現代の朝貢

そろそろ26日売り号の締め切りが迫ってきたため朝から原稿書き。鳩山首相の献金問題でモメているけれど、親子のことだけに厄介だ。考えて欲しい。「社会人になったコドモに会社で使うスーツを買ってやる」なんてのは普通のハナシ。というか法的にも年間110万円までなら生前贈与で問題なし。

それなら「将来必ず大成する」と思ったコドモに、年間110万円を超える投資をしたらどうか? レーシングドライバーやゴルファー、フィギュアスケート、お花、お茶など、成人になっているコドモに対し年間110万円以上掛けている親は珍しくないだろう。持参金付けてシートを買うドライバーなんて普通に居ますから。

金額についていえば、収入によって感覚は大きく違う。鳩山首相の母堂はブリヂストンの株を1300万株持ってるそうな。1株あたり24円の配当として3億1200万円が毎年何もしないで入ってくる。それ以外の株だって所有していることだろう。そいつを「コドモの成長のために使う」といった感覚なんだと思う。

少なくとも悪気は無いだろうし、何より使われているのは税金でなく、しかも鳩山首相の姿勢を見ると、少なくとも悪いことに使っているワケじゃないと考える。そんなこんなで個人的には「ラリードライバーになりたいコドモに年間600万円掛ける親」と大差なく感じます。つまり、あまり気にならず。

好みでない小沢さんながら、140人もの与党議員を連れて中国を訪問するという、中国の文化では最上級の外交を行っている。この件だけ見ても、小沢さんは中国の文化を熟知しているということが解ります。残念なのはメディア。単に小沢さんの勢力を誇示するため大勢で中国に行ったと報じるのみ。

この姿は「朝貢」に他ならない。現代版の「遣唐使」です。もちろん中国側が主(あるじ)。されど効能は絶大で、そもそも近隣国とのイサカイや武力衝突を回避するための知恵なのだ。中国側が朝貢を受け入れたら、武力衝突など考えなくて良い。中国を仮想敵国としなければ、我が国の驚異はほとんど無くなる。

昇竜のようなイキオイ持つ中国と付き合って行こうとすれば、朝貢が最も好ましい。もちろんアメリカへの強烈な牽制になるだろう。そこまで読んでいるとするなら(当然読んでしょうね)、小沢さんの政治感覚はズ抜けている。人当たりが良ければ歴史に残る首相になったと考えます。

何のカンのいいながら、今や中国無しで日本は成り立っていかなくなりつつあります。今、景気良い人や企業は中国と上手に商売をしている人ですから。

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3 Responses to “現代の朝貢”

  1. バゴーン より:

    なるほど、面子を重んずるというわけですね。
    インターネット上の言論では、いわゆる「ネット右翼」が大手を振ってます。彼らの対中論争をみると、強硬策に片寄るあまり、ややもすると思考停止に陥っている感があります。まぁ思考停止は左翼も一緒なんですが。
    好まざる隣人かも知れませんが、だからといって出ていけとも言えない。どこで落とし所を見つけるか、そこが重要なのだと思います。

  2. 佐藤マコト より:

    献金問題の本質は貰った後の「バレない工夫」の是非が問われて
    いるかと思いますね。
    それに関連して小沢さんの場合西松への「口利き」が問題。
    メディアは「献金問題」と同列に括ろうとしておりますが贈収賄。
    中国は…米軍が出て行った後のフィリピンや現台湾、東トルキ
    スタンへのアクションや核ミサイルがどこを向いているか等
    普通に考えれば中国とヒラリー米国間に小沢日本が喰い込め
    ると思うのはいかがなものでしょうか?
    油田採掘権でも渡せば展開は望めるでしょうが、
    例の「技術供与」を海外企業に課す姿勢など産業軍事共に
    行け行けの中国に期待するとすれば「公正」くらいでしょうか。
    まぁ中国人が親族の一員になった者としては、穏便に
    現状維持でお願いしたいですがね。

  3. 都内医師 より:

    この記事というか日記内容は、特に後半部分は非常に秀逸と思いました。素晴らしい。私自身は日本が国を挙げて日中友好!なんて騒いでいた頃からずっと中国も中国人も好きではないけれど、好き嫌いという感情と現実的な国家戦略はまったく別に考えなくてはいけない。上でバゴーンさんが書かれているとおり、国民ももっと冷静かつ理性的に大局を見ないと。
    ちなみに中国人にマナー知らずで下品なのが多いように見えるのは、まだまだ国が経済的に発展途上だからでしょう。本質的にはアングロサクソンの方がよほど野蛮で下品だと思う。

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