タイ人と『恨』

タイは収入格差が大きい国の一つだ。国全体を見ると登り調子だからして、10年前と比べ確実に豊かになっている。お金持ちはホントに裕福。ただタイの場合「貧富」と表現出来ない妙味を持つ。「貧乏」のイメージが違うのだった。お金はたくさん持っていないけれど「貧しく」無い。いや、精神的に貧しく無いと表現すべきか。

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移動式屋台でマンゴーを売る人

上の写真の人は決して楽な生活はしていないと思う。というか、大変な仕事かと。でも他の商店の店先で営業させてくれる。一生懸命仕事をすればお客さんも付く。日々暮らしていれば小さな幸せもあることだろう。たまには壊れたイスに座っていた日本人がひっくり返るし。そんな生活をタイ人は普通に受け入れている。

TVなどで活躍している姜尚中(カンサンジュン)さんが書いた『在日』という本を読んだ。御母堂は朝鮮半島から来た一世の方で、苦労したという。そして『恨』を吐き出して永眠されたと表現している。恨の概念は日本人からすると難しいけれど、恨みというより「悔恨」に近いそうな。被害者の歴史、と言い換えてもよい。

カンさんのお母さんは大層苦労したと思う。私は在日の人を差別した経験を持たないけれど(在日2世の同級生がたくさんいましたから)、場所や時代によっちゃ厳しかったことを認識している。でもキツいばかりじゃなかったと思う。なにより息子さんが立派だ。日本人をやりこめ、グウの根も言わさない。

早稲田という伝統ある大学に行かせ、大学院へ進ませ、さらに当時としてはハードル高かった西ドイツへの海外留学までさせている。素晴らしい息子さんを持ったお母さんは、さぞ自慢だったことだろう。なのにカンさんは恨を吐き出したという。ここがタイ人との違いなんだと思う。タイ人なら「お母さんは幸せだった」と考えます。

タイ人は人を妬まない。お金があっても無くても、自分は自分だと思っている。そして社会構造を見ると、案外面白い。お金持ちに「ここは美味しい!」と連れて行ってもらった高かろうレストランの食事と、街中の屋台で食べる40バーツ(120円)の食べ物は、美味しさという点でイーブン。お金無くても幸せ度は全く同じ。

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お花屋さんの屋台もあります

仕事も同じ。例えばイサーンと呼ばれる東北地方からバンコクに出てきた人は、とにかく働く。「安い賃金でも働く」という意思さえあれば、たいてい何とかなるという。そしてどんな仕事であっても、割と楽しくやっているように見えます。タイに居ると「幸せとお金の関係が世界で一番弱いかもしれない」と感じる。

政府も解っており、いろんな意味で「規制」はユルい。屋台が出ているけれど、営業許可のようなモノはなさそう(誰かコントロールしてるとは思う)。同じ場所に、昼と夜で違う屋台になっていることも珍しくない。規制さえユルければ、いろんな職業が成り立つ。ただ覚醒剤などは死刑です。締めるところだけ締めてるワケ。

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バイクタクシーはお客さんだけノーヘル

またタイの人は「持って生まれた差」があることを知っている。そいつの自分でカバーしようとする。美人は若い時は楽だけれど、そのままだと苦労する、ということであります。だからうらやましがらない。楽しいことを考えて生きている。「恨」と対象的な人生観だ。私はタイ人に近い。次は台湾だ。ここも韓国と全く違う。


8 Responses to “タイ人と『恨』”

  1. 国民性 より:

    私も韓国へは出張で数十回いってますが、すごく親切でもてなしてくれるのに仕事の交渉事になるとなかなか妥協してもらえない、そして心底では日本人に敵対心あらわなのです。朝鮮の歴史をみると中国やモンゴルの支配下にあったことがやはり反骨心の源なのかと思います。
    日本人は海外にでると現地に同化して日本人同士で固まらないが、韓国人・中国人は大規模なコリアンタウン・チャイナタウンをつくりしかもコリアンタウンはハングルでしか店名を表示しない同国人同士の商売です。LAの吉野家の牛丼は米国人の味付けで甘さ過剰なので日本人の客は皆無なのと対照的です。

  2. ビッケ より:

    そう思います。
    皆さん、生まれながらに平等だと思っている。
    そういう方は、自分で独立して自分の城を建ててから発言してほしい。

  3. 路線バスの運ちゃん より:

    日本人の『恨』って、ヒガミ&ネタミじゃないでしょうか ?
    昔なら羨ましいから自分も頑張る、みたいな劣等感や競争心があり、これが日本を成長させた。
    今は相手に文句、に変わってしまったような気がします。
    相手にされなくなるから、ますますヒガミ&ネタムの悪循環にハマる。
    相手にされてないから、誰も教えてくれない。
    いつまでたっても、わからない。
    そんなトコでしょう。
    自分で自分の首を絞めてる事に気がつかない。
    ほっとくか、無視するしか無いと思います。
    世界中ドコ捜しても悪い頭を治す薬ありませんからね。
    ちなみに小生のエクストレイル ディーゼルAT 2度リコールがありました。
    内用 ? よく覚えてません。
    メーカーが無料で直してくれたんだから、ラッキーだと思ってます。(苦笑)

  4. mametarou より:

    TOPの記事と合わせて、
    面白い意見だと思いました。
    確かに恨の感情を強くもつ人がいます。
    そういう人とは建設的な会話が成立しません。
    ネット上でも、同様の人が多いです。
    現代社会は資本主義の悪い面が目立つようになってきた気がします。
    資本ではなく、心の豊かさに価値観を置く必要がある気がします。

  5. applefanjp より:

    師匠がタイなら、自分はベトナムです。
    最初は戸惑いました。
    例えば、ベトナム人の友だちが職を失った・・・。
    家族もいらっしゃいました。
    その後、次の定職が見つかるまで
    彼は路上のお茶売りをしてました。
    「大丈夫なの?」って心配顔で訪ねたら、
    「お前は心配性だなあ。でも、いいやつだなあ。」って
    ニコニコ顔。
    全然、大丈夫なんですよね。
    すっごく前向き。
    それ以来、ますますベトナムの人が好きになりました。
    しばらくして、自分の日焼けも進んだためなのか
    目が彼らと同じ二重まぶたのためなのか
    ベトナムの美術館や博物館を訪れると
    「お前はベトナム人だから、入館料は払わなくていいよ!」って。
    未来志向のタイの人やベトナムの人々が大好きです。

  6. アミーゴ5号 より:

    「恨」は何も産みませんから、少なくなるように意識しています。
    「粋」はヒジョーに憧れますが、バタ臭い自分には無理。
    ただ自分がおっちゃんになって「悟」が少しわかりかけてきました。覚悟の「悟」、さとるとも読みます。
    ( 」´0`)」いいおっちゃんやし〜

  7. 神楽坂清三郎 より:

    竹内まりやの歌に、
    足りないもの数えるくらいなら、足りてもの数えてごらんよ。
    隣の芝が青く見えたら、この庭に花を植えればいい。
    というのがあります。
    そういう感じが確かにタイにはありました。
    少なくとも心は僕より健康なんです。と、アフリカを歌ったのはさだまさしでした。

  8. nogawan より:

    大宮にある小生の勤務先にベトナムの方が居ます。「ベトナム戦争でアメリカに勝ったのだから…」と小生が云うと、「あの戦争に勝者はいない、みんな消耗しただけ」と返す。「アメリカ人はベトナムで、ほんとうに酷いことをした。だけど、そんなこと言っても仕方ない。将来に向けてアメリカとも仲良くしたい。みんなそう思ってる。」と言ってました。"悲"の感情であって、"恨"とは違う。日本人も原爆投下や東京大空襲は"悲しみ"であって"恨み"ではないですよね。

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