精一杯頑張る!

サスペンションの上の取り付けブブンが切れてしまった。しかもスペアのサス無し。というか使っていたの、スペアでしたから。そこで急遽喜多見さんのサスに組んでいたSTIのピロアッパーマウントを強引に取り付ける。もちろん完全にマッチするワケでなく、荷重抜けると遊び、落ちたらガチンと金属音。

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それでもリタイヤするよりマシ。ダメージの状況は上の写真の通り。60度ほど前傾した状態で前から落ちた結果、とうてい曲がると思えないほどブ厚いアンダーガードが(バンパーの下に見えてます)グニャリ! 車両前端が10cmくらい持ち上がった。走行不能にならなかったの、運がよかったのみ。

応急処置で走り出した午後のループは午前中より滑る滑る。どうやら雨が降っていたらしい。なんたって滑りやすい路面に出くわせばフロントサスが動かずアンダー。ギャップ通過したらストロークの無いリアがハネてどこ行くかワカラン。されど同じコースを使うSSのため、1本目より踏める。

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写真/染宮弘和

するとスリランカのチャンピオンに追いつく。写真はヘッドライト点いてないため、追いついた直後かと。この後、ハイビーム点け、ホーンならしっぱで2kmくらいアオる。本来なら車載の液晶に追いつかれたことが解る表示出てるのに! この人、昨年タイでも喜多見さんのジャマした。

「雪辱だぁ!」とホンキでプレッシャー掛けに行こうとしたら、譲ってくれました(ゴール後、謝ってきたので気持ちよく許す)。とはいえ私もヌタヌタの道になるとハンドル切っても全く反応してくれなくなる。ついにコースアウト。幸い戻ってこられたが、左前のバンパーを5分の1失ってしまう。

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ただタイムはクルマの状況を考えれば悪くない? スリランカの4年連続チャンピオンや、インドのお金持ちのサンジャイ選手より上。WRCでも4WDターボより速いS2000勢を除けばグループNの3番手でございます。私より上の順位は皆さんプロのドライバーだし。

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アンダー地獄の絵   写真/染宮弘和

1日目の最終SSは昨晩と同じ絶賛ドロ沼祭り中。今度は一段と冷静に、と考え丁寧&速度抑えてコーナーに入るも、いかんともシガタイ! 荷重移動してもダメ。ハンドル切ってもダメのアンダー地獄。じぇんじぇんアカンのビリから3番目。よくSSでコースアウトしなかったモンだ。

それにしても何で少なからぬお金使い、マレーシアまで来てこんな苦労してるんだろ、と思う。レーシングスーツもフェイスマスクもグローブも洗濯した直後の如くビショビショになるほど暑い。当然如く危険だし。フェイスブック見ると皆さん楽しそうな夏休み。ホンキで遊ぶと文字通り修行になっちゃう。

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APRCテレビのインタビュー。ヘタクソな英語が泣ける  写真/染宮弘和

もはや何のために走っているのか解らなくなりつつあるけれど、これもまた人生か。とりあえずラリーの神様は明日もラリーを続けろと言ってる。普通、モータースポーツの「たら」や「れば」は悪かった時に使うが、今日は「もう少しダメージ大きかったら」とか「コースに戻れなければ」。何とか生き延びました。

ツベたいビールを少しだけ飲んで早寝です。最も危惧していた腕の痛みも許容範囲。明日のラリーの神様の御機嫌はどうでしょう? 比較にならないほど厳しい状況で戦い、マレー半島で亡くなった先達に怒られないよう可能な限り頑張りますので、明日もコースオフしたら押し戻して頂けると嬉しいです。

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