哀愁の薄利多売

なぜか「うなぎを食べたくなる」という土用丑の日である。ただ台風の影響残り、涼しいし朝から小雨。厳しいかと思いきや、準備のまっただ中にある10時から「食べられますか?」。こんな状況でよければ、と聞いてみたら「いいです」。目一杯詰めて12人という狭い店とあってノレンを出さないウチ満員。

とはいえうなぎは作り貯めも効かない。板前さん一人なので割く量に限りがある。前の晩から準備した分は14時に売り切れ。「もう少しやりましょう」と気合いを入れ直すも、16時に再開し、1時間もしないうちに売り切れ。昨年は14時で閉店したけれど、今年は1時間だけ営業時間を延ばせた。

本来ならこの機会に儲ける、というセンスが無いとダメなんだろう。されどジイサンの時代から「丑の日はお祭り」。いろんな人にうなぎを食べて貰いたい、とい言っていた。イマドキに言えば「販促活動」になるということ。そのDNAを引き継いでしまったらしく、むしろ普段より安い値付けでございます。

さすがにランチはお休みしましたけど‥‥。今やうなぎの価格は高騰し、高い。そこにもってきて丑の日を高くしたら、さらに高く感じてしまうことだろう。そこで高騰前の価格くらいに設定。加えて入ってきたうなぎは驚くほど高品質。多少あわただしい店内だったけれど、納得のいくうなぎを出せました。

お店閉めて計算したら愕然とす! うなぎの仕入れ代金や人件費など計算すると、利益率極めて超低い! 販促活動だと思えばいいか。というか、これだけお客様が多いと「うなぎ文化って依然として根強いのね」と嬉しくなります。安くなれば普段ももっと食べて貰えるのに、と感じた次第。

さすがに疲れ、帰宅するなりTV見ながら沈没であります。

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2 Responses to “哀愁の薄利多売”

  1. ともお より:

    昨日は、めずらしくそっち方面に行っていましたが、さすがに「当日」ではうなぎにありつけないかな〜と思い断念しました。(実際僕が行った時間では売り切れでしたね)
    商売人というのは時に設け度外視のお祭りというのがないと商売をやる側もモチベーションが上がらないっていう話を聞いたことがあります。
    うなぎは旬の時期(冬でしたっけ?)まで待ちます(笑)

  2. applefanjp より:

    国沢さん!
    師匠!(勝手ながら)
    お疲れ様でした!
    いいなあ、うまそうだなあ、美登里のうなぎ。
    お客さんを大切にしたいという気持ち。
    読者を大切にしたいという気持ち。
    うれしく思って読んでます。

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