今の自動車メーカーは「ファン層」を作るパワーを持っていない(14日)

自動車メーカーにはたくさんのファンが存在する。そいつがブランドになっていると思う。例えばスバル。レガシィ出すまで熱烈なファン層は存在したけれど、販売に結びついておらず。1989年にレガシィを発売した時も、あれほど売れるとは予想出来なかったことだろう。しかしインプレッサがWRCで大暴れし、フォレスターもスバルのタフなイメージ作りの一助になった。

写真/スバル

ホンダ支持層は、1980年代から始まるVTEC路線が作り出したスポーツモデル+圧倒的に強かった第2期F1で強固なモノになったと思う。日産の場合、スカイラインや、901運動で作られた走りのイメージ、そしてグループCのレース。マツダであればル・マン優勝を筆頭にするロータリーエンジン。三菱自動車なら説明するまでもなくWRCとパリダカによって構築されたタフさだ。

写真/ル・マン公式Web

翻って現在進行形でファンを作り出しているメーカーはあるだろうか? 少なくとも私にとって上で紹介した時のような「凄い! 頑張れ! 応援するぞ!」といった活動をしているの、トヨタだけだ。トヨタは現在進行形で強力なブランドを作りつつある。興味深いことにプリウスのように超ハズれなクルマの存在も、ブランドイメージ作りの良い塩加減になります(笑)。

スバルでいえば、1990年代後半のWRCに於ける大暴れぶりは素晴らしかった! なんたって世界1を争っていたし、決して最強と言えるエンジンじゃななかったのにバランスの良さで速かった。コーナー遅くても直線で速いクルマって、日本人の美学からするとアカンですよね。「直線は負けるけれどコーナーで勝つ!」は自動車好きにとって辛抱溜まらなくカッコ良い! 

ちなみに勝ったチームにハンデ付くGT300や、ニュル24時間レースのSP3Tクラスはワークスチームが出場するカテゴリーじゃないと思う。日本国内に限り、一部のファン層が応援しているのみ。出ないより1万倍良いが、WRCのTOPカテゴリーで優勝争いするような”尊敬”の念は持てないです。当時そういったチャレンジを出来て、収益格段に増えた今は出来ない理由ってなんだろう?

今回の不正問題で、さらに自粛ムードが広がるだろう。COTYの辞退通告を見ても容易に想像出来ます。クルマって楽しい買い物。もちろんスバルファンなら自粛ムードで暗くなっているメーカーのクルマだって買う。むしろ応援するかもしれない。けれど新規ユーザー層は来なくなると思う。最大の”武器”だったアイサイトだって今や性能でライバルに負け始めた。

こういった課題を抱えているの、スバルだけじゃないかもしれない。ファン層を作るような前向きの努力をしないと、やがてクルマは冷蔵庫などと同じシロモノになってしまう。厳しい時に支えてくれる人達も作れないです。何度も書いてきた通りココはトヨタが思い切り頑張り、他のメーカーの沈滞ムードを打開して欲しい。前向きなメーカーを応援します。

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