに露呈。ハネるの何の! スクワットこそしなくなったものの、少し路面悪いとガタガタゴトゴト。いろんな点で「高級」の反対です。プレミアムカーだと聞いてハンドル握ったら、100人中90人以上「う〜ん!」だと思う。

しかし! 実用燃費が素晴らしい! 東京都内で15km/L前後。おそらくエンジン止めれば20km/Lも不可能じゃないだろう。プルプルするエンジンは、実用燃費を向上させるべく思い切って常用回転数を低くした結果なのだ。高級か?
 と聞かれたら瞬時に「No!」。けれど「ソフィスティケートされているか?」となれば、躊躇わず「Yes!」。

ちなみに「ソフィスティケート」(知的かつ都会的で洗練されたイメージ、といったような意味)という言葉、欧米人だと最高の誉め言葉です。ジムに行くと辛いけど爽快。iQのプルプルはジムのようなもの。というか本来iQって燃費を追求したクルマなのだ。初志を貫徹すると、とても解りやすいクルマだったのに。
日本で売れなければ広告代理店の大失点です。プリウスの時は高級車などという”逃げ”をしなかったのに……。

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One Response to “iQは高級車?”

  1. アマチュア部員 より:

    IQの記事、とても興味深い内容でした。
    たしかに昨年の東京モーターショーで「プレミアム・コンパクト」というコンセプトでしたが、市販車を見る限り少々路線変更したのかな?と感じられますね。
    個人的には取り回しのいい小さいな車は好きなのですが、IQでは小さすぎると感じます。
    もう一台ミニバンとかを持っていて、セカンドカーとして、このIQを持つのであればいいかもしれません。
    しかし維持費から考えると、セカンドカーは軽自動車で十分という気もします。
    そう考えるとIQを買うユーザーは4人乗車の機会がほぼ無く、多くの荷物を積むことも無いという人がファーストカーとして買うパターン。ある意味、使い勝手がかなり限定される間口の狭い車とも言えるのではないでしょうか?
    逆に生活感のないパーソナルな車という意味では生活スタイルをおしゃれに表現できる可能性を持った車にも思えます。
    しかし、それにしては趣味性が薄く感じます。スマート、ミニ、フィアット500など、その手の車は徹底的にやってきてますよね。
    IQも今後いろいろなバリエーション(カラフルな本皮インテリアなど)が出てくれば面白いと思います。燃費もいいようですしね。

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