さよなら。お休み

アンがやってきたのは1995年の1月でした。

Ann

犬がほしくて、ほしくて、いろんな人に聞いた結果
一度もらわれたのに戻されちゃった出戻り犬を譲ってもらうことになったのです。
4ヶ月になっていたアンは運ばれてきた親戚のおじちゃんのクルマに酔って、
ゲロゲロでグロッキー。お世辞にも可愛いともいえない柄で。
一番最初に抱いた私のワンコは腕の中で震えていました。

お庭で飼う予定だったのに、日々少しずつ玄関に入ってきて、
居間にも来て、二階にも来て‥‥。
結局家犬になってしまいました。

とっても頭が良く
て、「サンポ」という言葉が大好きでした。
ちょっと怖がりだったから、他人や他の犬に慣れる事がなかったけれど
家族に忠実で、とてもとても良い子でした。

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昨日まで、15年と6ヶ月。皆に愛されながら、一緒に生きてきました。
11歳の頃から一緒に育ってきました。

でも もう これから おうちに帰ってきても迎えに来てくれることは有りません。
大好きな卵をねだる事も、猫を追いかけることも、
ソファ
の上ででおなかを出して寝ることも、サンポをねだる事も有りません。

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最後の夜、駆けつけた私と弟と、父と母の4人の真ん中に居ました。

そして、青空の綺麗な春先の午後、
母と私にきちんと見送られて、一足先に旅立っていきました。

いっぱいの愛情をありがとう。
いっぱいの優しさをありがとう。

介護をしようと思ってとった休みだったのだから
もうちょっとゆっくりでも良かったのに。
でも
もう、歩けなくなっちゃった自分に飽き飽きしてたのかな。

それに今イッパイイッパイになっていた私に
少し休憩を与えてくれたのかな。
おうちに戻っておいで、色々ゆっくり考えておいでって。

                      (国沢幸生)

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10 Responses to “さよなら。お休み”

  1. 吸気圧縮膨張排気 より:

    こちらのブログにははじめましてです。
    先日コメントを入れようとしていたのですが、自分の経験とダブったりして泣けてしまい、遠慮したのですが…
    名前はアンちゃんでしたか^^
    今回は国沢幸生さんが書かれたのですね。書き出しから「あれ?」と思いながら、アンちゃんの記憶を分けて頂きました。
    歳のせいかどうも涙もろくなって、ははは…良い歳したおっさんが泣いてしまいます。
    素敵な時間と記憶を残していったアンちゃんの御冥福をお祈りします。
    お邪魔しました^^

  2. 加藤野 より:

    気に掛けていました。数日は涙が止まらないかもしれませんが、
    でも国沢さんのワンちゃんは、とても幸せな最期を迎えられたのではないでしょうか。
    きっと、あとは、時が心を癒やしてくれます。

  3. らく(松本規義) より:

    いつも楽しく読ませていただいています。が、今日はそんな訳にもいきませんが・・・・残念ですね。ウチにも3匹のワンコがおります。お気持ちお察しします。知っておられるかもしれませんが、「虹の橋」の詩を貼らせていただきます。私はこの詩で少し救われました。
    虹の橋
    *********************************************************************
    天国の一歩手前に、『虹の橋』と呼ばれる場所がある。
    地上にいるだれかと親しくしていた動物は、死ぬとその『虹の橋』へ行く。
    そこには、草地や丘がひろがっていて、
    動物たちはいっしょになって走ったり遊んだりすることができる。
    たっぷりの食べ物と水、そして日の光に恵まれ、
    彼らは暖かく、快適に過ごしている。
    病気にかかっていたリ歳をとったりしていた動物たちは、
    ここに来て健康と活力を取り戻し、
    傷ついたり不具になったりした動物たちも、
    もとどおりの丈夫な体を取り戻す。
    過ぎ去りし日の夢の中でのように。
    動物たちは幸せに暮らしているけれど、ひとつだけ不満がある。
    それぞれにとって特別なだれかが、
    あとに残してきただれかがいないのを
    寂しく感じているのだ。
    動物たちはいっしょに遊んで時を過ごしている。
    しかし、ついにある日、そのうちの一匹が足を止めて遠くに目を向ける。
    目はきらきらと輝き、体はたまりかねたように小刻みに震えはじめる。
    突然、彼はみんなから離れて、緑の草地を跳ぶように走っていく。
    あなたを見つけたのだ。
    とうとう出会えたあなたたちは、抱き合って再会を喜びあう。
    もはや二度と別れることはない。
    喜びのキスがあなたの顔に降りそそぎ、
    あなたの両手は愛する友の頭と体をふたたび愛撫する。
    そして、あなたは信頼にあふれたその瞳をもう一度のぞきこむ。
    あなたの人生から長いあいだ姿を消していたが、
    心からは一日たりとも消えたことがないその瞳を。
    それから、あなたたちはいっしょに『虹の橋』を渡るのだ。
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
    天国とこの世を結ぶ橋がある。
    その橋は、様々な色合いから『虹の橋』と呼ばれている。
    『虹の橋』の一歩手前には草地や丘、青々とした緑あふれる谷がある。
    大切なペットは、死ぬとその場所へ行く。
    そこにはいつも食べ物と水があり、気候はいつも暖かい春のようだ。
    歳をとって、からだが弱っていたものは、ここへ来て若さを取り戻し、
    からだが不自由になっていたものは、元どおりの姿になる。
    そして一日中いっしょになって遊んだりしている。
    橋のそばには、様子が異なるものもいる。
    疲れ果て、飢え、苦しみ、誰にも愛されなかった動物たちだ。
    他の動物たちが一匹また一匹と、
    それぞれの特別なだれかといっしょに橋を渡っていくのを
    ものほしそうに眺めている。
    彼らには特別なだれかなどいない。
    生きている間、そんな人間はだれひとり現れなかった。
    しかし、ある日、動物たちが走ったり遊んだりしていると、
    橋への道のかたわらにだれかが立っているのに気づく。
    彼はそこに繰り広げられている友の再会をものほしそうに眺めている。
    生ある間、彼はペットと暮らしたことがなかった。
    彼は疲れ果て、飢え、苦しみ、だれにも愛されなかったのだ。
    そんな彼がポツンと立っていると
    愛されたことがない動物が
    どうして一人ぼっちなのだろう、と近づいてくる。
    すると、不思議。
    愛されたことがない動物と愛されたことがない人間が
    互いに近づくにつれ、奇跡が起こる。
    なぜなら、彼らは一緒になるべくして生まれたからだ。
    この世では決してめぐりあえなかった特別なだれかと大切なペットとして。
    今、やっと『虹の橋』のたもとで彼らの魂は出会い、
    痛みや悲しみは消え、友はいっしょになる。
    そして、いっしょに『虹の橋』をわたり、もう二度と別れることはない。

  4. szk より:

    田舎(四国)で育ったので、小さい頃にたくさんの生き物を飼ってきましたが、別れのときは時が経っても忘れないものです。今でも思い出すと、悲しくなります。
    このワンちゃんは、よい犬生を過ごしてきたのですね。感謝しながら旅立ったのではないでしょうか。

  5. アンちゃん、心の中でまだまだ生き続けますよ。
    ご冥福をお祈り致します。

  6. andle より:

    うちでも今年13歳になる犬を飼っています。
    最近少し認知症気味になってきたようです。
    日記を読んでいて泣いてしまいました。
    私も最後まで可愛がってあげたいです。

  7. レフティー より:

    別れは辛いですね。
    でも 大好きな家族に看取られて幸せだったと思います。

  8. Kei より:

    我が家でも子供の頃から犬を飼ってきました。今居る柴は6匹目です。別れは辛いですよね。いろいろ思い出しました・・・。

  9. kojima より:

    すごく切ないです。
    前に飼っていた愛犬の事を思い出してしまいました。
    そういえば僕の愛犬もサンポという言葉には
    高反応していましたな〜。
    ご冥福をお祈りします。

  10. 真鍋清 より:

    一匹の猫のパパとしての小生から一言。
    小生の愛猫はアメリカンショートヘア雑種のマリ嬢、1998年8月弟が愛知の某所にて拾い上げ、遠路はるばる愛車スバルインプレッサWRX-STi(バージョン3)に乗せて我が家に紹介されました。当時1歳だった彼女も今や13歳、よき中高年オバンで一時期小生を悩ませたお転婆ぶり(洗濯物を散らかす、障子を破く、餌の種類がちょっとでも彼女なりのコードから外れると暴れてハンストを起こす)もなくなり、エレガントなお嬢様ぶりを発揮しております。
    何でも額を撫でると♪ニャー♪〜と、鳴き声いやサウンドロゴ(彼女の「CMソング」と呼びならわしている)を発し、腹下を撫でると快適そうに伸びを始める按配で、餌はカルカンのマグロを中心にピュリナ等の数種類のブランドを利口そうに平らげてくれます。
    小生の母親(同居している)が♪ゆーあーまいさんしゃいん まいおんりーさんしゃいん♪〜、とメゾソプラノの声でハナウタ(笑)を口ずさみ始めると、彼女もニャンニャン合唱を始める有様で、今に至るも彼女の頭のアンテナは全開、浮かれた現金な存在です。
    そして国沢さんご自慢のアンちゃん、彼女は国沢先生ご一家の温かい愛情を満身に受け、家族皆の心を楽園に誘い、15年間目いっぱい生きたことでしょう。きっと虹の橋で清浄な空気を大量に吸い、体も若かりし頃の輝きを取り戻し今頃極楽浄土でマドンナぶりを発揮されていることかと思います。
    by40歳・B型・山羊座・レクサスIS350とトヨタヴィッツ1300U-Lを所有中・独身

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