日産の日本市場低迷の主因はゴーンさんぢゃないですね(29日)

日本ではあまり知られていないけれど、日産はQX50に『KR20DET』という可変圧縮比エンジンを搭載してきた。まだ試乗していないため実力の程を知らないのだけれど、272馬力/390NmというV6の3,7Lエンジンの代替として使えるほどのパワー&トルクを持ちながら、2Lに近い燃費だという。圧縮比は8~14まで変わるから凄い! されど日本で販売する予定無しだという。

何度も書いてきた通り日産の国内販売シェア減は2008年のリーマンショック以後、顕著になった。2007年に日本マーケティング本部担当の執行役員になった片桐隆夫さんが徹底的な縮小均衡策を取ったからだ。もちろんリーマンショック直後は全ての自動車メーカーが手痛いダメージを受けている。トヨタですら大量の在庫を抱え、富士スピードウェイまで駐車スペースにしたほど。

けれど日産を除くメーカーは2008年秋くらいから徐々に縮小均衡策をやめ”平常運転”に戻った。ところが片桐さんだけ縮小均衡策を続ける。振り返ってみると、2005年1月発売のノートなんか2012年9月までフルモデルチェンジせず。2005年5月発売のセレナなど、現行モデルに至るまで基本骨格を変えていない。主として日本で売るモデルの開発を事実上止めてしまったのだ。

2015年に片桐さんの仕事を引き継いだ星野朝子さんも同じことをやっている。可変圧縮比エンジン搭載のQX50(日本名スカイラインクロスオーバー)を日本で売ればよかった。ただし日本仕様を作るため、ある程度の開発予算を必要とします。片桐さんの仕事を引き継いだ星野さんは「売れるの?」になったらしい。そんなこと誰だって解らないです。結果、止めた。

ちなみに片桐さんはQX30というカコ良い小型SUVを日本に導入しなかった。C-HRやレクサスUXのライバルだ。このクルマを日本で売ったらよかったと思う。はたまた、カングーなどのルノー車を日産ディーラーで販売しないのも、片桐さんと星野さんが決めたこと。ゴーンさんは全く関与していない。日本市場で日産がダメになったのは、日本を担当する日本人の問題であります。

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