FIAに罰金を払ったヤツ(9月4日)

もう腹を抱えて笑っちゃいました! 黄昏ジジイは以下のような書類を便所の落書き板に貼ったしたらしい。内容は私がFIAに150USドルのペナルティを課せられたというもの。この書類、記念に欲しかったのでございます。未でも福井大兄と笑い話になるほど。なんてたって日本人の競技者で唯一FIAに罰金払った話です。

2005RH

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2005年のラリー北海道1日目の夜のこと。突如呼び出しを受けた。行くと「21というゼッケンの車両が交通違反し警察が怒鳴り込んできた。このままだとラリーそのものを中止にするか、私を失格にするかという大きな騒ぎになってる」そうな。当方、全く心当たり無し!

応接室に行くとイラついてる年配の警官(後で帯広署のヒトだと判明)と、若いけど落ち着いた警官(後で北海道警察のキャリアだと解る)が座っている。2人とも私服。若い方の警官は私と、白人の女性を見て少し「あれ?」みたいな雰囲気。すると年配が怒り出した!

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コドラはアン・ギグニーさん

まとめると以下の通り。夕方のこと。ラリーの視察に訪れた道警のキャリアを案内してリエゾン区間を走ってたら、21号車に抜かれた。道警幹部のメンツも潰したと思ったらしい。加えてラリーに出てるのは暴走族だと考えていたようで「そんな運転を管轄内ですることなど許さんぞ!」。

当然ながら「違反の状況は?」という話なる。制限速度60km/hの追い越し可能な道を延々50km/hで走っている過積載(?)のトレーラーがおり、私はここに追いつき、けっこう付き合った後、警察の車両を抜き、一旦車線に戻った後、トレーラーも抜いた。それが気にくわなかった様子。

追い越し禁止じゃなく、2台続けて抜いたワケでもなし。となると速度違反ということになるが、ジワジワしか追い越しておらず。60km/hは超えていたかもしれないけれど、70km/hにゃ届かない程度。加えて証拠なども全く残っていない。やがて「1km/hだって違反だ」と原理主義全開。

この間、「私はTVでWRCの解説やってますけど」と、ラリーという競技の説明も丁寧にした。移動区間は余裕あり競争する必要無いことも説明する。なのに収まらず1km/hの違反で競技を止めさせる! ということになってきた。この時点で若い警官が穏やかな口調で「解りました」。

続けて「ラリーという競技を知らないので見に来たんです。丁寧に説明して頂いてよく解りました。明日も頑張ってください。ただ目立つクルマなのでお手本になるような運転をお願いします。どちらの国からおいでですか? オーストラリアですか。ではお気を付けて」。

一流大学出のキャリアは社会常識を持つ。収まらないのが私だ。警察来て競技中止の大騒ぎとなればFIAだって見過ごせない。緊急審査委員会で失格になる可能性もある。年配の警官に「私らはルールに乗っ取ってやってるから失格になるかもしれないんですよ」と砂を吐く。

ということでFIAの即決裁判となる。ここで登場するのが福井兄。丹後ラリーの審査委員会は「死ね!」という結論だったけれど、FIAの裁定って解決策を探る。オーストラリアのスティーブ・ケネディというチェアマン(裁判長役)がスチューワードの福井兄に「どんなものだろう」。

「警察は大きな問題にしなかったし、そもそも違反が確定していない」と福井兄。「じゃFIAの通例通りその国の違反の10倍の罰金にしましょう。ところで日本は1km/hいくら?」とチェアマン。福井兄は「まぁ1500円かな。10km/hオーバーでどうだろう」。

警察も1km/h違反じゃメンツ立たないから10km/hにしとこうとなったワケ。以上、150ドルで全て丸く収まった。後日談ながら、県警のキャリアは茶髪のドライバーが来るのかと思いきや白髪交じりのジャーナリストと外国人女性だったので驚いたそうな。ラリーに良い印象を残して帰ったとのこと。

長い話になった。上がその証拠。後にも先にもFIAに個人で罰金を払ったドライバーはいません。私の誹謗中傷のため黄昏ジジイが貼ったんだと思うけれど、欲しかった写真をアップしてくれて嬉しいす! そうそう。150ドルの領収書は大切に持っている。


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