果たしてCVTは使いモノになるか?

ゆっくり走ればいいのにバーストさせ派手に帰ってきたり、思い切りコースアウトして頭から突っ込む姿を見てタイのヒトも”私のオタンコ具合”をついに認識したらしい。走りきったら、その後、オフィシャルからライバルチームのクルー、主催者みんなから「コングラチュレーション!」の嵐。

タイで何度も勝ってるし、2014年にキングスカップ取った時はガチバトルである。けれどこんなに喜んでくれなかった。皆さん「カッコ良い!」と言ってるらしい。どうやら最後までアタックした馬鹿っぷりがタイ人のドコかを刺激するのだろう。オーストラリア人のスチュワードも同じ。

考えてみたら私だって完走するだけでいいとチンタラ走るヤツは嫌いだ。最後のSSも2回くらいアブなかったくらいです。私を紹介してくれている主催者のフェイスブックにもタイ人から多数の「よかった」「感動した」「おめでとう」。古今東西競技の華は「全開!」。これ無ければアカン。

黒バックなので笑わないです

みんなから記念写真を頼まれ、表彰式もたっぷりやっていただき、感激であります。なにより全くデータなかった全くのニューカーが全開で220kmを走り切れたことに驚く。なんたって喜多見さんの手による一品生産ですから。ボディの作りも喜多見さんのノウハウのみ。

ゴロた石の多いガタガタの路面や、お腹を擦りっぱなしになってしまうワダチや、フルストロークを食らうハイスピードのギャップも幾度となく通過したが、アンダーガード強固! ボディだって悲鳴上げず、サスペンションアームも全て無事。タイしたモンだと関心しきり。

今回はチームクルーにも助けられました~

2日目は持って行ったお気に入りのヨコハマがなくなり、本来なら使いたくなかったWRC用のピレリにしたけれど(タイヤが重すぎて足回りに負担かかる。初日のバースト級の入力だとクルマ壊れたろう)、それでも何とかなったから驚く。そういえばブレーキパッドも1セットのみ。

ということで「WRX S4でラリーはできるか?」ということだけれど、結論は「可能性は大!」。もちろん現時点では10km以上の長いSSを走るとCVTがセーブモードに入ったり、車重的なハンデあったりするし、現在のカテゴリーで勝てるクラスは無い。

最後はタイ国旗と王様の旗を

とはいえステアリング操作に専念できる。初級レーシングカートのようなもの。何より安全だ。ブレーキはグラベルタイヤ用を履かせるため無理矢理キャリパーを小さくした影響で不安定感が出てしまったが、ノーマルのキャリパー使うターマックラリーなら問題ないだろう。

興味深いことにCVTは学習制御するらしく、ラリーの最後の方は立ち上がりのギアレシオが良い感じになってきた。コーナーに飛び込み、ブレーキでギアレシオ落とし、立ち上がりでパワーバンドにバッチリ入っているときもあり、そんな時は「CVTサイコー!」でしたね。

       写真/CT編集部 原田貴俊

もちろん課題もある。今回スバルの技術者が発生している様々な状況を解析して教えてくれたため、ドライビングに反映させることができた。同時に「もう少し事前準備できていればもっとキッチリ走れたんですけど」と悔しそうでした。その気持ちがクルマを鍛えるんだと思う。

水曜日はツベたいビールがウまい快適なタイから地球温暖化(ぷっ!)で激しく寒いらしい東京に戻ります。立木アタックは車載が撮れてると思うので明日か明後日にでも。笑えると思う。

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