マクラーレンホンダ

今シーズンからF1にカムバックするホンダながら、数日前まで「凄く速い」か「勝負にならないくらい遅い」かのどちらかだと言われていた。しかし。昨日の発表を見て、後者の可能性が大きくなってきたような気がする。未だにメインスポンサーを発表できない状況にあるからだ。調べてみたら、どうやらマクラーレン側はホンダのエンジン(パワーユニット)を危惧しているらしい。

最初のトラブルは昨年11月に行われたアブダビの初テストで発生した。2日間で3周しか出来なかったと言われているが、実際は出て行ってトラブルでストップの繰り返し。2日間の大半をピットの中でのチェックに費やすことになる。この件、ホンダ側によれば「エンジンマネージメントプログラムをマクラーレンが勝手にいじったため」。ただマクラーレン側は納得していない様子。

何しろベンツエンジン用の車体にホンダのエンジンを搭載するという、業界の掟ギリギリの冒険までしたテストである。キッチリとデータ取りを出来ると考えていたことだろう。この状況を見て「今までのホンダと違う」という認識を持ったらしい。そして昨年末のこと。エンジンをダイナモに乗せて試験中、小さくないトラブルが発生した。開発も仕上げの段階とあり、時間的な猶予無し。

日本で調達出来ない部品も壊れたため、急遽イギリスから送ることになる。敵無しの強さを誇ったマクラーレンホンダの頃であれば、ホンダ側のスタッフが部品を手荷物にして研究所に運んだことだろう。そういった動きを見せなかったため、マクラーレン側で「成田空港まで運ぶので取りに来て欲しい」となった。これに対して「休日なので取りに行けない」。結局マクラーレン側で栃木まで運ぶことに。

加えてホンダの開発担当者のインタビュー記事が出ると、全て「開発は順調。開幕が楽しみだ」。こういったホンダの姿勢をマクラーレンは疑問に感じている。この流れを顕著に表したのがメインスポンサーロゴ無しの2015年モデルだ。ホンダに対するプレッシャーと言い換えてもよかろう。実際、2月1日から始まる2015年シーズン向けのテストで満足に走れなければ、スポンサーもサインしないと思う。

ちなみに2月1日のテストの結果次第で今シーズン前半の流れは予想出来てしまう。以前と違い、今やシーズン中のエンジンの大変更はレギュレーションで禁止されている。一方、ホンダ筋からの最新情報として「トップクラスのパワーが出ている。開幕戦からイケる!」。マクラーレン側とホンダ側の評価や姿勢が全く違う。ということで全てはテスト待ちである。果たしてどうなるだろう。

ちなみにキチンと走れば開発順調。メインスポンサーもお披露目されるに違いない。もし満足に走れない場合、ホンダである程度の負担をしなければならなくなるだろう。マクラーレンとホンダの契約の中に「実用に耐えるパワーユニットを供給する」という内容があると言われており、それを満たさなければならない。数十億円と言われている現在のスポンサーフィーの数倍規模になる?

全く情報として出てこないホンダのパワーユニットだが、排気ガスを受けるタービンと、圧縮するタービンが長い長いシャフトで繋がっているという現在最強のベンツと非常に良く似たレイアウトだという。このあたりはマクラーレン側の情報を得て開発したんだと思う(守秘義務を持つが、この手の情報は漏れて当たり前。ベンツ側も十分承知らしく2015年は新しい技術を仕込むようだ)。

以上、明るい情報と言えないけれど、がっかりすることもない。幸いホンダの経営状況はリーマンショックの時と全く違う。ホンダがマクラーレンのメインスポンサーになるくらい問題ないレベル。加えてホンダ内部にはF1をやりたくてウズウズしている人がたくさんいる。今年がうまくいかなければ体制を大きく変えれば良い。熱くなった時のホンダは強いと思う。このあたりの葛藤を見るのも楽しい。


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