NOxを出すのはVWのディーゼルだけか?

Yahooニュースで書いたVWディーゼルの内容は普通の人向けであり、概念だけお伝えした。ということでも少し専門的な内容など。このWebでディーゼルの排気ガスの「甘酸っぱいニオイ」について何度か書いてきたのを覚えていると思う。その際、様々な方向から調べてみたのだけれど、甘酸っぱいニオイとNOxは密接な関係があると解ってきた。

そもそも排気ガス検査の時の「モードテスト」と通常の走行は全く条件が違う。例えばガソリンエンジンも、モード燃費の走行パターンだとクリーン。しかしアクセル全開加速すると、大半のクルマで濃い濃度のHCやPMを排出してしまう。HCは臭くて有害。PMも臭くて有害。現在の排気ガス規制、限られた条件だということを、大半のヒトが知らない。

ディーゼルの場合、長い下り坂や、長時間の渋滞など低負荷の状態続いて触媒が暖まらない時に大きな問題を抱えてしまう。徐々に温度下がっていき、触媒の働きが弱るワケです。その際、NOxを出すか、甘酸っぱいニオイ(アルデヒド系)を出すかの選択になる。マツダはNOxと迷った末、規制対象物質でないアルデヒド系にしたという。

甘酸っぱいニオイを出さないディーゼルはどうか? 専門家の多くは「テストモード以外でNOxを出してるんじゃないかと思われます」。ここで排出されるNOxは絶対値こそ高くないものの、最大で規制値の数十倍に達するレベル。つまりディーゼルエンジンもモードテスト以外の使い方をすると、ガソリンエンジンと同じく規制を超える汚染物質を出す?

ナニが言いたいかと言えば、VW以外のディーゼルも触媒の働きが十分でないときはNOxを出す可能性あるということです。そいつを調べていた時に今回のニュースとなった。もう一つ。なんでVWの件がバレたのだろうか。クリーンディーゼルが排出するNOxのレベルは普通の検査器具(排気管に差し込むタイプ)だと検出限界以下だ。

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