熊本のお酒

しばらく前に、CBR1000に乗っているという私とほぼ同世代の方が「東京に出張で来ました」と、熊本県からうなぎを食べに来てくれた。歳の割にCBR1000を買った、ということからしても、気合い十分である。その際、お酒の話になったのだけれど、先日以下のようなメールを頂く。

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「熊本には焼酎のおいしいのがありそうですね」の件です。外交辞令かもしれませんが、確かに「球磨焼酎(くまじょうちゅう、と発音します)」は、個人的には一つの文化だと考えています。それが全国区ではない、というのを痛感しました。熊本県民として見過ごすことが出来ません。

そういうことで、送らせていただいた「熊本の酒」です。敢えて「熊本の酒」と言っているのは、熊本は焼酎だけがおいしいのではありません。酵母菌の発見者、野白博士(孫は私の親友です)を持つ熊本として、大手酒造メーカーの樽出しも一緒に送らせていただきました。

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近所のすこしばかり凝っている酒屋の勧めで、もうすぐ今年の原酒が出ますけど、ということで送るのが遅くなりました。(味はちょっと酸味が強くて私の好みではないのですが)自分としては、酒造研究所の「香露」の方がいいです。焼酎の方は、同じ店の中で好みだったものです。

中堅の球磨焼酎メーカーのもので、おそらく熊本以外は出ていないと思います。お試しください。

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早速『泰斗』から頂いてみる。水のようにサッパリした飲み口を特徴とする新潟のお酒(八海山や久保田)と全く違い、典型的な西国系のお酒でフルボディです。このタイプのお酒はバランス崩したら、もう厳しい。芋焼酎にも言えるコトながら、西国のお酒は強い個性を持つ。

そして甘い。良い日本酒=辛口という間違った認識を持つ人が多いけれど、こら間違い。日本酒の材料は米と米麹。辛い材料なんかありません。醸造用アルコールを混ぜればアルコールで辛口になりますけど。新潟のお酒も、アルコール混ぜた燗酒用を除けば決して辛くないです。

いずれにしろお酒は美味しいか美味しくないかの二つしか無いと思っている。泰斗の評価をすると「個性的で味が濃くて甘くて美味しい」ということになります。「日本酒をしっかり味わいたい」という人なら最高でしょう。入手しやすい同じ雰囲気のお酒として『酔鯨』(高知)の純米大吟醸などがある。

ちなみに酔鯨は坂本龍馬の逸話に登場する土佐藩の山内容堂(酒好きとして有名)に因んだもの。ただ容堂は土佐の酒を好まず、灘から取り寄せていたという。いずれにしろ泰斗は美味しい。熊本と言えば焼酎というイメージだったけれど、こうなれば香露も試してみたいものです。

焼酎は米である。熊本という芋だと思っているヒトも多いだろうが(鹿児島の隣だからか?)、芋の産地はシラス土壌の薩摩。球磨焼酎といえば米だ。頂いた球磨焼酎は全国区で入手出来る焼酎で言えば『しろ』。しろの味をクッキリさせたイメージである。美味しい料理を食べながら飲むと最高。

お酒のウンチクになってしまいました。お正月用のお酒、入手しましたか? 「こだわり」は素晴らしい文化。「なんでもいいや」から脱出すると、世の中案外「こだわり」を追求している人や企業が多いことに気づく。お酒を送ってくれたヒトもそうですね。こだわったモノやヒトに囲まれていると人生けっこう楽しいです。

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One Response to “熊本のお酒”

  1. san kaku より:

    私は、新潟の隣の会津におります。
    会津も酒蔵が一杯あります。
    普通に流通する酒は(日本酒)普通ですが、
    期間限定のスペシャルがあります。
    これは酒蔵の「こだわり品」ですな。
    数が少なく地元より都会の関係者に送られるようです。
    会津の酒の「こだわり品」はそこそこ美味しいです。
    しかーし!会津の酒はそんなものです。
    その程度ですね。
    会津の酒は「そこそこ」と(65点)というのが
    私の評価です。

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