ベトナムについて早速タクシーでボラれた愉快な話です~(27日)

ベトナム(正確に表現すると北ベトナム)は歴史上、唯一アメリカと戦って勝った国である。最後は無様にもホーチミンにあったアメリカ大使館から制空権ある艦艇までヘリコプターで逃げ出しました。攻め込まれている最中ということもあり、アメリカ人と結婚していたベトナム人など全員は脱出できず多くの捕虜を取られ、戦後、ずいぶん厳しい目にあったそうな。

アメリカがベトナムに対し手を抜いたかとなれば、そんなこと無い。むしろベトナムを攻撃するにあたり手段を選ばなかった。農村を襲って火を付け皆殺しも普通。日本に落とし世界から非難されていたため原子爆弾こそ使わなかったけれど、さらに悪質なダイオキシンからなる枯れ葉剤を大量に撒いた。今や微々たる量でも発がん性あると厳しく規制している科学物質だ。

これを爆撃機を使って空から撒いた。ジャングルあると”ベトコン”が潜む。だったらジャングルごと無くしてやれ、という信じられない行為です。当然ながらたくさんの人が癌に掛かり、体内に残ったダイオキシンで遺伝子に異常を持った子供達がたくさんたくさん生まれた。後遺障害という点で原子爆弾に勝るとも劣らない卑怯かつ人道に大きな問題を持つ兵器です。

ベトナムという国はその昔、中国から『越』と呼ばれていた。もちろん何度も漢民族に攻め込まれている。されどキッチリ守り切っている。ベトナムの人達は強い。そして自国を守ろうという意識も飛び抜けて強い。というベトナムに対する知識は持っていたけれど、実は一度も訪れたことがなかった。自動車産業とあまり関係なかった、というのが最大の理由です。

されど近年、中国から卒業する日本企業が増えてきた。中国の景気上昇でレーバーコスト上がり、政府の言うことを忠実に聞かなければならないなど、マイナス面も多くなってきたからだ。どこに引っ越すか? 一昔前なら迷うこと無くタイだった。しかし国民の敬愛を受けていたプミポン国王が亡くなり、やや将来に不安を持つようになってきた模様。さらなる投資は不安。

マレーシアやインドネシアは親日国ながら、タイの国民性の方が日本に馴染むのだろう。インドネシア、地震の度に略奪起きる。カンボジアやミャンマーはレーバーコスト低く、人集めも容易。ただ自国に市場を持っていない。といったことを総合して考えた結果、ベトナムを再度評価する声が多くなってきた。ここ数年、モーターショーの規模も大きくなっている。

前置きが長くなったけれど、そんな理由でホーチミンのタンソンニャット空港に到着した。ベトナム戦争に詳しい人なら、この空港の名前を聞いただけで様々な思いが脳裏に浮かんでくることだろう。私にとってのベトナム戦争は小学生の時で直接的な記憶はほとんどない。それでもベトナム戦記にタンソンニャット空港は頻繁に出てくるのだった。静かな興奮と緊張です。

モーターショー取材は明日なので、とりあえず市内のホテルへ。なんせ初めての国のため、勝手が全く解らない。ちなみにアメリカに勝ったベトナムは中国やロシアと同じ共産主義国。通貨の「ドン」もインフレでケタが多く全くイメージ沸かない。はたまたタクシーは安心なのか? タイみたいにターボメーターのタクシーとかいる? こういった不安、旅の醍醐味です。

ということで早速空港タクシーでターボメーターのタクシーにあたり本来なら1000円前後の市内まで3000円取られました。タクシー会社を指定したのに違うのに乗せられた。空港の係員とグルですね。もちろんタクシーの運ちゃんに凄いストレスを与えました。ただ私は人の国でケンカしちゃいかんと思っている。強いプレッシャーまで。これだからアジアは楽しい! 

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