バーストに続き立木アタック

ここから本当の意味でのラリーが始まった。そもそもSS5のスタート前に関係者の皆さん全てから「おめでとう!」とか「ゆっくりでいいから走りきって!」。主催者や競技委員長まで「とにかくゴールして欲しい。でないと最後のキングスカップの表彰式もできない」(笑)等々。

そんな状況の中、バーストさせたタイヤをバタバタとイワせながらタイムコントロールにギリギリで入ってきたのだから皆さん驚いた。「リタイアしたのかと思ってどうしょうかと思った」。されどカッティングストーンによるタイヤのパンクはペースを抑えても発生する。運のようなもの。


皆さん「とにかく抑えて走った方がいい」。とはいえ1日目終わった段階だから、残るSSは110kmもある。確かにベタ抑えで走れば完走できるけれど、やはりラリーの神様も‥‥というか、そんな走りしたって自分が納得できないです。かくして2日目も無理こそしないけど、一生懸命走るのみ!

一方、クルマの課題は残ったまま。しかも今日は全く違うコースコンディションなので、落とし穴の場所も解らない。そんな状況の中スタートしたら、見事タコ壺にハマりました~! 後で詳しく説明するけれど、リアのキャリパーを交換した関係なのか、ブレーキに問題出ている。

アクセルから間髪入れずブレーキを踏むと、マスターバックが効かない状況になってしまうのだった。アクセル戻して1秒後にブレーキ踏めば全く問題ないのだけれど、アクセル全開からブレーキ踏むコーナーに出くわす。ブレーキペダル踏んだら板になってます。万力で踏み込むもダメ。


正面はガケになっており落ちたら100%。そこで少しでもブレーキング距離を稼ぐべく距離を取り、丈夫そうな立木を車体のど真ん中に当たるよう狙う。ノーマルのWRX S4、事故時の損害金額を減らす設計になっておりど真ん中が一番丈夫なのだ。ガケならリタイア。立木なら運です。で、どが~ん!

けっこうなイキオイでしたね。狙い通りガケには落ちず。バックギア入れてアクセル踏むと、動きがノロい! 壊れたか、それとも半分ガケから落ちてるのでスタックか? と思ったら飛び出し事故防止の『後進速度リミッター』(笑)を効かせたままにしてたのだった。ノロノロ抜け出せました~。

フロントぶつけてサービスに戻るとラリー関係者の皆さん集まってきて「どうしたんだ?」。そして「なんでそんなに頑張るんだ。走りきればいいのに」。すると私が後続車に追いつかれることを心配してプレッシャーになっていると思ったらしい。本来2分の後続車との間を4分に開けてくれる。

もはや関係者全員が完走して欲しい、という応援モードに入った感じ。2日目のSSは6本。残り4本だ。されど次の2本もペースを落とさなかった。フルアタックしてるファンファン大佐とのタイム差は、昨日と同じ1kmあたり4秒。すると皆さん私の気持ちを理解してくれたようなのだ。


「抑えろ」と言わなくなり、とにかく頑張れ的な雰囲気。他の競技者も同じ。ゆっくり走ればいいだけなのにアタックを続ける私を見て応援ムードになってきた。これだけ多くの人から励まされたことはない。しかも全く言葉の解らない人たちまで寄ってきて満面の笑顔で「握手」してきます。

こうなると一段と手を抜けなくなる。最後の2本もペース落とさず走る(もちろんブレーキの状況をキッチリ考えた範囲です)。今まで私もレースやラリーのレポートでダントツになった状況だと「抑えて走れば優勝だ」などと気楽に書くけれど、そんなことはないとシミジミ解りました。

そしてゴールしたら、想像以上の状況になったのだった。<続く>


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