VW排気ガス不正問題、アメリカ当局に対し全面降伏か?

VWの排気ガス不正問題を取材する上で大きな課題となっているのが「どんな不正を行ったのか?」という点である。発覚以後、今までずっと推論でしかなかった。東京モーターショーのため来日したエンジン制御担当の責任者にジックリ話を聞いてみたところ、曰く不正ソフトを作った技術者は特定出来ているのだけれど、弁護士の指示により全く情報を出さず内容が分かっていないのだそうな。

その後、解析は進んでいるらしい。11月25日に欧州で問題になっていた850万台の対策が大枠で判明した。内容を見ると、1,6リッター搭載の約300万台は作業容易な部品を一つ交換し、制御PCの書き換えで終了するという。残る2リッターと1,2リッターは、前者が制御PCの書き換えのみ。後者も書き換えだけで済むことになりそうだ。欧州以外で販売された250万台も基本的に同じだと考えていい。

不正発覚直後に指摘した通りアメリカ以外は厳しいNOx規制が無いため、大がかりな不正を行っていなかったということだろう。

アメリカをどう対応するか? ここが山場になる。VWはアメリカ当局と1年間に渡り激しく口論してしまった。アメリカ側も簡単に納得しない。だからこそアウディやポルシェにも搭載されている3リッターV6エンジンもやり玉に挙げてきた。ちなみに3リッターV6は「冷間時に触媒の温度を上げるためのプログラムを入れていたことを事前に説明していなかった」ことが違法だと言われた。

説明していればよかった、ということか? この一点だけ見てもアメリカ当局の厳しい姿勢が伺える。すでにVWはアメリカ当局にもリコール内容を提示したようだ。もちろんアメリカでのリコール対策、小さい部品の交換や制御PCの書き換え程度で済まない。車両引き取りという事態も十分にありうる。早ければ2週間以内(最長で20日間)にもアメリカでの対応が発表されるだろう。ここが大きな潮目になると考えていい。

もう一つはVW側の姿勢の変化。アメリカ当局の怒りを買うと、懲罰的な対応を受ける。3リッターV6に掛けられた嫌疑、当初抵抗していたVW側も違法性を認めリコールするという。この流れを見れば全面降伏をしたということか?

興味深いのは韓国が真っ先にVWに対し2兆1億円余の制裁金を課すと発表したこと。アメリカもまだだし、そもそも不正の内容すら明確になっていない段階での制裁金は極めて異例。情緒的なお国柄ということなのかもしれないが、もう少し検証すべきだと思う。


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